転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第4章 10歳王都編

4.10.1 大聖堂の奇跡

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 翌朝、朝早くのいつもの時間に僕とエイミー、ティアマトにトシアキの4人で訓練をした。ちょうど、訓練が終わったころに、王子と王女、それにオレリアン様が到着した。
 夜はレイブリング父様に会えなかったので、執事に伝言を頼んでおいたがちゃんと伝わったらしく、みんなが到着する時間にレイブリング父様も公爵家の訓練所にやってきた。

 僕は、第2王子を連れてオメガさんと魔道具を作る部屋に移動した。最初に、魔法陣の基礎を簡単に教える。そのうえで、一つは明りの色を変える研究とドライヤーの開発についてだ。最初に僕の開発しているドライヤーの説明をした。これは、ほぼ完成に近いのだが、温度と風の風量をどうやって切り替えるかを検討中だ。
 そして、明りの色を変える魔法陣について説明する。偶然できた色の変化、そして明るさ、発光時間など解っている事を説明する。

 そして、現在読み取った情報から推定した、ルールを説明した。
「さて、このルールを理解するには、光も音も波でできていると言う事を理解しなければいけません。光の色や音は波の揺れている周期が大きく影響しているのです。まずは音を魔法で出す魔道具でそれを実験し体験してもらいましょう」
 その為の実験器具を取り出す。
「音を出す魔道具には、笛のように元々音がでる構造の道具に風を通す方法と、魔素が空気を直接振動させて音を出す二つの方法があります。これです。見たことはおありでしょう」
「ああ、見たことがある。こちらの魔道具はラッパが付いているのでそこから音が出ているのは解る。このメッセージボックスと言う魔道具は昔から不思議に思っていた。短いが人の言葉、それも覚えさせた本人と同じ声が出る」
「魔素を使って音を出す場合、いろいろな音の周波数を使えます。そのかわりに魔力消費が多くなりますし、消費魔力量の割には、あまり大きな音はできません。
対して、こちらのラッパは大きな音が出せますが、一定の高さの音しか出ません」
「そうだな」
「明りを照らす魔道具も触媒を利用して光を出す方法と、魔素を使って明るくする二つの方法があります。今現在主流なのは、魔力消費の少ない触媒を使う方法です。
魔素から直接光を出す魔道具は少数です。自由な光が出ると言いましたが魔道具を作った人物が思い描いた色で発光しますが、それで固定化されています。
現状は、光の色が変わる魔道具はありません」
 
「この光の色を変える研究は、メッセージボックスの魔法陣を変更し、音の代わりに景色を記憶させ再生させる。もう一つは周波数をいろいろと変えて様々な色の照明を作り出す事を研究しています」
「ふむ、景色を記憶して再生とは、絵のような物か」
「そうですね。上手く記憶装置を組み合わせれば絵画よりも正確に特定の映像を再生できるでしょう」
 うんうんとうなずいている。
「と、言うことで魔法陣のイロハが解っても実用的な魔道具にするにはいろいろな研究が必要なのです」
「面白そうだな、だが僕はまず魔法陣の基礎を勉強しなければいけないようだ。
その本を貸してくれないか。王城にある魔法陣の本と比べてみたいし、もっと詳しく読み込みたい。それと、失敗した物で良いのだ、魔道具をいくつか貸してもらえないか」

「ええ、良いですよ。どうぞ」
「ありがとう」

 第2王子には、魔法陣の初級本をお気に召して貰えたようだ。そしてあっという間に午前中が過ぎ、王子・王女と合流して公爵邸で昼食となった。

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