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第4章 10歳王都編
4.6.5 お披露目会
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二人の所へと進んだ。
今度は二人の距離を少し近づけて進む。どうだろう、これなら大丈夫だろうか。近すぎたせいかスザンヌ様の匂いがはっきりと解るようになった。少し、いやかなり良い匂いがする。はあ、我ながらなんて純情ボーイ。こんなことでドキドキするなんて。
前世で成人した経験があるのに、こういうところは年相応になっているとは。きっと前世の経験を吹き飛ばす程にスザンヌ様が美少女だからだろうと納得する。
「第2王子のマクシミリアンとアナスタシア様よ。
マック、こちらがジルベールよ」
「ああ、入場の時に会ったが慌ただしくて話もできなかったね。
それに急にスザンヌの面倒を見させてしまって、申し訳ない」
「いえ、これほどの美少女をエスコートをすることができて光栄に思ってます」
「外面はよいんだけどね。
そこから想像できないぐらいに、おてんばなのだけどね」
「ジルベール様3年ぶりぐらいですね。
お元気そうで何よりです。
事前にお父様聞いてましたが本当に、両金眼だったのですね。
それに、例の賢者の部屋に入られたのですよね」
「ええ、入りました」
「中に何があったか教えていただけますか」
「まあ、詳しく説明すると時間がかかりますし、夜の食事の時かその後でもよいでしょうか。僕も呼ばれているので」
「ええ、そうしましょう。
秘密にしないといけないこともありますものね」
「秘密って。
確かに、あなたは沢山もっていそうね」
「秘密ですか。
秘密を持っていない人はいないと思いますよ」
「まあ、そうだけど」
秘密と言っても、前世の記憶があること以外はファールじいちゃんと通して王家には伝えているはずだ。
その後は、周りにいたスザンヌ様の友達だと言う年上の令嬢と挨拶を交わした。もちろん、いずれも公爵家や侯爵家の令嬢だ。名前と髪、眼の色の組み合わせは事前に「覚えろ」言われていたので覚えているが、みんな親戚関係にある者達ばかりで似ているのだ。
着ているドレスは色が違うが形は流行りに合わせているので似ている。きっと次回違う色のドレスを着たり、髪型が違ったら解らない自信がある。
そこでひと揉まれ。その後でようやくあいた第1王子とサフィーナ様の所へ向かった。
「ジルベール君、両金眼と聞いて驚いたが、君は本当に王を目指さないのか」
挨拶をした直後に、いきなり直球がきた。しかもこんなところで。
いやこんな場所だから聞いたのか。答えるべきなのだろうか、悩む。だが、初対面でいきなりこういう事を聞いてくるし、大人が止めていないと言うことは期待している答えを言って欲しいと言うことなのだろう。
「はい、陛下にも説明しましたが、僕は王と言う仕事にも役職にも興味はありません。
僕は魔法の研究をして、人々の役に立つような魔道具を作る事には興味があります。
だからそういった時間を少しでも残せるような余裕のある生活がしたいのです。
領主として生きる為に多少の教育は受けています。
ですから、僕にとっての民は、特定の領地に限られる程度しか思い浮かびません。
僕には王としての心構えは無いのです。
恐らく、これからも国全体と言う目線になる事は無いと思います。
それに国を守ると言うことに、王一人の力が強い事にそれほどの意味はありません。
今の世は戦乱の中ではなく、平和な世界です。
これから望まれるのも永続的な平和であって、戦いの世の中ではありません。
僕の武力が必要とされる世界ではないでしょう。
ルカレディック王子は、とても優秀と聞いてます。
今のこの国が安泰であるならば僕が入り込む必要はないでしょう。
そもそも今の世は、金眼さえも必要としていない」
あえて、自分の事を僕と呼び、少し幼いのだと言うアピールもしておいた。わかってくれるだろうか。
「両金眼の君が金眼を軽視するのか。その才能あふれる能力を発揮している君が」
そこに注目するのか。これでもう良いやと思ってくれれば良かったのに。しょうがない。
「ええ、現にレイブリングさんもエイミーも、エレノアも優秀ではあるけど金眼ではありません。
金眼が無くても普通の貴族を超えた能力を持つことができます。
そして、金眼を持つだけの人を凌駕している。
今までの世の中は、金眼が象徴として必要だったのでしょう。
象徴としての金眼はしばらくの間はまた必要なのかもしれません。
ですが、世界を動かすのはそれ以外の力です。
世の中を変えていくならば、金眼の必要は無いのではないでしょうか。
特に両金眼だからと支配者になれるわけでは無い、貴方が良き治世を行えば、誰も僕を欲することは無いでしょう」
「ふむ。面白い考え方だ。
君が王を目指さない事は理解したが、世界を良き方へと変える手助けはしてくれ」
「ええ、もちろん。そのつもりです」
他にも挨拶をしまくっている間に、お披露目会が終わった。
どうやらフィリップ王子は途中でエスコート役を変更していたようだ。最後に見た時はクリシュナ様と回っていた。
新作始めました。
"神様なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか”
こちらの作品もお楽しみください。
今度は二人の距離を少し近づけて進む。どうだろう、これなら大丈夫だろうか。近すぎたせいかスザンヌ様の匂いがはっきりと解るようになった。少し、いやかなり良い匂いがする。はあ、我ながらなんて純情ボーイ。こんなことでドキドキするなんて。
前世で成人した経験があるのに、こういうところは年相応になっているとは。きっと前世の経験を吹き飛ばす程にスザンヌ様が美少女だからだろうと納得する。
「第2王子のマクシミリアンとアナスタシア様よ。
マック、こちらがジルベールよ」
「ああ、入場の時に会ったが慌ただしくて話もできなかったね。
それに急にスザンヌの面倒を見させてしまって、申し訳ない」
「いえ、これほどの美少女をエスコートをすることができて光栄に思ってます」
「外面はよいんだけどね。
そこから想像できないぐらいに、おてんばなのだけどね」
「ジルベール様3年ぶりぐらいですね。
お元気そうで何よりです。
事前にお父様聞いてましたが本当に、両金眼だったのですね。
それに、例の賢者の部屋に入られたのですよね」
「ええ、入りました」
「中に何があったか教えていただけますか」
「まあ、詳しく説明すると時間がかかりますし、夜の食事の時かその後でもよいでしょうか。僕も呼ばれているので」
「ええ、そうしましょう。
秘密にしないといけないこともありますものね」
「秘密って。
確かに、あなたは沢山もっていそうね」
「秘密ですか。
秘密を持っていない人はいないと思いますよ」
「まあ、そうだけど」
秘密と言っても、前世の記憶があること以外はファールじいちゃんと通して王家には伝えているはずだ。
その後は、周りにいたスザンヌ様の友達だと言う年上の令嬢と挨拶を交わした。もちろん、いずれも公爵家や侯爵家の令嬢だ。名前と髪、眼の色の組み合わせは事前に「覚えろ」言われていたので覚えているが、みんな親戚関係にある者達ばかりで似ているのだ。
着ているドレスは色が違うが形は流行りに合わせているので似ている。きっと次回違う色のドレスを着たり、髪型が違ったら解らない自信がある。
そこでひと揉まれ。その後でようやくあいた第1王子とサフィーナ様の所へ向かった。
「ジルベール君、両金眼と聞いて驚いたが、君は本当に王を目指さないのか」
挨拶をした直後に、いきなり直球がきた。しかもこんなところで。
いやこんな場所だから聞いたのか。答えるべきなのだろうか、悩む。だが、初対面でいきなりこういう事を聞いてくるし、大人が止めていないと言うことは期待している答えを言って欲しいと言うことなのだろう。
「はい、陛下にも説明しましたが、僕は王と言う仕事にも役職にも興味はありません。
僕は魔法の研究をして、人々の役に立つような魔道具を作る事には興味があります。
だからそういった時間を少しでも残せるような余裕のある生活がしたいのです。
領主として生きる為に多少の教育は受けています。
ですから、僕にとっての民は、特定の領地に限られる程度しか思い浮かびません。
僕には王としての心構えは無いのです。
恐らく、これからも国全体と言う目線になる事は無いと思います。
それに国を守ると言うことに、王一人の力が強い事にそれほどの意味はありません。
今の世は戦乱の中ではなく、平和な世界です。
これから望まれるのも永続的な平和であって、戦いの世の中ではありません。
僕の武力が必要とされる世界ではないでしょう。
ルカレディック王子は、とても優秀と聞いてます。
今のこの国が安泰であるならば僕が入り込む必要はないでしょう。
そもそも今の世は、金眼さえも必要としていない」
あえて、自分の事を僕と呼び、少し幼いのだと言うアピールもしておいた。わかってくれるだろうか。
「両金眼の君が金眼を軽視するのか。その才能あふれる能力を発揮している君が」
そこに注目するのか。これでもう良いやと思ってくれれば良かったのに。しょうがない。
「ええ、現にレイブリングさんもエイミーも、エレノアも優秀ではあるけど金眼ではありません。
金眼が無くても普通の貴族を超えた能力を持つことができます。
そして、金眼を持つだけの人を凌駕している。
今までの世の中は、金眼が象徴として必要だったのでしょう。
象徴としての金眼はしばらくの間はまた必要なのかもしれません。
ですが、世界を動かすのはそれ以外の力です。
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特に両金眼だからと支配者になれるわけでは無い、貴方が良き治世を行えば、誰も僕を欲することは無いでしょう」
「ふむ。面白い考え方だ。
君が王を目指さない事は理解したが、世界を良き方へと変える手助けはしてくれ」
「ええ、もちろん。そのつもりです」
他にも挨拶をしまくっている間に、お披露目会が終わった。
どうやらフィリップ王子は途中でエスコート役を変更していたようだ。最後に見た時はクリシュナ様と回っていた。
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