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第4章 10歳王都編
4.13.5 平和な王都の日々
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今日は、学園の見学の日だ。同行するのは侯爵家だけ。王族が行くと護衛が大変になるので来ていない。
到着すると学年最上級の領地持ちの侯爵家の子供達に迎え入れられた。
と言っても、初めてきたのは僕だけ。他の子供たちは既に何回か訪れたことがあるらしい。特に女性は年上との婚約もありえるので学園に訪れお相手となりそうな男性を確認しておくらしい。
こんな風も訪問も、伯爵家以上の人達と年齢別で会うので、何度も訪問しなければ全員と知り合いになる事ができない。
「ジルベール君が、初めてなのだろう。他は皆、何度も来ているから今日は談話室に直接行く予定だ。君は学園の施設を見たことが無いだろう。
先に案内しようと思うのだが、どうだろうか」
皆を代表して答えているのは、フィンレワードの長男サミュエル・フィンレワード。同級生カーリンサンチェ・フィンレワードの兄だ。
カーリンサンチェとは母が異なる。サミュエルの母は領地内の伯爵家から嫁いでおり、カーリンサンチェの母親は、中領地スーザニアの伯爵家、同母の兄もいる。二人のどちらが領地を継ぐのかまだ決まっていない。
来る前にファール様から聞いていなければ、自分だけの為に学校内を案内する用意をしてくれるとは親切な人だなあと思っただろう。
ファール様が言っていた内容だと思いつつ従うことにした。
「私の為だけの為に案内をして頂けるなんて、ご迷惑ではないのですか」
「大丈夫だよ、では行こうか」
その場にいる他の男子も数名が立ち上がり付いて来た。僕の前にサミュエル。直後に二人。その後ろにも5人ぐらい。
学園内は危険が無いからと護衛は騎士団から4人が来ている。だが僕一人だけが移動しているので連れてきた騎士達は全員残っている。まあこれもファール様の指示どおりだが。
サミュエルが建物の説明を軽くしてくれたが、どうやら訓練場が目的地らしく他の建物は簡単な説明だけで中に入る事はなかった。そして一直線に訓練場に到着した。せめて図書館ぐらいは見たかったのだけど、残念だ。
訓練場に入ると、なぜか100名近い男子学生が集まっていた。皆、訓練をしていると言うよりも準備運動だろうか。訓練をしている途中では無いようだ。
「さて、ジルベール君。君は第1王女の婚約者候補となったのだろう。
今まで、第1王女よりも年上の者が候補になるには、近衛の騎士団長を含め、いずれかの騎士団の騎士団長を倒さなければ権利が無かった。だが、君が候補者となってから条件が変ったそうだ。つまり、君を倒せば候補者になれる。
そこで、僕らからの挑戦を受けて貰いたいのだけど」
「つまり、僕は、騎士団長よりも弱いと思われていると言うことですか」
「君が多少強いとは聞いているさ、だけど10歳としてはだろう。僕らは、騎士団長とまではいかなくても、すでに騎士とは互角に戦える力を持つ者ばかりだ。
チャンスがあるなら戦いと思うのはしょうがないだろう」
「まあ、スザンヌは美人ですからね。解らなくはないけど、夢を見る程度ならば良いけど、それ以上を望むのは身の程をわきまえるべきだと思うけど」
「身の程をわきまえるは君だろう。公爵家に養子になる可能性があると言っても、たかが中領地の侯爵家出身じゃないか」
「まあ、御託は良いですよ。勝負がしたいのでしょう。
それで、条件は」
到着すると学年最上級の領地持ちの侯爵家の子供達に迎え入れられた。
と言っても、初めてきたのは僕だけ。他の子供たちは既に何回か訪れたことがあるらしい。特に女性は年上との婚約もありえるので学園に訪れお相手となりそうな男性を確認しておくらしい。
こんな風も訪問も、伯爵家以上の人達と年齢別で会うので、何度も訪問しなければ全員と知り合いになる事ができない。
「ジルベール君が、初めてなのだろう。他は皆、何度も来ているから今日は談話室に直接行く予定だ。君は学園の施設を見たことが無いだろう。
先に案内しようと思うのだが、どうだろうか」
皆を代表して答えているのは、フィンレワードの長男サミュエル・フィンレワード。同級生カーリンサンチェ・フィンレワードの兄だ。
カーリンサンチェとは母が異なる。サミュエルの母は領地内の伯爵家から嫁いでおり、カーリンサンチェの母親は、中領地スーザニアの伯爵家、同母の兄もいる。二人のどちらが領地を継ぐのかまだ決まっていない。
来る前にファール様から聞いていなければ、自分だけの為に学校内を案内する用意をしてくれるとは親切な人だなあと思っただろう。
ファール様が言っていた内容だと思いつつ従うことにした。
「私の為だけの為に案内をして頂けるなんて、ご迷惑ではないのですか」
「大丈夫だよ、では行こうか」
その場にいる他の男子も数名が立ち上がり付いて来た。僕の前にサミュエル。直後に二人。その後ろにも5人ぐらい。
学園内は危険が無いからと護衛は騎士団から4人が来ている。だが僕一人だけが移動しているので連れてきた騎士達は全員残っている。まあこれもファール様の指示どおりだが。
サミュエルが建物の説明を軽くしてくれたが、どうやら訓練場が目的地らしく他の建物は簡単な説明だけで中に入る事はなかった。そして一直線に訓練場に到着した。せめて図書館ぐらいは見たかったのだけど、残念だ。
訓練場に入ると、なぜか100名近い男子学生が集まっていた。皆、訓練をしていると言うよりも準備運動だろうか。訓練をしている途中では無いようだ。
「さて、ジルベール君。君は第1王女の婚約者候補となったのだろう。
今まで、第1王女よりも年上の者が候補になるには、近衛の騎士団長を含め、いずれかの騎士団の騎士団長を倒さなければ権利が無かった。だが、君が候補者となってから条件が変ったそうだ。つまり、君を倒せば候補者になれる。
そこで、僕らからの挑戦を受けて貰いたいのだけど」
「つまり、僕は、騎士団長よりも弱いと思われていると言うことですか」
「君が多少強いとは聞いているさ、だけど10歳としてはだろう。僕らは、騎士団長とまではいかなくても、すでに騎士とは互角に戦える力を持つ者ばかりだ。
チャンスがあるなら戦いと思うのはしょうがないだろう」
「まあ、スザンヌは美人ですからね。解らなくはないけど、夢を見る程度ならば良いけど、それ以上を望むのは身の程をわきまえるべきだと思うけど」
「身の程をわきまえるは君だろう。公爵家に養子になる可能性があると言っても、たかが中領地の侯爵家出身じゃないか」
「まあ、御託は良いですよ。勝負がしたいのでしょう。
それで、条件は」
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