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第5章 シドニア訪問編
5.2.4 春の訪れと共に
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「サフィーナ様の属性は何ですか?」
「私の属性は、火と風、音、それに水ね。あと、良くわからないけど植物の育成もできるかもしれないわ。ジルベール様は鑑定で見れるのでしょう」
「女性は必要が無ければ勝手に鑑定しないようにしているのです。色々見えてしまうので。植物の育成は、不明なのですか。大神官様にスキルの鑑定はしてもらったのですよね」
「まあ、ジルベール様の鑑定はいろいろ見えてしまうのですね。それでえっと、そうですわ。鑑定のスキルには出ませんでしたけど、わたくしが育てた鉢は、普通よりも大きく育つの。だから何かあるのかもと思っているのよ」
「魔力の与え方によって育ちが違いますから、そういう影響を与える力があるのかもしれませんね」
「ジルベール様の鑑定で見て頂けないかしら、いろいろ見られるとしても、ジルベール様なら大丈夫でしょう。ちなみに、趣味とかとそういうのもわかるのかしら」
「え、身体的な特徴が主なので、普段の生活とかはわかりませんよ」
「あら、ではスリーサイズとかも解るのかしら」
「ええ、そうです。鑑定の能力を持てば相手の鑑定を防御、つまり隠蔽できるのですが」
「それで、どうかしら」
「やっぱりだめです。鑑定には出ていません。前にイシスが言った通り、サフィーナ様には普通の鑑定では見ることができない能力があるのでしょう。ティアマトの能力でもわからないのですから」
「フーン、じゃあ自分で知覚するしか無いのね」
「そうです。それで先ほどコハクから聞いたのですがサフィーナ様も精霊を使った魔法が使えるかもしれないそうです。目に見えない小さな精霊に魔力を与え、祈りで魔法が発動するそうなのですが」
「小さい精霊? どうやって使うのかしら?」
どうやるのかやり方は僕も解らない。コハクを見ると、説明をしてくれた。
「精霊が周りに居ると存在を信じて、祈ることです。そのうちに祈りが届くようになれば精霊が反応します」
「アバウトな回答だな。でも意思を持たない小さな精霊たちだったか。意思を持たない物に願い、祈りを届けるのか。話が伝わるなら簡単だろうけど、話の通じない物が相手と考えると、こうやればできると言うものではなさそうだね」
「話の通じない精霊たち。ああ、そういえば、ふつうの人が精霊魔法を使うなら、最初に話の通じる精霊を味方にする必要があったかもしれません。私とは違いますから」
「ああ、なるほど。サフィーナ様が精霊を契約すれば使えるのか」
「時が来ればサフィーナ様には精霊が付くでしょう。ルーナ様には契約している精霊が居ませんでしたが、カトレア様には契約していた精霊が居た感じがしましたから」
「精霊は一度契約しても、消えるの?」
「その方に必要が無ければ去っていきます。積極的に会話できるほどの精霊では無かったのでしょう」
「ああ、おばあ様は確かわたくしの兄オニールと姉のルシアナ様が流行り病になった時に、神殿で祈っていた時期があったはずです。周りの子供たちの多くが死んだ中で、二人が二人ともに助かったのは、公爵家の治療だけでなく、おばあ様の祈りがあったからかもしれないですね」
「そうですね。今はその時の精霊はいないのでわかりませんが」
「わたしは積極的に祈れば良いのかしら」
「わたくしが近くにいる時に精霊が声をかけたいようにしていれば、話しかけましょうか」
「良いのですか?」
「ええ、相性の良い精霊がいれば、なので。あまり期待はしないでください」
「もちろんよ」
「助かるよコハク」
「いえ、わたくしもだいぶ、人の世界を理解して来たところです。サフィーナ様には恩を売っておいた方が良いのだと、城で働く侍女たちが教えてくれました」
「え、そう、なの …… 大丈夫かな」
「コハクに近づける侍女は、王妃様が厳選されてますから大丈夫ですよジルベール様」
「あ、そう。なら良いか」
何となく不安だな。こんなに人に染まっても良いのだろか。
幻獣なのに。あと半年ほどしたら虎鉄が出てこれるようにはなるけど、現世ではイシス達みたいに、精霊体でふわふわしているだけだもんな。僕が死ぬまでの間、コハクはどうするのだろう。
「私の属性は、火と風、音、それに水ね。あと、良くわからないけど植物の育成もできるかもしれないわ。ジルベール様は鑑定で見れるのでしょう」
「女性は必要が無ければ勝手に鑑定しないようにしているのです。色々見えてしまうので。植物の育成は、不明なのですか。大神官様にスキルの鑑定はしてもらったのですよね」
「まあ、ジルベール様の鑑定はいろいろ見えてしまうのですね。それでえっと、そうですわ。鑑定のスキルには出ませんでしたけど、わたくしが育てた鉢は、普通よりも大きく育つの。だから何かあるのかもと思っているのよ」
「魔力の与え方によって育ちが違いますから、そういう影響を与える力があるのかもしれませんね」
「ジルベール様の鑑定で見て頂けないかしら、いろいろ見られるとしても、ジルベール様なら大丈夫でしょう。ちなみに、趣味とかとそういうのもわかるのかしら」
「え、身体的な特徴が主なので、普段の生活とかはわかりませんよ」
「あら、ではスリーサイズとかも解るのかしら」
「ええ、そうです。鑑定の能力を持てば相手の鑑定を防御、つまり隠蔽できるのですが」
「それで、どうかしら」
「やっぱりだめです。鑑定には出ていません。前にイシスが言った通り、サフィーナ様には普通の鑑定では見ることができない能力があるのでしょう。ティアマトの能力でもわからないのですから」
「フーン、じゃあ自分で知覚するしか無いのね」
「そうです。それで先ほどコハクから聞いたのですがサフィーナ様も精霊を使った魔法が使えるかもしれないそうです。目に見えない小さな精霊に魔力を与え、祈りで魔法が発動するそうなのですが」
「小さい精霊? どうやって使うのかしら?」
どうやるのかやり方は僕も解らない。コハクを見ると、説明をしてくれた。
「精霊が周りに居ると存在を信じて、祈ることです。そのうちに祈りが届くようになれば精霊が反応します」
「アバウトな回答だな。でも意思を持たない小さな精霊たちだったか。意思を持たない物に願い、祈りを届けるのか。話が伝わるなら簡単だろうけど、話の通じない物が相手と考えると、こうやればできると言うものではなさそうだね」
「話の通じない精霊たち。ああ、そういえば、ふつうの人が精霊魔法を使うなら、最初に話の通じる精霊を味方にする必要があったかもしれません。私とは違いますから」
「ああ、なるほど。サフィーナ様が精霊を契約すれば使えるのか」
「時が来ればサフィーナ様には精霊が付くでしょう。ルーナ様には契約している精霊が居ませんでしたが、カトレア様には契約していた精霊が居た感じがしましたから」
「精霊は一度契約しても、消えるの?」
「その方に必要が無ければ去っていきます。積極的に会話できるほどの精霊では無かったのでしょう」
「ああ、おばあ様は確かわたくしの兄オニールと姉のルシアナ様が流行り病になった時に、神殿で祈っていた時期があったはずです。周りの子供たちの多くが死んだ中で、二人が二人ともに助かったのは、公爵家の治療だけでなく、おばあ様の祈りがあったからかもしれないですね」
「そうですね。今はその時の精霊はいないのでわかりませんが」
「わたしは積極的に祈れば良いのかしら」
「わたくしが近くにいる時に精霊が声をかけたいようにしていれば、話しかけましょうか」
「良いのですか?」
「ええ、相性の良い精霊がいれば、なので。あまり期待はしないでください」
「もちろんよ」
「助かるよコハク」
「いえ、わたくしもだいぶ、人の世界を理解して来たところです。サフィーナ様には恩を売っておいた方が良いのだと、城で働く侍女たちが教えてくれました」
「え、そう、なの …… 大丈夫かな」
「コハクに近づける侍女は、王妃様が厳選されてますから大丈夫ですよジルベール様」
「あ、そう。なら良いか」
何となく不安だな。こんなに人に染まっても良いのだろか。
幻獣なのに。あと半年ほどしたら虎鉄が出てこれるようにはなるけど、現世ではイシス達みたいに、精霊体でふわふわしているだけだもんな。僕が死ぬまでの間、コハクはどうするのだろう。
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