転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第6章 新しい命

6.2.7 アルフォンス王国の王子

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「ところでジルベール、彼に何かしたのか?」
「え、彼とは?」
「執事のことだ。一瞬だったけど魔法を使ったろ? ジルベールから執事に魔力が流れたのが見えた。初めのころは僕も警戒して位から金眼を意識させて魔力を見ていたんだ。そしたら一瞬だったけど彼に君から魔力が流れた」
「そうですか。魔力の可視化を使っていると時間魔法を使っていてもごまかせないんですね」
「あの執事、どうかしたのかい?」
「えっと、ちょっと威圧をしたら死んじゃったので蘇生させました」
「は? 死んだ?」
「執事はお茶に何かしようとしていたのかイシスが威圧をしろと警告して来たので一瞬だけ威圧を使ったら心停止してしまって」
「だが元気にしていたような気がしたが? そう言えば熱くも無いのに額に汗をかいていたな」
「まずいと思って死者蘇生の魔法を使って、生き返らせましたから。その後で念のために回復魔法をチョチョイと。だから何も無かったように」
「そうか。だから途中でティーセットを交換していたのか。アントン、気がついたか?」
 アントンと呼ばれたのは王子の隣を歩いている執事さんだろう。
「ジルベール様のお茶に塩を、お菓子に辛しを入れていたようです」
「え、あの距離で気がついていたの?」
「客人から見えないようにしたのでしょうが、私の位置からは塩を入れたのは見えていました。お菓子は、避けた物を鑑定で確認しました」
「あなたも鑑定持ちだったんだ」
「いえ、ジルベール様が作られた鑑定のネックレスを付けております。ファール様を経由して納品された物です。指輪では無いので相手にも気づかれませんので重宝しております」
「そう、普通の執事は鑑定魔法使えないよな」
「あなたも と言ったが?」
「さっきの執事さんはレベル5の鑑定持ちだったんです。それもステータス隠蔽まで使いこなしてました」
「そうか。あの男はレイの母方の執事で、レイが小さいころからついていた。だからレイの兄がラルクバッハに来た時にレイまで付いて来たのか」
「目的が執事の派遣だった?」
「アルフォンス王国には僕らに近い年の子供は他にもいる。兄と言っても母親が違うのになぜだろうと思っていたがそういうことか」
「ラルクバッハでの毒殺を警戒してと言うことですか?」
「それもあるだろうが、ラルクバッハの戦力分析も含めて色々だろう。以前来た時にこちらで鑑定を受けていたが、鑑定持ちとして登録されていない。こちらも油断していた。あの男、いろいろなところに出入りしていたはずだ」
「ふむ、今回は出入りの制限をさせましょう。ところでジルベール様、偽装を看破できる魔道具は作れるのですか?」
「魔法陣を使った鑑定は、種類を限定しないと魔力消費が大きすぎるのです、レベルも上げないといけないのでスキル看破だけに限ればできなくは無いと思いますけど、通常の鑑定と看破と道具も二つに別れますし、鑑定も2回に分けないといけませんよ」
「わかりました。もしかしたら作っていただくことになるかもしれません」
「ルビースカリナ様が使っている看破の仕組みが解れば、あっちの方が使い勝手が良さそうですが、あれは固有能力だから真似はできそうも無いし」
「ルビースカリナ様の看破はそれほどすごいのですか?」
「たぶん。ステータスは部分的に僕の鑑定を潜り抜けたみたいだし。それだけじゃなくてステータス以外に嘘をついているかどうかも解るらしい」
「魔法じゃないと」
「わからない。僕の鑑定でもすべての情報が解らなかった。彼女もスザンヌと同じように女神の加護を持っているみたいだし、スザンヌの未来を見る力と同じような物だろうね」

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