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第6章 新しい命
6.6.1 宝物庫の秘密
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妹が生まれ、数日後にはマリア達も王都に戻った。
僕は、主にクロスロードで過ごしている。
だから、妹とは毎日少し会って抱っこしたり話しかけたり。
侍女たちが総出で争うように面倒を見るので、僕の触れ合いの時間が短い。
僕もおむつぐらい換えたいのだが、そういう事はさせて貰えなかった。
肉親である僕ではなく、エレノアとニナシスティは経験をさせて貰っているが、僕は男性だからとやらせてもらえないのだ。
それに違和感を感じるのは僕にまだ異世界の知識があるからなのだろう。だがしょうがないのだ、ここはそういう世界なのだから。
そうして、平和を楽しんでいる途中でちょこちょこと王都に移動する。
皆をシドニアに送ったり、王妃様をクロスロードに連れて来て妹に合わせたり。
そして、ファールじいちゃんは孫かわいがりをしている?
母様達の実家とは離縁しているし、僕はファールじいちゃんの養子になるので、妹はファールじいちゃんにとっても家族なのだそうだ。
しかし、生まれたての赤ちゃんにお土産として宝石の原石を持って来るのは間違っている。たまたま入手したからって、持って来たみたいだが、誤飲したらどうするって、まあ誤飲するような小さな物では無かったのだけど。
「良いのよ、原石だから高くないわ。おもちゃよ。子供が好きそうな色でしょ」
カトレア様が笑顔で言っていた。
そうやって平和な日々をすごしている間に夏が終わり、エリン達の滞在期間が終了。彼女たちはシドニアに戻った。
そして日常が繰り返される。
本日は定例の王城での用事だ。
定期的にスザンヌとマリアテレーズに会うことになっているから、今日がその予定日になっている。
応接室で待っていたら、侍女さんがやって来て国王様のところに行って欲しいと言われて案内された。
そこは、謁見の間ではなく王家のプライベートな応接室だった。国王と3人の王妃、それにスザンヌとマリアテレーズ、それにルカレディック第1王子が揃っていた。
「ジルベール、元気だったか」
そういった世間話から入り、妹のかわいさを伝えた後で本題へと話が変わった。
「うむ、それでな、神具の件だ」
「神具ですか」
「ああ、エルドラの国宝、破邪の腕輪。そしてアルフォンスの国宝、隠蔽の腕輪じゃ」
「あれですか」
「結論を言えば破邪の腕輪と隠蔽の腕輪、両方ともエルドラから盗まれた物だった」
「両方ともですか?」
「ああ、アルフォンス王国でのイザベラ・アルフォンス女王を倒すときにエルドラの助力を得ていたらしく、その礼としていくつかの国宝を譲渡しておったそうだ」
「それが盗まれていたと」
「ああ、どの国もエルフの国から購入した宝物庫を使っておる。普通は盗めぬのだが、穴があるらしいとエルフ国から通達があった」
「穴ですか?」
「うむ、それを確かめるために今から宝物庫に向かう。ジルベールも一緒に来るのだ」
「え、王家以外の人が入っても良いのですか?」
「理由は後で言う、着いてきなさい」
良くわからないが、皆で移動する。
移動した先は女神の像がある教会だった。
礼拝室を通り抜ける、隠し扉を抜けて階段があった。
こんな空間があったのか、外からでは解らない作りになっている。
礼拝室の構造と、抜けた空間が上手く作られていて斜めに切り開かれた空間があったのだ。ぎりぎり階段を隠すだけの隙間。
どうやら建物は90度の角度で作られていなかったようだ。
階段をどんどん降りる。かなり長い。30mほど潜ったような気がするが、段数が多すぎてわからなくなった。
到着した空間は眼前に大きな扉が見えるが、魔法具の明かりだけでは良くわからない。
少し暗いのだ。魔法具の性能が悪いわけではない、なぜか暗くなっている。
国王が扉の前に立ち何かを触っている。
「ジルベール、ここだ。ここに手を当てて魔力を流しなさい。そうすると中に入れるはずだ。中に入ると奥に拳ぐらいの大きさの魔石があるはずだ。一人一つ持ち出せる。それを探して持って来てほしい」
何のことを言っているのか良くわからなかったが言われた通り国王の手の辺りを触ると丸い石があったので、そこに魔力を流した。
すると、目の前の景色が急に変わった。
突然暗くなった。
その後、ゆっくりと視力が回復したわけじゃないのか、ゆっくりと周りが明るくなってきた。
ふと、隣にスザンヌが現れた、不思議に思いながら2人で一歩進み壁から離れた。
続いてマリアテレーズ。
「あ、明るいですね」
マリアテレーズがそう言った。
「そうだね。ゆっくりと明るくなってきたよ」
「お父様に頼まれた魔石を探しましょうか」
「国王陛下達が入ってくるのを待たなくても良いの?」
「お父様たちは入らないから3人で行ってくるようにと言ってました」
マリアが最後にそう伝言されたと言う。
「ふーん、なんだかよくわからないけど、とりあえず奥に行こうか、ここはただの通路だし」
「はい」
3人で進むと領壁に扉が見えた。
「扉ですね。どうします?」
「奥と言われたけど、まっすぐ奥なのか、途中に部屋の先なのかわからないよね」
「そうですね。とりあえず右の扉から順に開けて見ましょう」
「そうだね」
扉を開けて、3人で部屋に入る。
部屋に入ると先ほどと一緒でゆっくりと明るくなった。そこは3m四方ぐらいの部屋で棚があり、いろいろな道具が置かれていた。
「なんでしょう」
「魔道具や、いろいろな物だろうけど、魔石は無いね」
「そうですね。次に行きましょう」
「ねえ、危険性ないみたいだし、3人別れましょう」
スザンヌがそう提案して来たので、別れて探すことにした。
部屋に入ると先ほど一緒だ。ゆっくりと明るくなる。待てなくて明かりの魔法を使ったが無効化された、そのかわり明るくなる速度が速くなった。
どうやら魔法無効化の空間らしい。その代わり魔力が部屋の光に使われたようだ。
結果的に早く明るくなることがわかったので、スザンヌとマリアテレーズにも伝えた。
10個ほどの部屋を調べたが、魔石は無かった。
そのかわり、絵画や魔道具、宝石などは沢山見つけた。
そして最初に来た通路の一番奥の部屋へと入った。
僕は、主にクロスロードで過ごしている。
だから、妹とは毎日少し会って抱っこしたり話しかけたり。
侍女たちが総出で争うように面倒を見るので、僕の触れ合いの時間が短い。
僕もおむつぐらい換えたいのだが、そういう事はさせて貰えなかった。
肉親である僕ではなく、エレノアとニナシスティは経験をさせて貰っているが、僕は男性だからとやらせてもらえないのだ。
それに違和感を感じるのは僕にまだ異世界の知識があるからなのだろう。だがしょうがないのだ、ここはそういう世界なのだから。
そうして、平和を楽しんでいる途中でちょこちょこと王都に移動する。
皆をシドニアに送ったり、王妃様をクロスロードに連れて来て妹に合わせたり。
そして、ファールじいちゃんは孫かわいがりをしている?
母様達の実家とは離縁しているし、僕はファールじいちゃんの養子になるので、妹はファールじいちゃんにとっても家族なのだそうだ。
しかし、生まれたての赤ちゃんにお土産として宝石の原石を持って来るのは間違っている。たまたま入手したからって、持って来たみたいだが、誤飲したらどうするって、まあ誤飲するような小さな物では無かったのだけど。
「良いのよ、原石だから高くないわ。おもちゃよ。子供が好きそうな色でしょ」
カトレア様が笑顔で言っていた。
そうやって平和な日々をすごしている間に夏が終わり、エリン達の滞在期間が終了。彼女たちはシドニアに戻った。
そして日常が繰り返される。
本日は定例の王城での用事だ。
定期的にスザンヌとマリアテレーズに会うことになっているから、今日がその予定日になっている。
応接室で待っていたら、侍女さんがやって来て国王様のところに行って欲しいと言われて案内された。
そこは、謁見の間ではなく王家のプライベートな応接室だった。国王と3人の王妃、それにスザンヌとマリアテレーズ、それにルカレディック第1王子が揃っていた。
「ジルベール、元気だったか」
そういった世間話から入り、妹のかわいさを伝えた後で本題へと話が変わった。
「うむ、それでな、神具の件だ」
「神具ですか」
「ああ、エルドラの国宝、破邪の腕輪。そしてアルフォンスの国宝、隠蔽の腕輪じゃ」
「あれですか」
「結論を言えば破邪の腕輪と隠蔽の腕輪、両方ともエルドラから盗まれた物だった」
「両方ともですか?」
「ああ、アルフォンス王国でのイザベラ・アルフォンス女王を倒すときにエルドラの助力を得ていたらしく、その礼としていくつかの国宝を譲渡しておったそうだ」
「それが盗まれていたと」
「ああ、どの国もエルフの国から購入した宝物庫を使っておる。普通は盗めぬのだが、穴があるらしいとエルフ国から通達があった」
「穴ですか?」
「うむ、それを確かめるために今から宝物庫に向かう。ジルベールも一緒に来るのだ」
「え、王家以外の人が入っても良いのですか?」
「理由は後で言う、着いてきなさい」
良くわからないが、皆で移動する。
移動した先は女神の像がある教会だった。
礼拝室を通り抜ける、隠し扉を抜けて階段があった。
こんな空間があったのか、外からでは解らない作りになっている。
礼拝室の構造と、抜けた空間が上手く作られていて斜めに切り開かれた空間があったのだ。ぎりぎり階段を隠すだけの隙間。
どうやら建物は90度の角度で作られていなかったようだ。
階段をどんどん降りる。かなり長い。30mほど潜ったような気がするが、段数が多すぎてわからなくなった。
到着した空間は眼前に大きな扉が見えるが、魔法具の明かりだけでは良くわからない。
少し暗いのだ。魔法具の性能が悪いわけではない、なぜか暗くなっている。
国王が扉の前に立ち何かを触っている。
「ジルベール、ここだ。ここに手を当てて魔力を流しなさい。そうすると中に入れるはずだ。中に入ると奥に拳ぐらいの大きさの魔石があるはずだ。一人一つ持ち出せる。それを探して持って来てほしい」
何のことを言っているのか良くわからなかったが言われた通り国王の手の辺りを触ると丸い石があったので、そこに魔力を流した。
すると、目の前の景色が急に変わった。
突然暗くなった。
その後、ゆっくりと視力が回復したわけじゃないのか、ゆっくりと周りが明るくなってきた。
ふと、隣にスザンヌが現れた、不思議に思いながら2人で一歩進み壁から離れた。
続いてマリアテレーズ。
「あ、明るいですね」
マリアテレーズがそう言った。
「そうだね。ゆっくりと明るくなってきたよ」
「お父様に頼まれた魔石を探しましょうか」
「国王陛下達が入ってくるのを待たなくても良いの?」
「お父様たちは入らないから3人で行ってくるようにと言ってました」
マリアが最後にそう伝言されたと言う。
「ふーん、なんだかよくわからないけど、とりあえず奥に行こうか、ここはただの通路だし」
「はい」
3人で進むと領壁に扉が見えた。
「扉ですね。どうします?」
「奥と言われたけど、まっすぐ奥なのか、途中に部屋の先なのかわからないよね」
「そうですね。とりあえず右の扉から順に開けて見ましょう」
「そうだね」
扉を開けて、3人で部屋に入る。
部屋に入ると先ほどと一緒でゆっくりと明るくなった。そこは3m四方ぐらいの部屋で棚があり、いろいろな道具が置かれていた。
「なんでしょう」
「魔道具や、いろいろな物だろうけど、魔石は無いね」
「そうですね。次に行きましょう」
「ねえ、危険性ないみたいだし、3人別れましょう」
スザンヌがそう提案して来たので、別れて探すことにした。
部屋に入ると先ほど一緒だ。ゆっくりと明るくなる。待てなくて明かりの魔法を使ったが無効化された、そのかわり明るくなる速度が速くなった。
どうやら魔法無効化の空間らしい。その代わり魔力が部屋の光に使われたようだ。
結果的に早く明るくなることがわかったので、スザンヌとマリアテレーズにも伝えた。
10個ほどの部屋を調べたが、魔石は無かった。
そのかわり、絵画や魔道具、宝石などは沢山見つけた。
そして最初に来た通路の一番奥の部屋へと入った。
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