転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第4章 10歳王都編

4.4.4 メリルディーナ領への移動

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 数日間メリルディーナ公爵領を回ったが、領の端は魔物が出るらしくギルドがある街を中心に人が住んでいたが、農地はそこまできれいに整備されていなかった。守りの地を少し離れるときちんと整備された農地が広がっていた。そこでは冬野菜も育てているところがった。そして休耕地もあり、きちんと管理されているようだった。
 そして、煙の見える地域が近づいてきた。どうやら工房街もあるらしい。
 今日はそこに泊まる。

 工房街では、工房で作った製品を展示し販売もしていたので、店を眺めた。そこでは鍋などの料理器具も揃っていた。クロスロードと比べると鉄や銅を使った製品が多くあった。
 エイミーもトシアキは武器屋をいくつか周り気に入った剣を購入していた。ただ彼らは既にかなり良い剣を持ってるはずだけど。
 購入した剣は、どうやら趣味の剣らしく飾り用の剣だそうだ。切れ味よりも彩色に凝った作りだそうだ。必要な剣なら経費で出そうかと思ったけど、その必要は無いようだった。
 
 工房の街でいろいろな製品を見て回った。特に料理器具は重点的に見て回りゴルゴさんへのお土産も買った。レティーシアとバーニィ夫婦にも一通りの物を買って結婚祝いとしてプレゼントしておいた。

 そうして、一通りの街を見て回りようやくメリルディーナ領の領都に到着した。
 領主は宰相として王都にいるので、領主館を管理しているのは代理人だ。メリルディーナ公爵家は、カトレア様の血筋が本家。内部の土地を管理する伯爵家や子爵家はそちらの系譜だ。ファールじいちゃんも数代前が公爵家にたどり着くような家系だ。そして現在の領主代理は、カトレア様の従弟だ。
 メリルディーナ公爵は歴代の公爵が宰相を兼務しているので、昔から領主が主として使っている建物ではない。だが、クロスロードの領主館よりもはるかに大きな建物だった。

 領主館に着くと、いろいろな報告を済ませ予定の確認をする。
 そして、あらかじめ伝え用意してもらった部材を使って休憩の数日でアイテムボックスとマジックバッグを完成させた。
 マジックバッグを10個、アイテムボックスを100個完成させ、マイストレージから死の沼で取った塩水と塩泥をアイテムボックスに詰め込んだ。
 他にも道中やクロスロードで倒した魔物の部材を詰めて込んでいく。マイストレージは久しぶりにかなりの空間が空いた。

 そして、最後の移動だ。ここから荷馬車を連れて王都への移動が始まる。
 残念ながらオブスレイさんはここでダウンした。持病の腰痛が再発し無念ですと。
 ここから王都にはティルスレイさんが付き合ってくれる。なんとオブスレイさんとアマリリスさんの息子だ。ティルスレイは王都のメリルディーナ公爵家に勤めている執事長なのだ。父親のオブスレイさんがダウンするだろうと予測して先回りしてくれていたそうだ。

 荷馬車を何台も連ねた集団。もちろん、アイテムボックスが積まれているが、それ以外にも道中で倒した魔物の皮や毛皮が積まれている。当然だがそれを護衛する騎士も一緒だ。クロスロードを出発した当初とは全く違う規模の集団にちょっと引いてしまう。
 メリルディーナ領の騎士団19名が護衛。小隊は4名、それが4つ。さらに隊長と副隊長が2人。大隊のチームが組まれていた。

 これだけの大所帯になると移動の速度が落ちる。騎士は全員が騎乗しているが荷馬車は馬車よりも速度が出ないようだ。力重視なのだろう。今回の荷馬車はハリボテ荷物なので重くないのだが。ゆっくりと王都に向けて移動した。
 王都に入るとクロスロードの馬車をメリルディーナ騎士や荷馬車が囲み、行進しながら進んだ。メリルディーナ公爵家がクロスロード侯爵家の後援人である事を宣伝しているそうだ。
 本当に面倒なことだ。
 行進状態で、ゆっくりと王都を進み、メリルディーナ公爵家の家に到着した。特に何もしていない日だったのに、王都の住民に見られながらのこの日が一番疲れた。

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