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第6章 新しい命
6.2.1 アルフォンス王国の王子
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「トルステン様はこちらの塔へ。案内はあの者がいたします。それとステパン殿は剣帝ですので、陛下から剣を持ち歩く許可を貰ってはあります。ですが、申し訳ございませんができれば王城内で剣がすぐに抜ける状態はご遠慮ください。ステパン殿を知らない人が勘違いしてトラブルにならないように」
王城への立ち入りは護衛は防御系の魔導士だけらしい。短剣程度は身に着けている護衛が居るが、普通は大型の剣は持ち込めないそうだ。
「ほー、剣の持ち込みを許可して頂けるのですか」
「はい、エルドラの正式な剣士は暗殺を行わない協定がございます。剣王以上はある程度の剣を持ち込み可能です。ただし帯剣はせず、隠して頂きたい」
「わかったでござる。今回はジルベール殿からマジックバックを頂いのでそちらにいれて懐に隠しておくでござるよ」
「ええ、大丈夫です。ではお願いします」
そうして、トルステン様とステパンと執事と魔導士らしき男性が一人付いて行った。
「女性の方はこちらへ、案内します」
グランフェスタ様とルビースカリナ様は女性用のお客様が泊まる施設に移動していく。
ロマーニャ様はエミリア様の隣の部屋を使うらしく後宮の方に移動して行った。
コレットとエリンも一緒に行ってしまった。エリンとは忙しくて会話ができなかった。
あとで時間を作ってすこしでも話をしておかないとな。
そんな事を考えていたらスザンヌから声をかけられた。
「ジルベール様、アルフォンス王国から王子が到着されました。ルカお兄様と一緒に会いに行きましょう」
到着した客の中でも王族には事前の挨拶をしに行くらしいが、僕らが全員に会いにいくわけではない。相手に会わせて陛下や王妃、王太子が会いに行く。
そして、アルフォンス王国の王子には王太子とスザンヌが担当になっているようだ。
「アルフォンス王国か。シドニアに行く前はただの1国だったのだけど、なんか印象とかいろいろ変わったんだよね。あのルビースカリナ様の前世イザベラ様を倒して国王になった一族ってことだよね」
「ええ、わたくしは、ルビースカリナ様とシドニアでいろいろとお話をしたので、前世とは言え、今のルビースカリナ様はとても良い方でした。ですがかの国の歴史は知っています。ラルクバッハとほぼ同じ税率で、平民の暮らしもイザベラ様の時代よりもはるかに楽なっていると教科書には書かれています。ですが、殺される必要があったのか懐疑的です。殺さずとも改善できたのではないかと」
「シドニアから戻って僕も少しは調べたよ。イズベラ時代の悪政はその当時の支配階級に居た高位貴族たちのせいだった」
いつの間にか後ろにいたルカディレック王子が答えた。
「確かに、彼女自身は何も悪いことはしていない。だけど悪政を敷いた高位貴族を優遇し民をないがしろにしてしまったのは事実さ。そして革命の前後で大半の重臣が入れ替わった。結局、イザベラ様が生きている限り優遇された貴族を入れ替えるのが難しかったんだろう。僕が調べて貰った資料にはそう書かれていたよ」
「不正をしている貴族を優遇していたのが理由だったと」
「本人の話と合わせると、どうやらイザベラ様は人を覚えるが苦手で、数名しか見わけがつかなかったと言うのが事実。だから、当時は見わけの付く一部の人とだけ話をしていた。それが優遇された少数の特権階級となった。つまり、分不相応な一部の人に権利が集中すると不正に染まっていくのにそれほど時間は必要なかった。その特権階級に付いて不正が横行した」
「権利の集中は今のラルクバッハも変わりませんよね。3公爵家に力が集中していますもの」
「ああ、だが3公爵家は小さい頃からきちんと教育を受けている。だがイザベラ様が定めた人はそういう人では無かった。イザベラ様は看破の力を持つので正直者ではあったのだろうが、悪いことをしても伝えなければよかった。つまりごまかし上手だった」
「なるほど、だから王を入れ替え、重臣を入れかえればうまく行った。重臣を入れ替えるには王を変えるしかなかった。そういうことですか」
「おそらくね」
会話が終わり、僕らは3人でアルフォンス王国の王子が滞在する塔へ歩き始めた。
王城への立ち入りは護衛は防御系の魔導士だけらしい。短剣程度は身に着けている護衛が居るが、普通は大型の剣は持ち込めないそうだ。
「ほー、剣の持ち込みを許可して頂けるのですか」
「はい、エルドラの正式な剣士は暗殺を行わない協定がございます。剣王以上はある程度の剣を持ち込み可能です。ただし帯剣はせず、隠して頂きたい」
「わかったでござる。今回はジルベール殿からマジックバックを頂いのでそちらにいれて懐に隠しておくでござるよ」
「ええ、大丈夫です。ではお願いします」
そうして、トルステン様とステパンと執事と魔導士らしき男性が一人付いて行った。
「女性の方はこちらへ、案内します」
グランフェスタ様とルビースカリナ様は女性用のお客様が泊まる施設に移動していく。
ロマーニャ様はエミリア様の隣の部屋を使うらしく後宮の方に移動して行った。
コレットとエリンも一緒に行ってしまった。エリンとは忙しくて会話ができなかった。
あとで時間を作ってすこしでも話をしておかないとな。
そんな事を考えていたらスザンヌから声をかけられた。
「ジルベール様、アルフォンス王国から王子が到着されました。ルカお兄様と一緒に会いに行きましょう」
到着した客の中でも王族には事前の挨拶をしに行くらしいが、僕らが全員に会いにいくわけではない。相手に会わせて陛下や王妃、王太子が会いに行く。
そして、アルフォンス王国の王子には王太子とスザンヌが担当になっているようだ。
「アルフォンス王国か。シドニアに行く前はただの1国だったのだけど、なんか印象とかいろいろ変わったんだよね。あのルビースカリナ様の前世イザベラ様を倒して国王になった一族ってことだよね」
「ええ、わたくしは、ルビースカリナ様とシドニアでいろいろとお話をしたので、前世とは言え、今のルビースカリナ様はとても良い方でした。ですがかの国の歴史は知っています。ラルクバッハとほぼ同じ税率で、平民の暮らしもイザベラ様の時代よりもはるかに楽なっていると教科書には書かれています。ですが、殺される必要があったのか懐疑的です。殺さずとも改善できたのではないかと」
「シドニアから戻って僕も少しは調べたよ。イズベラ時代の悪政はその当時の支配階級に居た高位貴族たちのせいだった」
いつの間にか後ろにいたルカディレック王子が答えた。
「確かに、彼女自身は何も悪いことはしていない。だけど悪政を敷いた高位貴族を優遇し民をないがしろにしてしまったのは事実さ。そして革命の前後で大半の重臣が入れ替わった。結局、イザベラ様が生きている限り優遇された貴族を入れ替えるのが難しかったんだろう。僕が調べて貰った資料にはそう書かれていたよ」
「不正をしている貴族を優遇していたのが理由だったと」
「本人の話と合わせると、どうやらイザベラ様は人を覚えるが苦手で、数名しか見わけがつかなかったと言うのが事実。だから、当時は見わけの付く一部の人とだけ話をしていた。それが優遇された少数の特権階級となった。つまり、分不相応な一部の人に権利が集中すると不正に染まっていくのにそれほど時間は必要なかった。その特権階級に付いて不正が横行した」
「権利の集中は今のラルクバッハも変わりませんよね。3公爵家に力が集中していますもの」
「ああ、だが3公爵家は小さい頃からきちんと教育を受けている。だがイザベラ様が定めた人はそういう人では無かった。イザベラ様は看破の力を持つので正直者ではあったのだろうが、悪いことをしても伝えなければよかった。つまりごまかし上手だった」
「なるほど、だから王を入れ替え、重臣を入れかえればうまく行った。重臣を入れ替えるには王を変えるしかなかった。そういうことですか」
「おそらくね」
会話が終わり、僕らは3人でアルフォンス王国の王子が滞在する塔へ歩き始めた。
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