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第5章 シドニア訪問編
5.10.8 シドニア学園攻防戦
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「解呪が終わりました。ジルベール様はエリン様の前に」
僕はコハクに言われたことに少し疑問を感じつつ、エリンに近づき前にたった。
僕の移動を確認してコハクがエリンの腕から腕輪を外した。すると、その直後にエリンの力が抜けて僕の方に倒れてきた。僕は、慌てて彼女を支える。
「ジルベール様、エリン様をお願いします。わたくしは周りを見て来ます」
「え、コハク。エリンは大丈夫なの?」
鑑定で調べた結果は、単なる睡眠状態で他に異常は見られなかった。その結果が少し信じられず、コハクにも聞いてみる。
「はい、呪いの影響を少し受けているので精神的に疲れています。この腕輪によって強制的に精霊達を集めたことによる影響は体力と魔力の消耗です。稼働時間から一晩も眠れば大丈夫でしょう」
「そう。エイミー、コハクの護衛を頼む」
僕は倒れたエリンをお姫様抱っこで抱き、近く降ろせそうなところを探す。そして適度に平らな所を見つけ、いったんそこに降ろした。
もう少しこの事件の事情が知りたくて、知って居そうな人を探すが、立っているのはルビースカリナ様ぐらいだ。
「ルビースカリナ様、トルステン様は剣を手に持ったまま倒れていましたが理由をご存じですか。確か彼は魔法が主で剣は使えるレベルでは無かった。それに性格的にも剣で戦いを挑むように思えないのですが」
「トルステン? どの男のことだ」
予想外だ。公爵家の嫡男ぐらいは知ってるよね。僕のことは覚えていたのだから。
「え。…… えっと、そこの男子ですよ」
少し離れたところで床に座って休憩しているトルステン様を指さした。
「ああ、あれか。うむ。あれが最初に魔力を暴走するなら魔力を放出してしまえば良いと言ったのだ。そして魔力を放出後に剣を持って戦いを挑んだ。最初にわたくしを助けようとした男だ。確か。……多分、そうだと思う。それよりも、皆が回復してきたようだな。わたくしもあの者達に礼を言わねばならん」
意外だ、自分を助けるのは当たり前と言うかと思ったけど。意外なことにルビースカリナ様は精霊魔法によって回復し意識を取り戻した人達一人一人に声をかけ始めた。
ルビースカリナ様が離れたので、エリンの隣に立った。
ステパンに殆ど魔力が残ってなかった理由はトルステン様の捨て身の攻撃による影響だったようだ。こんな戦い方は僕には無理だな。僕の魔力を短時間で一気に使い切るのは無理だ。
あまり情報があつまらなかったが、自分なりに整理してみる。
この世界には竜を封印するための神具がある。僕の知らない過去に作られた物だ。それも想定を上回る効果のあった。コハクが知らなければ対処にも困っただろう。
この神具は普通の魔道具による魔法禁止と効果も違った。
例えばラルクバッハの王城にあるような魔力低減は高度な魔力操作ができれば普段の倍以上の魔力を消費することで魔法は発動する。
また手錠のような魔法を禁止する道具でも爆発的な魔力をぶつけることで魔法の発動できる。
だが、今回のこれは魔力が多いほど危険なのだ。
竜の対策と言っていたが、ティアマトのように僕よりもさらに高い魔力を持っていれば危険なのは間違いない。
今までの魔法禁止の魔道具は、僕や竜にとってはあまり脅威では無かったが、今回の神具は竜だけでなく僕にとって相性が悪い。
さっきストレージにしまったが、詳しく調べて対抗できる方法があるのか調べた方がよさそうだ。ティアマトかバハムートに聞いた方が良いかもしれない。
僕はトルステン様のような方法はとれないのだ。
今現在の僕の持つ膨大な魔力は、短時間で簡単には放出できない。聖獣を3体、最大級で呼びだせば空になるが、その場合は聖獣が危険になるし虎鉄はまだ呼び出せない。
それ以外だと、短時間で魔力を減らすことができるのは神格化だ。
あれ、もしかして神格化すれば、そもそも神具の影響を受けないのではないか。あれは神の力を使える状態。神具と言っても神と同じ状態である神格化の方が優勢ではないか?
竜を封印するための神具と言ったが、もしかして神格化できるバハムートには効かないのではないか。
やっぱり後で、ティアマトに聞いておこう。
僕はコハクに言われたことに少し疑問を感じつつ、エリンに近づき前にたった。
僕の移動を確認してコハクがエリンの腕から腕輪を外した。すると、その直後にエリンの力が抜けて僕の方に倒れてきた。僕は、慌てて彼女を支える。
「ジルベール様、エリン様をお願いします。わたくしは周りを見て来ます」
「え、コハク。エリンは大丈夫なの?」
鑑定で調べた結果は、単なる睡眠状態で他に異常は見られなかった。その結果が少し信じられず、コハクにも聞いてみる。
「はい、呪いの影響を少し受けているので精神的に疲れています。この腕輪によって強制的に精霊達を集めたことによる影響は体力と魔力の消耗です。稼働時間から一晩も眠れば大丈夫でしょう」
「そう。エイミー、コハクの護衛を頼む」
僕は倒れたエリンをお姫様抱っこで抱き、近く降ろせそうなところを探す。そして適度に平らな所を見つけ、いったんそこに降ろした。
もう少しこの事件の事情が知りたくて、知って居そうな人を探すが、立っているのはルビースカリナ様ぐらいだ。
「ルビースカリナ様、トルステン様は剣を手に持ったまま倒れていましたが理由をご存じですか。確か彼は魔法が主で剣は使えるレベルでは無かった。それに性格的にも剣で戦いを挑むように思えないのですが」
「トルステン? どの男のことだ」
予想外だ。公爵家の嫡男ぐらいは知ってるよね。僕のことは覚えていたのだから。
「え。…… えっと、そこの男子ですよ」
少し離れたところで床に座って休憩しているトルステン様を指さした。
「ああ、あれか。うむ。あれが最初に魔力を暴走するなら魔力を放出してしまえば良いと言ったのだ。そして魔力を放出後に剣を持って戦いを挑んだ。最初にわたくしを助けようとした男だ。確か。……多分、そうだと思う。それよりも、皆が回復してきたようだな。わたくしもあの者達に礼を言わねばならん」
意外だ、自分を助けるのは当たり前と言うかと思ったけど。意外なことにルビースカリナ様は精霊魔法によって回復し意識を取り戻した人達一人一人に声をかけ始めた。
ルビースカリナ様が離れたので、エリンの隣に立った。
ステパンに殆ど魔力が残ってなかった理由はトルステン様の捨て身の攻撃による影響だったようだ。こんな戦い方は僕には無理だな。僕の魔力を短時間で一気に使い切るのは無理だ。
あまり情報があつまらなかったが、自分なりに整理してみる。
この世界には竜を封印するための神具がある。僕の知らない過去に作られた物だ。それも想定を上回る効果のあった。コハクが知らなければ対処にも困っただろう。
この神具は普通の魔道具による魔法禁止と効果も違った。
例えばラルクバッハの王城にあるような魔力低減は高度な魔力操作ができれば普段の倍以上の魔力を消費することで魔法は発動する。
また手錠のような魔法を禁止する道具でも爆発的な魔力をぶつけることで魔法の発動できる。
だが、今回のこれは魔力が多いほど危険なのだ。
竜の対策と言っていたが、ティアマトのように僕よりもさらに高い魔力を持っていれば危険なのは間違いない。
今までの魔法禁止の魔道具は、僕や竜にとってはあまり脅威では無かったが、今回の神具は竜だけでなく僕にとって相性が悪い。
さっきストレージにしまったが、詳しく調べて対抗できる方法があるのか調べた方がよさそうだ。ティアマトかバハムートに聞いた方が良いかもしれない。
僕はトルステン様のような方法はとれないのだ。
今現在の僕の持つ膨大な魔力は、短時間で簡単には放出できない。聖獣を3体、最大級で呼びだせば空になるが、その場合は聖獣が危険になるし虎鉄はまだ呼び出せない。
それ以外だと、短時間で魔力を減らすことができるのは神格化だ。
あれ、もしかして神格化すれば、そもそも神具の影響を受けないのではないか。あれは神の力を使える状態。神具と言っても神と同じ状態である神格化の方が優勢ではないか?
竜を封印するための神具と言ったが、もしかして神格化できるバハムートには効かないのではないか。
やっぱり後で、ティアマトに聞いておこう。
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