転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第6章 新しい命

6.3.6 昇格試験

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 クリスタとシルビア様の試合が行われた。
 開始の合図とともにクリスタが攻め始めた。
 先ほどの剣王と試合で見せた高速移動。
 そしてそこからの大技の撃ちこみ。
 最初の一発目に大技を持ち込んだが、シルビア様はそれを難なく払いのけた。

 あれを剣で払える理屈が全く分からない。異次元の対応に疑問符しか出てこない。
 試合は当然の処理と思っていたのかクリスタはさらに踏み込んできていた。
 シルビア様は右下から左上に払っていたので、剣が左上にある。クリスタはシルビア様の剣が最も遠くなるであろう右側に移動し下側から剣を振り上げた。
 シルビア様はポーンと飛び上がりそれを軽く避ける。
そのまま回転しながら剣が下から回ってくる。
 クリスタは、下がりそれを大きく避ける。
 間髪入れずにシルビア様の剣が振られる。

 シルビア様のは、軽く剣を振っているように見えるが、クリスタはそれをかなりの力を入れて防いでいる。
 どうやらシルビア様は本気ではないようだ。もっと早く強くできそうだが、あの速度、強さはステパンの剣と一緒だ。シドニアで何度か練習した時と全く一緒なのだ。
 もちろん、単に打ちあっているだけではない。クリスタは様々な技を見せ状況の打開を図ろうとしていた。ただそれが成功することはなかった。
 どうやら、先ほどステパンと打ち合ったのは体を温めると言うよりも、剣帝のレベルを確認し、剣術のレベルを下げるためだったようだ。
 そうしてクリスタは攻勢出ることができないまま3分を使い切り引き分けとなった。
 まだ先があるのだと伝えるような試合だった。

 シルビア様は、汗もかいていないのかそのままステパンと主審をかわった。
 そして、エイミーとステパンが場に立つ。

 ステパンは得意は居合いだ。基本は待ちの状態で来た相手を切るのが得意だ。
 エイミーは挑戦者。10秒間以上攻撃に転じなければペナルティを与えられるのはエイミーだ。
 つまりこの試合はステパン側にとても有利なのだ。
 試合が始めると共にエイミーが近づき剣を放つ。
 離れた場所から攻撃できる剣に乗せた魔力を放つ技。
 近づくと居合で切られるのだ、初発を警戒するのは当然だろう。
 飛んできた魔力の塊をステパンが切る。隙ができた瞬間にエイミーが近づき剣を振る。
 ステパンが魔力のフェイクを入れ、剣が無い場所で剣が振られたような感覚がする。
 エイミーが存在しない剣を避けてしまう。
 そのままではなく、同じようにエイミーも撃ちこみと同時に違う場所にフェイクの剣激を発生させる。
 そんな攻防の繰り返しで4分をすぎた。
 ほぼ同格。
 練習通り、最近のエイミーとステパンの実力は拮抗している。

 残りの1分。そこで急にステパンの剣の種類がかわった。
 いままではお手本のような剣だったが、自由な剣にかわった。
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