転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第5章 シドニア訪問編

5.12.11 防衛戦後の始末

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 ファールじいちゃんとの話が終わった後、僕らは一緒に王城へと向かった。
 すぐに、大臣と第2王妃、第3王妃が集まりファールじいちゃんが説明をした。
 そして急遽、出発の準備をしてもらい僕は第3王妃と一緒に夕方にはシドニアに戻った。

 こんな短時間で準備ができるって、さすが王城で働く人達。

 転移で戻ったのは、王妃様と話をした部屋だ。
 その部屋にはフィリップ王子が文官を囲んで話をしていた。
 第1王妃様も第1王子も部屋に居なかった。どうやら、まだ休憩しているようだ。

「ジルベールって、えっ、アンジェリカ様。えっあれ?」
「フィリップ。エミリア妃はどちらに」
「あ、はい。母上は先ほどやっと休眠を取ると。兄さんはさっき転移門で出発しました。シドニアの転移門を出てラルクバッハに移動中だと思います」
「そう、フィリップはここで仕事を続けていたの」
「はい、僕は母上の手伝いをしていました。マリアテレーズとエリノア、クリシュナは準備ができ次第ラルクバッハに戻すつもりでした」
「ジルベールが宰相に状況を伝えてくれたのよ。それでエミリア妃のサポートした方が良いと。それでスザンヌたちはどこかしら」
「マリアテレーズを含めて皆の面倒をみています。状況が状況なので一部屋に集まってます」
「そう、じゃあ貴方たちもそっちに行きなさい」
「はい、お母さま」
 部屋に居たシドニアの女性兵士がニナシスティがシミュット様の手を引いて、マイアーロッセ様が後ろに続く。それに、侍女が一人付いて行った。残りの侍女3名は荷物を持って部屋に居たシドニアの侍女と共に出て行った。
「では、夕食までは少し時間があるでしょう、それまでに書類を見せて頂戴」
「あ、はい」

 僕は、何をしようかと周りを見渡すが特にやることは見当たらない。
 その場でソファーに座り、休憩をすることにした。

 その日は、急に増えた客人への対応も問題なく行われ、夕食の時間になる。
 僕らは一斉に食堂へと移動。

「あら、アンジェリカ。どうしたの?」
「ジルベールがおじいさまに状況を伝えに来たのよ。それでおじいさまが私を送り込んできたの。わたくしが手伝うのは1週間です。そのあとは文官たちが到着するのでわたくしたちはラルクバッハに戻ります。こちらにそれまでの役割分担とエミリア様の仕事が書かれています」
 第1王妃様は書類を受け取りその場で確認した。
「あらまあ、ほんとにこれで良いの」
「はい、おじいさまが適材適所だと。私の方が書類仕事は得意ですから。その代わり娘たちの社交をお願いします」
 まあ、実際残っていた書類だがアンジェリカ様は短時間でミスを直して書類を完成させていた。
 第3王子が早いと言っていたから、仕事も早いのだろう。
「エミリア様、2枚目がわたくしの母、カトレアからです」
「社交の内容はカトレア様からなのね」

「せっかくなので、この1週間を王女教育の強化にあてるつもりのようです」
「これは盛沢山ね。大丈夫かしら、シドニアの高位貴族の女子との遊戯に現公爵夫人だけでなくシドニアの元王妃様。それにどうしてかしら、ルビースカリナ様から話を聞かせるようにと書かれているわ。皆さま、急なお呼び出しになるのだけど」
 
「ところで、お名前の上がったルビースカリナ様は、先ほど別室で食事をされると紹介されたあの方よね。どういった人なの?」
 カトレア様は、ちゃんと情報を得ていたのだろうが、アンジェリカ様はルビースカリナ様の事を知らないようだ。
「ルビースカリナ様は、良い方でしたわ」
 スザンヌがアンジェリカ様に声をかけた。
「わたくし、立ち振る舞いを教えて頂きました」
 今度はマリアテレーズが答えた。
「そうなの、女帝として呼ばれていた時よりも丸くなられたのかしら」
 あ、ちゃんと知ってるみたいです。
「えっと、時と場合によって使い分けなさいと言われました。今日習ったのは人前で美しくというか、威厳を持った立ち振る舞いの方でした。とてもかっこよかったのです」
 エリノアが弁護?
「そうなの、なんにしても勉強にはなるのなら大丈夫ね。お母さまはお仕事をするから皆はエミリア様の言うことをよく聞くのよ」
「はい、お母さま」
 マリアテレーズが返事をしていた。

 どうやら、アンジェリカ様が書類担当で、エミリア様は王女たちの淑女教育担当になるらしい。
 それが適材適所と言うことなのか。

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