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第5章 シドニア訪問編
5.6.1 シドニアの学園見学
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翌日になると、陛下達は大人同士での話を行い、僕らは子供同士で出かける予定だ。
シドニアの子供とも親交を深めるためと言われているが、今日の付添いは王家の姫だけでなかった。公爵家の子供も。
そう聞いていたので、トルステンが一緒かと思っていたら他にももう一人いた。シェーンワルト公爵家の男子だ。
カサラギ・シェーンワルト。
フィリップ王子や僕と同じ10歳だ。魔法に興味を持っている優秀な子供だと紹介された。性格も明るく話しやすそうだ。
本来は学園の案内に学園に居ない者が案内役と言うのはどうかと思うが、おそらくトルステンから入れ替わりになったのだろう。
そして、彼は昨夜の晩餐は体調が悪くて欠席だったそうだ。
楽しみに過ぎて熱を出すタイプと言われたが、風邪をひいていたのでトルステンの代打で出席させられているのだろう。かわいそうに。
そして問題のトルステンは、案内役に入っていなかった。後ろにいる控えのグループに入っている。
昨夜も聞いていたよりもおとなしかったが、僕らの居ない所でなにか問題を起こし後ろに下がったのだろうか。表面だけなら問題があるように思えなかったのだが。
彼は、シドニアにおいては王家・公爵家の子供達の中で唯一の金眼を持つ子供だ。
情報によると、そのせいで甘やかされて育ち、10歳の時に性格に難ありと判断され王位継承権が下位に下げられた子供だ。
血筋的には、現王と同じように次代の王となってもおかしくなかった。だがその道はほぼ閉ざされている。
そのせいか、公爵家嫡男でもあるのに婚約者と呼べる相手も見つかっていないそうだ。
そして、彼の後ろには護衛のステパンが一緒だ。
ステパンの格好は普通の騎士とは異なっていた。同じ国で剣を学んだエイミーとも異なる。
前世の記憶をベースにすると、彼は騎士ではなく侍だ。こちらの世界では珍しい日本風の道着を着ている。そして剣は片刃で少し長い。鞘しか見えないが、その外観は日本刀そっくりだ。
ちょんまげは結っていない。そもそも髪が無いのだ。
シドニアの王女はリアン様、クラリス様とイリアーナ様の3人。それに公爵家の男子1人。トルステン様は僕らの一団から付いて来る後ろの集団にいる。おもてなし係りではないようなので数に入れてない。
僕らの方は最年長は学園を卒業したばかりのオニール様とルシアナ様。そして年が空いて第1王子を含めて学園に入学前ばかりの子供達だ。
そんなメンバーで回っていたが、最初はトルステンも後ろの集団の中で大人しかった。だが、いつの間にか後ろの組から出て来たので、スザンヌに近づかないように僕が後ろに下がると丁度良いと考えたのか僕に話しかけてきた。
「ジルベール、コハクはそなたの侍女なのだろう。昨夜の会食中にスザンヌ様から聞いたのだが」
「ええ、私が立場上の主です。厳密には侍女ではありませんよ。マリアテレーズ様に聖属性魔法を教える先生として王家に貸しています。その代わりにラルクバッハの王宮で彼女の知らないことを教育して貰ってます。彼女が侍女の仕事をする必要は無いのですが、私の護衛をしたがるので侍女の格好をして参加していただけですよ。それがなにか?」
「珍しい耳あるし、かわいい。だから私に譲れ。そなたは侯爵家、私は公爵家だ。そうだろう」
なるほど。
これが原因で後ろに下げられていたのか。しかも僕が侯爵家で格下だと判断している。内々には公爵家に養子に入ると伝えてあったはずだがそれを聞いていないのか。人の話を聞かないのか、聞かされていないのか。どちらにしろ、だから最初から僕のことをジルベールと呼び捨てで話しかけてきたのは僕が年下だからと言うだけでは無いのだろう。こういう人にこそ、ちゃんと伝えて欲しかったよ。
しかし格下だから部下をよこせと言うとは。爵位を盾に権力を使うにしても使う場面ではないだろうに。だからだめだと言われているのか。
「勘違いされているようですが、コハクは人の姿をしていますが、幻獣ですよ。彼女の伴侶である聖獣が復活するまで、私が一時的な主人になっているだけです。申し訳ないが譲る、譲らないと言う話はできません」
「な、幻獣だと。人に化けているだと」
「化けている? そうですね」
「なんだ、それなら話は簡単ではないか。ステパン、あれを倒せ。幻獣も魔獣と同じだろう。倒して強さを見せれば主従の関係を結べる」
なんだ、無茶苦茶なことを言うな。まあ相手が単なる魔獣ならそういう考えもあるかもしれないが、この場合、すでに主人が居るのだから戦う相手はコハクでは無く主人である僕ではないだろうか。どうしよう。どういう態度を取るべきか考えていたら、話を聞いていたステパンが返事をした。
「いや、いや。トルステンの旦那。いくらなんでも無理ってもんだ。あっしの剣は魔獣には届きますが、幻獣は無理です。あれは精霊の上位種に近い物だ。魔獣とは逆。そもそも聖属性じゃないですか。普通の剣では切れませんよ。それよりも旦那、後ろに下がりやしょう。まずいですって」
「なんだと、役立たずが。肝心な時に使えない男だな。あれを倒せないならしょうがない、では今の主人であるジルベールを倒せ。ああ、そうかそれでコハクの主従関係が替わる。そうそうだ。そうだろう」
ようやく正しい答えにたどり着いたが、本気か?
「それも無理ですって。ジルベール様も護衛のエイミーも強いですよ」
「エイミーなど剣王ではないか。そなたは剣帝だろう。なぜ躊躇する」
「はあ、トルステンの旦那。相手の強さを読むことの大切さを教えたでやんしょ。エイミー殿はすでに剣王のレベルを超えてますよ。鑑定のスキルなんかに頼らなくても相対すれば解るんですよ。あっしとほとんど同じレベル。そしてこちらの方が大切です。旦那、よいですかい。ジルベール様はエイミー殿よりも強い。この方は人の枠を超えてる。旦那、最強であるためには、自分よりも強い者に挑まない事が一番大切なんですぜ。いつも言ってるじゃあないですか、さあご無理をおっしゃらず戻りましょう。いくでやんすよ。さあああ。申し訳ない、すぐに下がらせます。んで、じゃあ」
ステパンの言葉使いがぐちゃぐちゃだ。なれない敬語を使おうとしているせいだろうか。どうやらトルステンにはまともなお目付け役が付いているらしい。だから聞いていたよりもおとなしく感じるのか。
「このジルベールがお前よりも強いだと。お前は剣帝だろ。剣帝と認められているのは世界で3人しかいない。そしてお前よりも強いのは剣神一人だけ。お前がそう言ったじゃないか」
「それは剣の腕に関してですぜ。勝負が剣だけなら、あっしよりも強い者はそういない。だが実戦では魔法も使えるんですぜ。とにかく旦那、このかたはまずいですって。おとなしくしてください。死ぬことになりますぜ、マジで」
そういえば、ステパンって隷属されてるんじゃなかったか。このやり取りを聞く限りは、そんな風に見えないんだけど。
シドニアの子供とも親交を深めるためと言われているが、今日の付添いは王家の姫だけでなかった。公爵家の子供も。
そう聞いていたので、トルステンが一緒かと思っていたら他にももう一人いた。シェーンワルト公爵家の男子だ。
カサラギ・シェーンワルト。
フィリップ王子や僕と同じ10歳だ。魔法に興味を持っている優秀な子供だと紹介された。性格も明るく話しやすそうだ。
本来は学園の案内に学園に居ない者が案内役と言うのはどうかと思うが、おそらくトルステンから入れ替わりになったのだろう。
そして、彼は昨夜の晩餐は体調が悪くて欠席だったそうだ。
楽しみに過ぎて熱を出すタイプと言われたが、風邪をひいていたのでトルステンの代打で出席させられているのだろう。かわいそうに。
そして問題のトルステンは、案内役に入っていなかった。後ろにいる控えのグループに入っている。
昨夜も聞いていたよりもおとなしかったが、僕らの居ない所でなにか問題を起こし後ろに下がったのだろうか。表面だけなら問題があるように思えなかったのだが。
彼は、シドニアにおいては王家・公爵家の子供達の中で唯一の金眼を持つ子供だ。
情報によると、そのせいで甘やかされて育ち、10歳の時に性格に難ありと判断され王位継承権が下位に下げられた子供だ。
血筋的には、現王と同じように次代の王となってもおかしくなかった。だがその道はほぼ閉ざされている。
そのせいか、公爵家嫡男でもあるのに婚約者と呼べる相手も見つかっていないそうだ。
そして、彼の後ろには護衛のステパンが一緒だ。
ステパンの格好は普通の騎士とは異なっていた。同じ国で剣を学んだエイミーとも異なる。
前世の記憶をベースにすると、彼は騎士ではなく侍だ。こちらの世界では珍しい日本風の道着を着ている。そして剣は片刃で少し長い。鞘しか見えないが、その外観は日本刀そっくりだ。
ちょんまげは結っていない。そもそも髪が無いのだ。
シドニアの王女はリアン様、クラリス様とイリアーナ様の3人。それに公爵家の男子1人。トルステン様は僕らの一団から付いて来る後ろの集団にいる。おもてなし係りではないようなので数に入れてない。
僕らの方は最年長は学園を卒業したばかりのオニール様とルシアナ様。そして年が空いて第1王子を含めて学園に入学前ばかりの子供達だ。
そんなメンバーで回っていたが、最初はトルステンも後ろの集団の中で大人しかった。だが、いつの間にか後ろの組から出て来たので、スザンヌに近づかないように僕が後ろに下がると丁度良いと考えたのか僕に話しかけてきた。
「ジルベール、コハクはそなたの侍女なのだろう。昨夜の会食中にスザンヌ様から聞いたのだが」
「ええ、私が立場上の主です。厳密には侍女ではありませんよ。マリアテレーズ様に聖属性魔法を教える先生として王家に貸しています。その代わりにラルクバッハの王宮で彼女の知らないことを教育して貰ってます。彼女が侍女の仕事をする必要は無いのですが、私の護衛をしたがるので侍女の格好をして参加していただけですよ。それがなにか?」
「珍しい耳あるし、かわいい。だから私に譲れ。そなたは侯爵家、私は公爵家だ。そうだろう」
なるほど。
これが原因で後ろに下げられていたのか。しかも僕が侯爵家で格下だと判断している。内々には公爵家に養子に入ると伝えてあったはずだがそれを聞いていないのか。人の話を聞かないのか、聞かされていないのか。どちらにしろ、だから最初から僕のことをジルベールと呼び捨てで話しかけてきたのは僕が年下だからと言うだけでは無いのだろう。こういう人にこそ、ちゃんと伝えて欲しかったよ。
しかし格下だから部下をよこせと言うとは。爵位を盾に権力を使うにしても使う場面ではないだろうに。だからだめだと言われているのか。
「勘違いされているようですが、コハクは人の姿をしていますが、幻獣ですよ。彼女の伴侶である聖獣が復活するまで、私が一時的な主人になっているだけです。申し訳ないが譲る、譲らないと言う話はできません」
「な、幻獣だと。人に化けているだと」
「化けている? そうですね」
「なんだ、それなら話は簡単ではないか。ステパン、あれを倒せ。幻獣も魔獣と同じだろう。倒して強さを見せれば主従の関係を結べる」
なんだ、無茶苦茶なことを言うな。まあ相手が単なる魔獣ならそういう考えもあるかもしれないが、この場合、すでに主人が居るのだから戦う相手はコハクでは無く主人である僕ではないだろうか。どうしよう。どういう態度を取るべきか考えていたら、話を聞いていたステパンが返事をした。
「いや、いや。トルステンの旦那。いくらなんでも無理ってもんだ。あっしの剣は魔獣には届きますが、幻獣は無理です。あれは精霊の上位種に近い物だ。魔獣とは逆。そもそも聖属性じゃないですか。普通の剣では切れませんよ。それよりも旦那、後ろに下がりやしょう。まずいですって」
「なんだと、役立たずが。肝心な時に使えない男だな。あれを倒せないならしょうがない、では今の主人であるジルベールを倒せ。ああ、そうかそれでコハクの主従関係が替わる。そうそうだ。そうだろう」
ようやく正しい答えにたどり着いたが、本気か?
「それも無理ですって。ジルベール様も護衛のエイミーも強いですよ」
「エイミーなど剣王ではないか。そなたは剣帝だろう。なぜ躊躇する」
「はあ、トルステンの旦那。相手の強さを読むことの大切さを教えたでやんしょ。エイミー殿はすでに剣王のレベルを超えてますよ。鑑定のスキルなんかに頼らなくても相対すれば解るんですよ。あっしとほとんど同じレベル。そしてこちらの方が大切です。旦那、よいですかい。ジルベール様はエイミー殿よりも強い。この方は人の枠を超えてる。旦那、最強であるためには、自分よりも強い者に挑まない事が一番大切なんですぜ。いつも言ってるじゃあないですか、さあご無理をおっしゃらず戻りましょう。いくでやんすよ。さあああ。申し訳ない、すぐに下がらせます。んで、じゃあ」
ステパンの言葉使いがぐちゃぐちゃだ。なれない敬語を使おうとしているせいだろうか。どうやらトルステンにはまともなお目付け役が付いているらしい。だから聞いていたよりもおとなしく感じるのか。
「このジルベールがお前よりも強いだと。お前は剣帝だろ。剣帝と認められているのは世界で3人しかいない。そしてお前よりも強いのは剣神一人だけ。お前がそう言ったじゃないか」
「それは剣の腕に関してですぜ。勝負が剣だけなら、あっしよりも強い者はそういない。だが実戦では魔法も使えるんですぜ。とにかく旦那、このかたはまずいですって。おとなしくしてください。死ぬことになりますぜ、マジで」
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