301 / 532
第4章 10歳王都編
4.10.7 大聖堂の奇跡
しおりを挟む
「え、そんな。
…
それほど好きなら私は別に構わないのよ。貴方なら許せるし。
でも第1夫人と第2夫人が姉妹と言うのはどうなのかしら。
マリアの方が先だったし。でも、貴方が望んでマリアが許すなら良いのよ、別に。
ええ、私がそうしたいって言ってるわけじゃないのよ」
「ええ、解ってます。貴族の結婚は政略の意味が大事ですから。
元々、僕とマリアテレーズ様の結婚は、ファール様の家を継ぐ為にも、会う前からある程度決まっていた事でした。
今現在で、メリルディーナ公爵家の継承権を持つのはルーナ様の子供であるオニール様、サフィーナ様。そしてセルニア様の子クリシュナ様。最後にアンジェリカ様の子供であるマリアテレーズ様とシュミット様。僕が生まれる前は、オニール様が最有力だった。
けれど、アンジェリカ様が王家に入り、マリアテレーズ様が生まれた事で、長女の子ではなく最も身分の高い所の子を優先する声が強くなった。
さらに、年回りでも僕が両金眼でリリアーナ母様の子供だったから僕との縁づきで最有力に。僕が10歳までに決めるとなってはいたそうですが、ファール様とカトレア様の間では、かなり早い段階で決まっていたようです。
そうファール様が言ってました。
そして僕らは、たまたま好みの相手で、運命の相手でもあった」
「アンジェリカ母様から、わたくしがクロスロードの領から帰ってきたときに教えてくれたのですが、あの時にわたくしがジルベール様を選ばなければジルベール様の婚約者候補としてスザンヌ姉様とクリシュナ様をクロスロードに送る予定だったそうですよ」
「そんな話はまったく聞いてないわね。
だいたい、わたしくは、父様と。いえ陛下との間に約束をしているわ。
わたくしの相手はわたくしが選ぶと言う権利を持っているのだから。ジルベール様を勝手に選ぶことは無いと思うのだけど」
「そういう賭けをして陛下が負けたと言うのは本当だったのですね。
それをしっかりと守る陛下は、国王でありながら父親なんですね」
「まあね。でも、ジルベール様ならどうしても言うなら、候補に入れてあげても良いわよ」
「え、そうですか。じゃあ、考えておきます」
「まあお姉さま。では一緒にジルベール様を支えていきましょうね」
「考えておくわ」
こうして3人での会話を終えて、そっとシュミット様を侍女に渡した。そしてみんなのところに戻る。
残っていた人達は、話ながら魔力操作の訓練を続けていた。
パッと見ても、昨日よりも皆上手くなっている。やはり高位貴族の血を受け継いでいる人は魔法の才能があるのだろうか。
クロスロードの子供教室で魔力操作を教えていた時と比べると皆の上達速度がかなり早い。違いは高位貴族の子供だから総魔力量が最初からある程度ある。それと、僕が積極的に外部から魔力を動かしたことか。
クロスロードに戻ったら冬の館で外部から魔力操作の手伝いをしてみて習得速度が速くなるのか確認してみよう。
…
それほど好きなら私は別に構わないのよ。貴方なら許せるし。
でも第1夫人と第2夫人が姉妹と言うのはどうなのかしら。
マリアの方が先だったし。でも、貴方が望んでマリアが許すなら良いのよ、別に。
ええ、私がそうしたいって言ってるわけじゃないのよ」
「ええ、解ってます。貴族の結婚は政略の意味が大事ですから。
元々、僕とマリアテレーズ様の結婚は、ファール様の家を継ぐ為にも、会う前からある程度決まっていた事でした。
今現在で、メリルディーナ公爵家の継承権を持つのはルーナ様の子供であるオニール様、サフィーナ様。そしてセルニア様の子クリシュナ様。最後にアンジェリカ様の子供であるマリアテレーズ様とシュミット様。僕が生まれる前は、オニール様が最有力だった。
けれど、アンジェリカ様が王家に入り、マリアテレーズ様が生まれた事で、長女の子ではなく最も身分の高い所の子を優先する声が強くなった。
さらに、年回りでも僕が両金眼でリリアーナ母様の子供だったから僕との縁づきで最有力に。僕が10歳までに決めるとなってはいたそうですが、ファール様とカトレア様の間では、かなり早い段階で決まっていたようです。
そうファール様が言ってました。
そして僕らは、たまたま好みの相手で、運命の相手でもあった」
「アンジェリカ母様から、わたくしがクロスロードの領から帰ってきたときに教えてくれたのですが、あの時にわたくしがジルベール様を選ばなければジルベール様の婚約者候補としてスザンヌ姉様とクリシュナ様をクロスロードに送る予定だったそうですよ」
「そんな話はまったく聞いてないわね。
だいたい、わたしくは、父様と。いえ陛下との間に約束をしているわ。
わたくしの相手はわたくしが選ぶと言う権利を持っているのだから。ジルベール様を勝手に選ぶことは無いと思うのだけど」
「そういう賭けをして陛下が負けたと言うのは本当だったのですね。
それをしっかりと守る陛下は、国王でありながら父親なんですね」
「まあね。でも、ジルベール様ならどうしても言うなら、候補に入れてあげても良いわよ」
「え、そうですか。じゃあ、考えておきます」
「まあお姉さま。では一緒にジルベール様を支えていきましょうね」
「考えておくわ」
こうして3人での会話を終えて、そっとシュミット様を侍女に渡した。そしてみんなのところに戻る。
残っていた人達は、話ながら魔力操作の訓練を続けていた。
パッと見ても、昨日よりも皆上手くなっている。やはり高位貴族の血を受け継いでいる人は魔法の才能があるのだろうか。
クロスロードの子供教室で魔力操作を教えていた時と比べると皆の上達速度がかなり早い。違いは高位貴族の子供だから総魔力量が最初からある程度ある。それと、僕が積極的に外部から魔力を動かしたことか。
クロスロードに戻ったら冬の館で外部から魔力操作の手伝いをしてみて習得速度が速くなるのか確認してみよう。
38
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる