転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第4章 10歳王都編

4.2.1 賢者の知識

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 先にオメガさんがチャレンジしたが残念ながら総魔力量が足りなかったらしくはじき出された。
 そして、僕の番だ。
 以前と同じようにパズルを組み合わせて中へ入る。
 中に入ると周りは暗いが、先が少し明るかった。先に進むと今回は止められることは無く大きな扉の前に到着した。光は扉についている小窓から漏れ出していた。その大きな扉を押して中へ入る。
 部屋に入ると、中央に台座があり、その上に大きな水晶が乗っていた。
『よく来た賢者の候補者よ。
この水晶に触るが良い、賢者の称号と共に、前代の賢者の知識を授けよう』
 以前と同じように頭の中に声が響く。どうやら賢者の知識を継承できる仕組みがあるらしい。恐らく水晶の下の台が魔道具になっているのだろう。
 台は、奇妙な飾りが付いた白い大理石でできている。外側からは特別な魔法陣も見えず普通の台にしか見えない。高さは1mちょっと。一般的な机よりも高い位置にある。
 今の僕の身長は150cmぐらい。10歳の子供の中では高めだ。1m程度の台座なので、難なく水晶を触ることはできた。
 水晶に両手を置くと頭の中に映像が見えた。

 賢者の記憶した映像なので、賢者となった者の目線で見た映像なのだろう。現在の僕よりも目線が高いようだ。
 最初に見えたのはマリアテレーズに似た女性だ。今のマリアテレーズではなく、はっきりとは思い出せないが前世の時に姿に似ている。着ている服は、高校生制服で黒髪だ。だが両目は紫という特徴的な眼を持っていた。これはマリアテレーズと同じ聖女だからだろう。
そして、次に銀髪の虹色の眼をした美人さんだ。魔物に襲われるところを聖女と共に助けた。
 すぐにシーンが切り替わって、見えたのはカイだ。隣にティアマトによく似た女性が立っている。おなかが大きい。とてもうれしそうに微笑む姿が見えた。
 シーンが変わってカイが神格化した。戦いの場面が見られ、僕と同じように死にかけた時に自分も神格化した様子が感じられらた。
 ここに来て、おかしいと感じ始めた。
 神格化は両目が金眼ではなければ習得できないと言っていた。前回の賢者は、200年前に転移門を作った人物だ。日記には両金眼とは書かれていなかった。次々に見せられる映像から推察するとこの記憶は建国王。つまり建国王も賢者の称号を取ったのだろう。
 では前代の賢者の記憶はこの後で見れるのか?

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