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第5章 シドニア訪問編
5.12.5 防衛戦後の始末
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「…ル……、ジル……」
「ジルベール様、ジルベール様」
「ジル様、そろそろ起きませんか、もう丸1日を過ぎましたよ」
二人の声が聞こえてきた。目を開けると二人が覗き込んでいた。
寝室で侍女やエイミーに起こされることはあったが、これは珍しい。
周りを見渡すと見慣れない景色。
そうだった、ここはシドニアの王城。
「スザンヌにマリア。起こしにきてくれたんだ」
「ええ、もう翌日の朝ですよ」
鑑定で自分のステータスを確認する。
「魔力は半分を超えたぐらいか。今の魔力量だと回復に2日はかかるのか」
昔は一晩で魔力が回復していたけど、魔力の総量が増えすぎたせいかさすがに全回復までの時間が長くなった。
「普通は3~5日かかりますけど、ジルベール様には2日でも遅く感じるのですね。おなかが空いたでしょう。食事を持ってまいりましたわ」
マリアがくすりと笑いながら話しかけて来た。
お腹を触ってみると、確かに空いている。それに喉も乾いている。
横を見ると、テーブルに3人分の食事が用意されていた。
「そのままの格好で良いので、一緒に食べましょう」
「ジルベール様はこちらに」
スザンヌが僕の座るべき席を示して、早く座るように言った。
席につくと侍女が数名入って来て飲み物を用意したりサラダにドレッシングをかけたりしていく。それが終わるとスーと下がっていった。
いや、一人下がり際でこけた。
うん、誰って言わなくても解る。
「それで、1日で何か解ったことがあるの?」
「はい、捕まえた者達は、王妃様やディックハウト公爵閣下が取り調べをしています。あとコハク様やエイミー様も昨日うちに王城に移動してきましたわ」
「え、王妃様が取り調べを。へー。それでコハクは無事なの?」
「ええ、コハク様もエリン様も昨夜に目を覚ましてちゃんと夕食を取りましたわ」
「わたくしが診断で確認しましたが、皆さまお怪我はありません。ただコハク様は食事を取られた後、また狐の姿に戻って眠ってしまいました。今は彼女の護衛にエイミー様が。後でお会いになってください」
「わかった。それで尋問して、何かわかったことはないの?」
「ルビースカリナ様が看破と言う能力をお持ちなので、真実を言っているのか嘘を言っているのか解るらしく、いくつかの情報を得られたそうですが、私達は内容を聞いていません。増援部隊を出すらしいので、お城はとても慌ただしいのです。おかあさま、いえ第1王妃様もお忙しいみたいです。お兄様もお手伝いをしているみたいですけど」
「王妃様が。そうか、国境の壁が一部壊れていたし、平時よりも駐屯する部隊も増やさないといけないだろうな」
「ジルベール様は、この後どうされます」
「みんなが無事なら、僕がすることは特にないような気がするけど」
「そうですか、なら今日は安静にしておいてください。大活躍されたのですから」
マリアテレーズはそう言ったが、スザンヌは、何か頼みたいことがあるようだ。
今のところ何も言うことも無く食事が終わった。
「スザンヌは、また予知でも見たの?」
「いえ、予知は見ていませんわ、どうしてですか」
「何か僕に頼みたいことがあるんじゃない? そんな顔してるけど」
「ジル様には解ってしまうのですね。お父様の様子を見に行かれるのが何時かと思って」
「うーん、転移ができる程度には魔力が回復しているけど状況しだいかな」
「そうですよね。もし行かれると決められたら教えてくださいね」
「そうするよ」
人が移動するにしても、物資の移動だけでも僕が運べば移動時間が短くなるだろう。だけどとりあえず次はお風呂だな。
「では、後で」
そう言って、二人が出て行った。
部屋に再び侍女が入って来て食事の片付けを始めたので、お風呂について聞いてみる。
「こちらの片付けが終わりましたらご用意します」
「えっと、そっちの部屋にお風呂があるの?」
「はい、お湯の準備が終わっておりますが、しばらくお待ちください」
「いや、自分の世話は自分でできるから気にしないで」
「いえ、準備が必要ですのでお待ちください」
「え? お風呂のお湯はあるんでしょ、準備?」
「そちらは特殊な造りになっておりますので、ジルベール様お一人では使えません」
一人で入れないって風呂ってどんな仕掛けがあるんだ。
「ジルベール様、ジルベール様」
「ジル様、そろそろ起きませんか、もう丸1日を過ぎましたよ」
二人の声が聞こえてきた。目を開けると二人が覗き込んでいた。
寝室で侍女やエイミーに起こされることはあったが、これは珍しい。
周りを見渡すと見慣れない景色。
そうだった、ここはシドニアの王城。
「スザンヌにマリア。起こしにきてくれたんだ」
「ええ、もう翌日の朝ですよ」
鑑定で自分のステータスを確認する。
「魔力は半分を超えたぐらいか。今の魔力量だと回復に2日はかかるのか」
昔は一晩で魔力が回復していたけど、魔力の総量が増えすぎたせいかさすがに全回復までの時間が長くなった。
「普通は3~5日かかりますけど、ジルベール様には2日でも遅く感じるのですね。おなかが空いたでしょう。食事を持ってまいりましたわ」
マリアがくすりと笑いながら話しかけて来た。
お腹を触ってみると、確かに空いている。それに喉も乾いている。
横を見ると、テーブルに3人分の食事が用意されていた。
「そのままの格好で良いので、一緒に食べましょう」
「ジルベール様はこちらに」
スザンヌが僕の座るべき席を示して、早く座るように言った。
席につくと侍女が数名入って来て飲み物を用意したりサラダにドレッシングをかけたりしていく。それが終わるとスーと下がっていった。
いや、一人下がり際でこけた。
うん、誰って言わなくても解る。
「それで、1日で何か解ったことがあるの?」
「はい、捕まえた者達は、王妃様やディックハウト公爵閣下が取り調べをしています。あとコハク様やエイミー様も昨日うちに王城に移動してきましたわ」
「え、王妃様が取り調べを。へー。それでコハクは無事なの?」
「ええ、コハク様もエリン様も昨夜に目を覚ましてちゃんと夕食を取りましたわ」
「わたくしが診断で確認しましたが、皆さまお怪我はありません。ただコハク様は食事を取られた後、また狐の姿に戻って眠ってしまいました。今は彼女の護衛にエイミー様が。後でお会いになってください」
「わかった。それで尋問して、何かわかったことはないの?」
「ルビースカリナ様が看破と言う能力をお持ちなので、真実を言っているのか嘘を言っているのか解るらしく、いくつかの情報を得られたそうですが、私達は内容を聞いていません。増援部隊を出すらしいので、お城はとても慌ただしいのです。おかあさま、いえ第1王妃様もお忙しいみたいです。お兄様もお手伝いをしているみたいですけど」
「王妃様が。そうか、国境の壁が一部壊れていたし、平時よりも駐屯する部隊も増やさないといけないだろうな」
「ジルベール様は、この後どうされます」
「みんなが無事なら、僕がすることは特にないような気がするけど」
「そうですか、なら今日は安静にしておいてください。大活躍されたのですから」
マリアテレーズはそう言ったが、スザンヌは、何か頼みたいことがあるようだ。
今のところ何も言うことも無く食事が終わった。
「スザンヌは、また予知でも見たの?」
「いえ、予知は見ていませんわ、どうしてですか」
「何か僕に頼みたいことがあるんじゃない? そんな顔してるけど」
「ジル様には解ってしまうのですね。お父様の様子を見に行かれるのが何時かと思って」
「うーん、転移ができる程度には魔力が回復しているけど状況しだいかな」
「そうですよね。もし行かれると決められたら教えてくださいね」
「そうするよ」
人が移動するにしても、物資の移動だけでも僕が運べば移動時間が短くなるだろう。だけどとりあえず次はお風呂だな。
「では、後で」
そう言って、二人が出て行った。
部屋に再び侍女が入って来て食事の片付けを始めたので、お風呂について聞いてみる。
「こちらの片付けが終わりましたらご用意します」
「えっと、そっちの部屋にお風呂があるの?」
「はい、お湯の準備が終わっておりますが、しばらくお待ちください」
「いや、自分の世話は自分でできるから気にしないで」
「いえ、準備が必要ですのでお待ちください」
「え? お風呂のお湯はあるんでしょ、準備?」
「そちらは特殊な造りになっておりますので、ジルベール様お一人では使えません」
一人で入れないって風呂ってどんな仕掛けがあるんだ。
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