転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第6章 新しい命

6.7.5 10歳式への出発 エレノア編

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「上位種はすべて倒した。後は雑魚ばかりだ、残りは2人一組で倒すんだ。気を抜くな。迷宮産は倒せば消えるが、迷宮産で無い者は消えない。倒れている魔物の中には死んだふりをしている者もいる、倒れている魔物は不用意に接するな、念のために刺せ。確実に殺せ」
 エイミーが叫ぶ声が聞こえた。
 どうやら何とかここを守り切ったようだ。
 先発隊で思った以上に疲弊したと言うべきか。
 戦いの序盤で早々に魔力を使い果たし、魔力回復薬で回復した分は補助魔法をサポートしたが、自分の見ている範囲では、死者も重傷者もいないはずだ。
 エレノアとクリシュナ様はタロウちゃんが休憩所に運んでいた。
 誰に指示されたわけでも無いと思うが、タロウちゃんは危険な上位種が倒された後は怪我人を運んでいるようだ。
 エイミーが指示を出しているのだろうか?
 タロウちゃんはジルベール様と契約をしている魔獣のはずだがジルベールではなくいつもエイミーと一緒に行動している変わった魔獣だ。
 ジルベール様と契約している魔獣は殆どが、いやすべてが彼と共に居ない。
 巨力な魔力で魔獣と契約できる割に、彼の言うことを聞いていない気がするので、魔物使いとしての能力はあるがレベルが低いのだろうか。
 魔物使いは珍しく、能力がはっきりしないので、ジルベール様が特殊なのかどうかすらわからないのが現状だ。
 だが、聞いた感じだと数少ない事例でも魔獣との契約をすると人へ攻撃しなくなるだけでわりと自由に行動しているらしいので、ジルベール様の魔獣が特別というわけではなさそうだ。
 さて、終わりかなと思ったところで、影が隣を駆け抜けた。
 影は、先頭に立つと、立ち止まり周りを見回している。
 影の正体は人だった、良く見るともう一人の剣帝、クリスタ様だ。
 ではジルベール様達が到着したのだろうか?
 後ろを振り返り姿を確認しようとしたところ、自分が大きな影に入った。
 そして、すぐに影が消える。
 上を見ると、その影の正体がわかった。
「鳥? 大きいわ」
 隣に居た魔法使いから声が聞こえた。
「ジルベール様の聖獣ガルダね」

 ガルダは、ここから少し離れた場所で魔法を何回か放ち、その後は低空飛行を繰り返しいる。
 どうやら、遠方に隠れていた魔物を倒してくれているらしい。

 そしてクリスタ様も参戦し、エイミーと二人で、残ったゴブリンを実戦経験のない騎士達が倒せるようにダメージを与え、死んだふりをしているゴブリンを示して、それを騎士達が倒している。そして数分後にすべてのゴブリンが居なくなった。

 アイリ様が私のところに近づいて来て言った。
「終わったようですね」
 その報告を受け、私は周りを見回しながら訪ねる
「みなに怪我はないかしら」
「ここに居る者達は大丈夫です。怪我をした者はタロウちゃんでしたか?エイミー様の黒狼ちゃんが連れて行ったみたい。私達も救護所に行きましょう」
 
 救護所に着くと、そこでコハク様が治療を行っていました。
 いつもの仮面をつけているのでお顔は解りませんが、髪の色でわかります。
「コハク様、戦いは終わりました。そちらはどうでしょうか?」
 そう言うと、コハク様がこちら向いて答えた。
「クリシュナ様は、深刻なダメージのある筋肉を直しましたが、完全には治していません。ある程度自力で治さないと次へのレベルアップになりませんから。数日は筋肉痛との戦いですね。エレノア様は単なる魔力不足です。回復薬も飲みすぎているようなので、この後は自然回復の方が良いと思います。他の騎士様達の怪我は治しました」
「ジルベール様が来られているのですか?」
「いえ、後で来るはずです。転移で移動した街がスタンピードの本隊に襲われていましたから、そちらを倒してから来るそうです」
 なんと、どうやら本隊は隣町に向かっていたとは。
 こちらが別動隊で、本隊が別と予想していたが、本来が最初から違う街に向かっていたとは予想していなかった。
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