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第4章 10歳王都編
4.16.4 フィンレワードにて
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その日、領主館に着いたのも遅く、急な客への対応ができるだけの準備ができないと部屋の中に食事が運ばれてきた。食事はそんなに豪華な物ではなかったが、普段食べる食事と同程度の物だった。王都からもカルスディーナ公爵が来ているし、爵位が高いお客さんが沢山来ているが、この冬に急に高級食材を集めるのも無理だろう。元々僕らが訪れる予定だったので、集めた食材で増えた人数に対応したのだろう。恐らく今日の厨房の大変さは尋常では無かっただろう。
夜遅くにカルスディーナ公爵が部屋に来たが、船の中に罠が無い事と、明日の船の調査の同行許可、そして捕まえた人達に鑑定を使う依頼を受け、数日の予定を聞かされた。
「旅の途中で、ここは明後日には出発の予定じゃなかったのですか」
「そなたにとってはどうと言う事も無いのかもしれんが、普通の10歳児は親元に帰りたいと言うし、それが認められるほどの事件だ。中止に決まっておるだろう」
なるほど。そうだったのか。どうやら旅はここで終わりのようだ。
「いや、そなただけなら調査が終われば旅を続けても良いぞ」
「いえ、僕もアメリ母様に会いたくなりましたので、喜んで帰ります」
「思い出したように言われるアメリ殿がかわいそうだな。まあ良い、一人だけ旅を続けさせる事もできぬ。北のチームも急遽中止させているのだからな」
そんなに影響があったのか。
「今回の事件だが、もしお主が居なければ、我々が持っている船で追いかけるには春になってからだった。今までも冬に数名の拉致がされていたが今回ほど厳重な護衛が付いているにも関わらず連れ去れるとは思ってもいなかった。まさかこれほどの大胆に誘拐が出来るほどに戦力をそろえた海賊が居るとは思ってもいなかったのだ。今回の事件は、そなたが居る側で起きて本当に良かったと思っておる」
そんな事をカルスディーナ公爵から言われたが、そう言われてみると僕が居たのは幸いだった。それに加えてティアマトも。
アマリーエ様の方は、僕が居なくなった後で魔法が使えなくなりティアマトがブレスを使って倒したそうだ。
そして、海では無く空を使って移動できた事が勝因だ。
確かに、オルトディーナ領側に向かった人達が連れ去れた対象になっていたらと考えるととても恐ろしい。魔力の消費を惜しげもなく使って助けに行って良かった。
「ジルベールに感謝はするが、ただ一つ。単独での実行はやめて欲しい。あちらが魔法を使えなくする魔道具を使っていたのだ、そなた魔法が使えなくなったら逃げられないだろう。そなたまで確保されていたら手の出しようも無いのだから。今後は動く前に連絡を取るようにして欲しい。できるのだろう?」
「そうですね。メルリディーナ公爵家には転移で飛べるようにしてますから、できなくは無かったですね。ただ今回は事前に回復魔法も使ったし、2体の聖獣を召喚する必要があったので、魔力消費を抑えたかったので」
「ああ、解っている。今回の事は良い。ティアマト殿を使わしてくれたのでこちらも助かったし。ただ、お主はもっと自分の事を大切にし、慎重に動くことを覚えねばならんぞ。良いな」
「はい、善処します」
カルスディーナ公爵が部屋を出て行った後で、コハクが僕の部屋で護衛をしながら寝ると言ってきた。マリアテレーズ様には専属の侍女が付いていたのでとりあえず許可したので、いつものように銀狐に変身し、足元で寝ている。
どうやらコハクは眠りながらでも結界を張れるようだ。僕も寝ながら静音の魔法と侵入感知の魔法は使えるのだが、コハクの結界は物理的に進入禁止のエリアを作り出している。前はここまで警戒した様子は無かったのだが、今日は物騒な事件があったばかりなので彼女はかなり警戒しているようだ。
安全なのは良いのだが、どちらかと言えばマリアテレーズの方が必要なのではないだろうかと心配になりながら、あっけなく眠りに落ちてしまった。やっぱり疲れていたらしい。
夜遅くにカルスディーナ公爵が部屋に来たが、船の中に罠が無い事と、明日の船の調査の同行許可、そして捕まえた人達に鑑定を使う依頼を受け、数日の予定を聞かされた。
「旅の途中で、ここは明後日には出発の予定じゃなかったのですか」
「そなたにとってはどうと言う事も無いのかもしれんが、普通の10歳児は親元に帰りたいと言うし、それが認められるほどの事件だ。中止に決まっておるだろう」
なるほど。そうだったのか。どうやら旅はここで終わりのようだ。
「いや、そなただけなら調査が終われば旅を続けても良いぞ」
「いえ、僕もアメリ母様に会いたくなりましたので、喜んで帰ります」
「思い出したように言われるアメリ殿がかわいそうだな。まあ良い、一人だけ旅を続けさせる事もできぬ。北のチームも急遽中止させているのだからな」
そんなに影響があったのか。
「今回の事件だが、もしお主が居なければ、我々が持っている船で追いかけるには春になってからだった。今までも冬に数名の拉致がされていたが今回ほど厳重な護衛が付いているにも関わらず連れ去れるとは思ってもいなかった。まさかこれほどの大胆に誘拐が出来るほどに戦力をそろえた海賊が居るとは思ってもいなかったのだ。今回の事件は、そなたが居る側で起きて本当に良かったと思っておる」
そんな事をカルスディーナ公爵から言われたが、そう言われてみると僕が居たのは幸いだった。それに加えてティアマトも。
アマリーエ様の方は、僕が居なくなった後で魔法が使えなくなりティアマトがブレスを使って倒したそうだ。
そして、海では無く空を使って移動できた事が勝因だ。
確かに、オルトディーナ領側に向かった人達が連れ去れた対象になっていたらと考えるととても恐ろしい。魔力の消費を惜しげもなく使って助けに行って良かった。
「ジルベールに感謝はするが、ただ一つ。単独での実行はやめて欲しい。あちらが魔法を使えなくする魔道具を使っていたのだ、そなた魔法が使えなくなったら逃げられないだろう。そなたまで確保されていたら手の出しようも無いのだから。今後は動く前に連絡を取るようにして欲しい。できるのだろう?」
「そうですね。メルリディーナ公爵家には転移で飛べるようにしてますから、できなくは無かったですね。ただ今回は事前に回復魔法も使ったし、2体の聖獣を召喚する必要があったので、魔力消費を抑えたかったので」
「ああ、解っている。今回の事は良い。ティアマト殿を使わしてくれたのでこちらも助かったし。ただ、お主はもっと自分の事を大切にし、慎重に動くことを覚えねばならんぞ。良いな」
「はい、善処します」
カルスディーナ公爵が部屋を出て行った後で、コハクが僕の部屋で護衛をしながら寝ると言ってきた。マリアテレーズ様には専属の侍女が付いていたのでとりあえず許可したので、いつものように銀狐に変身し、足元で寝ている。
どうやらコハクは眠りながらでも結界を張れるようだ。僕も寝ながら静音の魔法と侵入感知の魔法は使えるのだが、コハクの結界は物理的に進入禁止のエリアを作り出している。前はここまで警戒した様子は無かったのだが、今日は物騒な事件があったばかりなので彼女はかなり警戒しているようだ。
安全なのは良いのだが、どちらかと言えばマリアテレーズの方が必要なのではないだろうかと心配になりながら、あっけなく眠りに落ちてしまった。やっぱり疲れていたらしい。
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