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第4章 10歳王都編
4.7.2 夜の会食
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「そうか。それで得た先々代の賢者の強い思い出とは、どんな物だ」
「先々代の賢者はこの国を建国されたシン様です。
その思い出を少し覗くことができました」
「え、ジルベール様は建国王の記憶を持っているのですか?」
席は遠いがスザンヌ様が聞いてくれた。やはり普通に話した声が遠い席にも聞こえるらしい。
「いえ、記憶の継承は無理でした。
強い思いのある部分を断片的に得ることができただけです。
本当にわずかな記憶でした」
「例えばどういう記憶だ。
支障がなければ話してくれぬか」
「はい、陛下。
例えば、シン様の結婚式です。
マリ様とスーレリア様の映像を見る事ができました。
第2王妃様とスザンヌ様は、スーレリア様に似ています。
それに第3王妃様、マリアテレーズ様はマリ様に似ています。
お二人の血は、現代まで受け継がれいるのですね」
「そなたが一番受け継いでいると思うがな」
「そうですか。
シン様の映像には自分の姿が映ったシーンはありませんでした。
あと、印象的だったのは、スーレリア様を奪われた時の戦闘でしょうか。
数万の軍勢に個人で戦いを挑むところです。
個人でああいう戦いが可能だと、戦略とか戦術とか馬鹿らしくなるようなセオリー無視の戦い方でした」
「ふむ、それは演劇の題目としても残っているが、事実だったのか」
「いえ、事実は小説よりも奇なりですね。
書物で残っている内容とは少し違います。
死闘と言うような感じは全くありません」
「そうなのか」
「史実では3000人。多くて1万と書かれています。
映像から見る限りではもっといました。
少なくとも2万人ほどが布陣されていたと思います。
ですが、事前に準備をした魔法攻撃で最初に前方の数千人規模が消失しました。
次々に攻撃が降ってくる一般的な戦いです。
それで、2割から3割の兵力を失った段階で兵達は退却しました。
つまり、3000人と死闘を繰り広げたのではなく、最初に圧倒的な魔法力をぶつけて数千人を一度に殲滅し、それを見たほとんどの兵は恐怖のあまり逃げ出したのです。
死闘と言う意味では、最後に戦った100名の猛者集団です。
対魔法装備をしていたようですが、聖獣イシスとガルダの精霊体による攻撃でシン様の前にたどり着く前に全滅しました」
「ほう、そのような戦いだったのか。
なかなか面白い。
レポートにして書いてもらえば戦術家の面々が興味を持って見聞するだろう」
「これは戦略や戦術と言えるのでしょうか?」
「我々の現状を考えるならば、そういう敵と会った時にできる限り被害を出さずに逃げる方法の検討にでも使えるだろう」
「あ、そうですね。確かに」
-----------------------------------
新作も書き始めました。
ご興味があれば、下のリンクからお願いします。
「神様なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか」
「先々代の賢者はこの国を建国されたシン様です。
その思い出を少し覗くことができました」
「え、ジルベール様は建国王の記憶を持っているのですか?」
席は遠いがスザンヌ様が聞いてくれた。やはり普通に話した声が遠い席にも聞こえるらしい。
「いえ、記憶の継承は無理でした。
強い思いのある部分を断片的に得ることができただけです。
本当にわずかな記憶でした」
「例えばどういう記憶だ。
支障がなければ話してくれぬか」
「はい、陛下。
例えば、シン様の結婚式です。
マリ様とスーレリア様の映像を見る事ができました。
第2王妃様とスザンヌ様は、スーレリア様に似ています。
それに第3王妃様、マリアテレーズ様はマリ様に似ています。
お二人の血は、現代まで受け継がれいるのですね」
「そなたが一番受け継いでいると思うがな」
「そうですか。
シン様の映像には自分の姿が映ったシーンはありませんでした。
あと、印象的だったのは、スーレリア様を奪われた時の戦闘でしょうか。
数万の軍勢に個人で戦いを挑むところです。
個人でああいう戦いが可能だと、戦略とか戦術とか馬鹿らしくなるようなセオリー無視の戦い方でした」
「ふむ、それは演劇の題目としても残っているが、事実だったのか」
「いえ、事実は小説よりも奇なりですね。
書物で残っている内容とは少し違います。
死闘と言うような感じは全くありません」
「そうなのか」
「史実では3000人。多くて1万と書かれています。
映像から見る限りではもっといました。
少なくとも2万人ほどが布陣されていたと思います。
ですが、事前に準備をした魔法攻撃で最初に前方の数千人規模が消失しました。
次々に攻撃が降ってくる一般的な戦いです。
それで、2割から3割の兵力を失った段階で兵達は退却しました。
つまり、3000人と死闘を繰り広げたのではなく、最初に圧倒的な魔法力をぶつけて数千人を一度に殲滅し、それを見たほとんどの兵は恐怖のあまり逃げ出したのです。
死闘と言う意味では、最後に戦った100名の猛者集団です。
対魔法装備をしていたようですが、聖獣イシスとガルダの精霊体による攻撃でシン様の前にたどり着く前に全滅しました」
「ほう、そのような戦いだったのか。
なかなか面白い。
レポートにして書いてもらえば戦術家の面々が興味を持って見聞するだろう」
「これは戦略や戦術と言えるのでしょうか?」
「我々の現状を考えるならば、そういう敵と会った時にできる限り被害を出さずに逃げる方法の検討にでも使えるだろう」
「あ、そうですね。確かに」
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「神様なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか」
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