転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第5章 シドニア訪問編

5.5.2 シドニアにて

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 本日は、王家との顔合わせ。
 シドニアの王との面会は普通は謁見の間が使われるが、今日は友好国の国王が来ている。そもそも、同格の国王同士が会う場合、謁見の間は使われない。それも国王が家族を連れて来ているのだ。
 だから、今日は国王の家族同士が会う場になっている。
 こちらが公爵家の子供を数名連れているのであちらも公爵家まで広げた食事会をすることになっているのだ。

 僕らラルクバッハ王国側の人達は食事会の会場前でいったん待ち合わせ。勝手に入って個別に挨拶をして回るわけでは無いらしい。
 準備ができたら、偉い人から会場に入り、一組ずつ挨拶を済ませて席に着くそうだ。
 一人ずつではなく、組になっているので挨拶もそれほど時間はかからないはずだ。

「陛下」
「ああ、到着したのか。だがエミリアたちがまだだ。もう少し待て」
「お父様、じゃなかった。陛下、ジルベールのイヤリングを外させないのですか」
「ああ、そうだったな。今日の食事会ではイヤリングを外してくれ。ただ前回のように威圧はいらんぞ。シドニアは友好国だ。今日も友好を示しに来たのだからな」
「はい」
 まあ、そうだろうな。食事の前にあれをやると誰も食べれなくなるし。
「後でダンスの時間になったら、1曲目にマリアと踊ってくれ。マリアはそれで退席させる。本来は年齢的に参加する必要は無いのだが、友好国が相手だ。マリアが聖女であることを黙っておくわけにはいかん。それで良いなマリア」
「はい、陛下」
 そう言って、マリアテレーズがカーテシーを了解の印を示した。
「うむ、マリアは魔法だけでなく礼儀作法も上手くなったな。それと2人ともシドニアの絹を使ったドレスが間に合ってよかったな。とても似合っているぞ」
「陛下、お待たせしました」
「エミリアにレッシィ、セルニア、3人とも来たか。では我々から先に入るぞ。最初はエミリアと私、それにマリアを連れて行く。次にルカとサフィーナ。フィリップはエレノアと。オルトディーナ公爵夫妻。オニールとルシアナの姉弟とティアマト殿が一緒に入って欲しい。オルトディーナ公爵家子女として紹介される。次がカルスディーナ公爵夫妻とクリシュナ。最後にスザンヌとジルベールだ。」
 そう言われ、皆が順番に並ぶとすぐに入場が始まった。

「ジル様、イヤリングを」
 あ、そうだった。イヤリングを外してストレージにしまう。そしてスザンヌの手を取って入場する。

 会場に入ると爵位順に並んでいるので、挨拶をしていく。シドニア側は、公爵家の子供まで居るとは聞いていたが、そちら側は合計で30名以上の人がいた。
 事前に配られた名簿以上に人がいる。末席側にいる人は、役人や護衛だろうか。

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