転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第4章 10歳王都編

4.12.1 婚約の申し込み

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 翌日、なぜか王城へと出かけている。
 今日の僕は、めちゃくちゃかっこよい服を着ている。
 お披露目会の時に着た服とも違う。ボタンは、一番上がメリルディーナ公爵家。その下のボタンは全てクロスロード侯爵家の紋章が入っている。クロスロード家の紋章は黒狼、メリルディーナ家の紋章は茶の馬が描かれている。
 服は黒が基調の騎士服になっている。なぜかサイズピッタリだ。金糸を贅沢に使った刺繍がたっぷり使われて、どう見ても僕専用の正装、短期間で作れる服ではない。
 これ、いつ作ったんだろう。
「さあ、出かけるわよ。アメリちゃん、レイブリングちゃん。準備は良いわね」

「え、カトレア様のテンション高い。それに、エレノアまでそんなドレス」
「今日は、第3王子から呼ばれました」
「え、マジ。このタイミングで?」
「はい」

「ジルベール、言葉使いが乱れてるわよ。
そんな事ではダメよ。覚悟は決めていざ出陣よ」
 カトレア様が右手をあげて、声を出した後、一番に馬車に乗り込んでいった。ファール様のエスコートも無しで。
 おかしいな、今日は僕が婚約を申し込むと言ってたような。なのにエレノアもなのか。第3王子が呼んでいる。まさか、二人の婚約も今日なのか。
 全然聞いてないけど。

 自分の事よりも、妹であるエレノアの事を不安に思いながら王城に到着。
 ざっと並んだ騎士たちに迎えられて謁見の間に通された。いつもよりもめっちゃ騎士が多かった。
 普段と違う。

 謁見の間に到着し、傅いて待っていると、人が揃ったようだ。

 王様に、3人の王妃様。第1王子から全部の王子と王女。
 そして3公爵家夫妻。謁見側に待つのは今は僕だけ。他の人は公爵席に移動している。打ち合わせ通りに僕からの婚約の申し込みとなっているようだ。
 ちょっと緊張してきた。
「ジルベール。そなたにはこの1年間、多くの功績がある。
竜討伐時の王都からの騎士の転移への助力。
ゴブリンキングの討伐。
アイテムボックス、マジックバッグの復活。
魔法陣の理論の発掘。
転移門の修復。
それに、行方不明になった子供を探し出し治療もしてくれた。
子供は無事に両親の元に戻った。侍女も助かったそうだぞ。
そして、最後に金眼の覚醒方法を示唆した。
その褒美にそなたの望むものを与えよう。
直答を許そう」

 打ち合わせのセリフ通りだ。
「はい、ぜひ第1王女との婚約を希望します」
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