転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第4章 10歳王都編

4.7.1 夜の会食

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 会食会場に移動する前に、休憩室で一休み。

「今日の夜の会食は、公爵家以上だけが集まるのよ。
それとアナスタシア様の御家族が参加するわ。
貴方とエレノア、ニナシティは公爵家の枠で参加します。私とレイブリングは貴方達が初めて参加することになったので呼ばれました。
けれど、私たちは自分から発言することはないわ。本来は居ない存在だから。
でも何かあった時には頼りなさい、そのために居るのだから。
では、そろそろ移動しましょう」

 席次は、前方が王室の人達。
 王様を頂点に右側の最初に第3王子。そして第1王妃と第1王子、サフィーナ様そのご両親、そしてティアマト、アメリ母様、第2王妃と続いている。
 左側は、第1王女、第3王女、第3王妃、第4王女、そしてファール様、カトレア様、第2王女、僕、レイブリング父様、エレノア、ニナシスティと続いている。
 端まで20人以上が座れる巨大な机だ。どうやら王様に近いほど身分が高いという並びでもないようだ。

 現在、ほぼ全員が着席し、陛下と王妃の登場を待っている。

「国王陛下がお見えになります」

 そういわれた時に、全員が立ち上がり、一礼をする。
 傅いて待つわけでは無く礼だったのですぐに頭を上げるようだ。隣の第2王女に合わせて僕も顔を上げた。
 陛下は、第2王妃と第3王妃を伴って入り、第1王妃は第3王子と共に入場してきた。
 席に着く。
「今夜はめでたい事が沢山のとても良い日だ。
まずは、第1王子ルカレディックとサフィーナ姫、第2王子マクシミリアンとアナスタシア姫の婚約が正式に決まりお披露目会の最初に発表できた。
それから、第3王子の10歳のお披露目が終わった。
メリルディーナ公爵家には、ジルベールが養子となる事が決まったが、本人の希望で12歳までは延期される。それに先駆け、ジルベールの妹として育てられていたエレノア、ニナシスティの二人の魔力の高い子供がすでにメリルディーナ公爵家の養女として迎えられた。
公爵家の増員は、これからの国に発展に寄与するであろう。
良きことだ。
では、食事を始めよう」

 そして、ゆっくりと食事会が始まった。
 僕の席は全体の中央付近、数席離れたところからアナスタシア様が話しかけてきた。
「ジルベール様、賢者の間はどういった部屋だったのですか。
教えていただけますか」
 魔道具があるのか、声を出した人の話が良く聞こえるようになっている。

「お話しする約束でしたね。
賢者の部屋へは、メリーナ様の強い加護を受けた者が入れます。
今回、僕の前に元王宮魔導士だったオメガさんも入れました。
ですが、彼はやはり賢者の資格を得るには能力が不足していたらしく、以前の僕と同じく外に追い出されてしまいました。
次に、僕が再度の挑戦をしました。
まず扉の入出条件を満たすと今回は外に弾かれることなく中に入れました。
入ると奥に扉が見えました。
その扉を開くとこの食堂の半分も無いぐらいの部屋に出ます。
そこは、中央に台座があり大きな水晶が置いてありました。
その水晶に手をかざすと、賢者の称号が貰えるのです。
賢者の称号だけではありません。賢者とは知識がなければ賢者になれませんから。
ですから水晶には前代賢者の知識を継承する仕組みが施されていました。
賢者になってから死ぬまでに得た知識を得ることができるのです」
「では、ジルベール様は既に沢山の知識を得られているのですね」
「残念ながら、そううまく事は運びませんでした」
「やはり数百年も経った魔道具ではだめだったのですね」
「いえ、違います。魔道具は完全に生きていました。
実は、先代の賢者は200年前に転移門と作った人物です。
その前代の賢者はまだ生きておられるそうです。
そのために、水晶に残されているのはその前の代の賢者の強い思い出だけでした。
知識は先代が継承したままなので、水晶に戻ってきていなかったのです。
水晶からは、前代の賢者が生きているから彼から学べと言われました」
「なんと、200年前の賢者が生きていられるのか。
あの方は記録上は人族のはずだ。
我が家にも資料が残されている。
普通の人間が200年も生きれるのか?
確かに魔力の高い人間が、100を超えても生きていた事例はあるが、200年は聞いたことなない」
 ファール様が言うのだからやはりこの世界でも人の寿命は100年ほどが限界なのだろう。

「私も同じことを水晶に質問したら、200年程度なら裏技で生きられると答えが得られました。もちろん、裏技は答えてくれませんでしたけど。
それだけの事を答えられるあの仕組みもとても凄い物だと思いましたが、魔法陣の欠片も見つかりません、どういった仕組みで誰が作った物なのか。
あれを見る限りでは、過去にとても優れた魔法文明が栄えた時があったのかもしれません。そう思わざるを得ない仕組みでした」
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