転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第4章 10歳王都編

4.4.3 メリルディーナ領への移動

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 何事もなく朝になった。特に魔物も冒険者も襲撃してくることなく平和に一晩が過ぎた。警戒し過ぎたせいで少し寝不足だ。
 野営の方が眠れてしまうとはこれ如何に。魔物は襲ってくるなら殺せば良いが人との関わりは面倒だ。
 今まで、悪意ある人達を遠ざけてくれていたが、これからはそう言った人達ともかかわらなければならないのか。面倒だ。
 僕らは、宿屋を後にして、メリルディーナ公爵領の領都を目指す。馬車を走らせ、街を出た。そして30分ほどで予想通りの事件が起きる。もちろん魔物ではなく、野党の集団だ。
 予想通り冒険者の面々だ。

 恐らく、今までも金持ちそうな馬車を襲い、魔物にやられた事にしていたのではないだろうか。昨日のAランクと言っていた戦士二人に魔法使いもいる。他にもAランクと思われるような猛者が含まれている。あまりのメンツに少し驚いた。
 こちらは、予想通りなので慌てることなく僕が物理結界を作り出す。
 僕の物理結界の内側に、コハクが結界を作っている。聖女系の高度な結界だ。僕の物理結界に阻まれ中に入れないから、その場から魔法攻撃や弓矢の攻撃が行われたが、コハクの結界によって全て阻まれている。

 魔法攻撃も矢も全く有効にはならない。
 内側からは、バーニィが無詠唱で魔法を放った。
 これは有効な魔法となり結界を飛び出していく。
 その攻撃を受けて、なす術もなく敵がバタバタと倒れた。残った人たちは、エイミーと太郎が無双して倒し、後始末をトシアキとオブスレイさんが縄を持って回っていた。
 オメガさんは攻撃系魔法は不得意なのでレティーシアと一緒に馬車で待機していた。ティアマトと僕は、ほぼ観戦だけ。手を出すことなく終わった。
 戦闘が終わるとレティーシアがバーニィの事をかっこよかったですと誉めていた。
 こういうイベントでも嫁に対する株が上がったらしいので、無駄なイベントでは無かったと言うことにしておこう。
 働いたのはコハクとエイミーだが、バーニィだけが主役ポイ感じで終わった。

 エイミーが太郎に乗って、街に戻り警備隊を連れてきた。捕縛した者たちが30名もいるのだから、僕らだけでは運べない。
 僕らも冒険者ギルドに向かいギルド長と話をした。なんといっても30名全員がギルドのメンバーなのだ。自由度が高い商売にしても犯罪者ばかりを雇うのはどうだろうか。

 ギルド長がひたすら謝っていたが、鑑定でも犯罪者とはっきりわかるわけではない。実際、僕も昨日の時点で見た鑑定では犯罪者となっていなかった。
 仲間内で警戒すると約束してくれたが、魔物に対する戦力となると軽微な犯罪をするぐらいの悪人は必要なのだろう。
 結局、彼ら全てを犯罪人として裁くと魔物に対する戦力がなくなるからと、罰はボランティアで許すことにした。なぜなら、これ以上関わり合いになりたくなかったからだ。ここの問題から直して回る旅ではない。後でファールじいちゃんに言っておけば十分だろう。

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