転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第5章 シドニア訪問編

5.12.6 防衛戦後の始末

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 まあ、少し待つだけだと言われたので大人しく待った。
 すぐに片付けが終わり、コレットが侍女服を着たまま一人で風呂場に入って行った。
 そして、お風呂が準備できたと声が聞こえたのでお風呂に行く。
 入り口に入ると、薄い布が置いてあった。
「そちらに着替えて中にお入りください」
 薄い布を体にまとってお風呂に入る。
 中はスチームサウナのように湯気がモアモアとして、前が良く見えない状態だった。
 柑橘系の匂いもして気持ちが良い。
「ジルベール様、こちらです」
 声がした方に一歩踏み出したら手だけが見え、僕を引っ張った。簡素なベッドが前に見え、寝そべるように言われた。
 白い湯気の合間から見えた侍女さんは僕が着ているよりは厚手の白い簡素な服を着ていた。つまり、侍女さんの中身は見えなかった。
 侍女さんは、僕の服をずらしながら体を洗い上げる。それが終わるとシャワーで泡を流され、次にこちらですと言われ、移動する。
 すこに浅瀬の湯舟が見えた。
 そっちに入りゆっくりと湯船に沈む。
 ふーとゆっくりしていると、モアモアの湯気がスーと消えていった。
「こちらに頭を置いてください」
 体をずらして頭を置くと、顔が上を向いた状態になる。顔に布をかぶせられ、髪の毛を洗ってくれた。
 そして髪を流して最後に、トリートメントらしき物を髪に塗って終わりのようだ。
 顔にかかっていた布を外された。
「では、温まってください。湯船から出られたらこちらのベルを鳴らしてください」
 そう言って湯船の近くにあったベルを指さした。
 そのまま侍女さんは部屋を出て行った。
 自分の家とはずいぶん違ったが、なかなか面白い設備だ。
 お風呂のお湯は少し薄い青色になっていて、花の匂いもする。
 ゆっくりとお湯を堪能して、湯舟を出た。

 ベルを鳴らそうとしたけど、出口にタオルが見えたのでわざわざ呼び出すのも悪い気がして、自分で拭こうと移動した。
 タオルを手に取ろうとしたら、侍女さんが入って来て僕の手にあったタオルを取り上げ全身を綺麗に拭いてくれた。
 侍女さんはちゃんと元の格好に戻っていた。

 最後に下着をつける手助けをしてくれることは無く、それは自分でやるらしい。

 ベルを鳴らさなかったのに、なんでわかったんだろう。
「湯船から出ると外にわかるようになっているのですよ」
 顔に出ていたのか? 不思議な顔で見上げた。
「良くある質問ですから」
 そう言って、侍女さんは部屋を出て行った。

 僕は、ストレージから着替えを出し、貴族としての格好に着替えた。

 そして、体調の確認。
 多少、疲れが残っている感じはある。魔力は半分ほど回復している。体調は悪くない。
 そろそろ部屋を出てスザンヌたちのところに行こう。
 ベルを鳴らすと、侍女のコレットが再び入って来た。
「何か御用でしょうか?」
「今日の予定を聞かされていないのだけど、僕はどこに行けば?」
「申し訳ありません。わたくしはこのお部屋でジルベール様のお世話をするよう言われていただけですので。ジルベール様はお出かけになるのですか?」
 それを聞こうとしていたんだけど。
「体調が悪いわけでも無いからね、王妃様のところか、スザンヌのところに行きたいのだけど」
「もう少しごゆっくりされるのかと。わかりました、侍女長にどうすれば良いのか聞いてきます。少しお待ちください」
 そう言ってコレットはぱたぱたと外に出て行った。
 あれ、走るなって言われてなかったか。そう思ったら案の定、侍女長さんの怒鳴り声が聞こえた。
「コレット、王宮の中は走ってはならないと言ったでしょ」
 ああ、やっぱり。
 その後の声が聞こえない。だからと言って、すぐに戻ってこないと言うことは説教されているのだろう。おそらく防音の魔道具でも使ったのかもしれない。

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