転生者はめぐりあう（チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー）

第3章 竜の襲撃

3.15.4 神格化

「では、ここから出るぞ。
ここは、あまり長い時間人が居ても良い空間ではないからな」
「ここは、どこだったんですか」

「ここは、我が持つ異空間の一つだ。
魔法の練習をするために作った空間なので何もないがな」
　すごい、見える限りの空間だけでも数キロ以上の空間がある。
　それに暑さも含めて世界を一つ作っている。それが自分の空間だとはスケールの違いに驚きが隠せない。

「そう驚く必要はない。
作ったのはアロノニア様だ。
我が生まれた直後に魔法の練習で世界を壊しかけてな。
ラキシス様が頼んでアロノニア様が作ってくださったのだ」
「そ、そうですか。
さすが女神様ですね」
「アロノニア様は女神の中でも最高位の神だからな」
「もしかして、同じ女神でも神格が違うのですか？」
「アロノニア様は最古の神だ。
神がどのようにして増えるのかは本人たちもわかっていないようだが、アロノニア様によるとある時に突然神が増えるそうだ。
それが姉妹として同系統なのか、敵なのかわかるそうだ」
「へー」
「さて、帰るか、手を繋ぎなさい」

　そういわれても、さっきまでの死闘の影響かカイの手を触れない。
　というかさっきから近くにいけないのだ。さっきから会話もしているが彼との間は3mほど空いている。
「ふむ、そういう影響が出たか。
死にかけたのだからさもありなん。
だが、このままここにいると死ぬぞ」
　そうだ、恐らく言っていることに間違いはない。
　もう殺されることもないのだし、大丈夫だ。
　動け足。

そうは思っても、残念ながら足どころか体が全く動かない。

　結局、カイから僕の方に近づき手を取って転移した。

　目が覚める。
　いつものベッド、いつもの朝だ。
どうやら僕は、あの後倒れたようだ。
手を取られた後の記憶が無い。

　レティーシアが来て着替えさせてくれた。コハクは、レティーシアのやる事を覚えるようだ、いろいろと聞いている。
　食堂へと行くとエイミーと会った。
「あ、ジルちゃんお帰り。どうだった？」
「うん、死にかけたけど技は覚えることができた」
「ほんと、新しい技見せて、見せて」

「カイ様、見せても良いのですか。
これって秘密にすべき術ですか？」
「その二人はお主の配下に登録されているようだから見せても良いが、他はやめておけ。
あと今日はやめた方が良いぞ。
それなりに魂に影響が出る技だからな。
連発すると命が削られる」
「うわ」
「ひえー、危ない技だね」

「じゃあ、数日後に訓練場で見せるからバーニィとエイミーだけ連れていくよ」