転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第7章 女神の封印

7.2.1 再封印

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「ここが竜の住む地か」
 ラルクバッハで春になったばかりなので、北の地はまだ雪の残る景色だった。
「この時期はまだこんな感じだな、夏のある時期だけ一面が緑に包まれる、さて竜王のところに行こうか」
 竜の街の中に直接は転移ができないらしく、僕らは少し手前にある広場に到着したそうだ。
 そこから雪の中、道らしく思える場所を進むとある領域を超えた瞬間に眼前に見えていた景色が急に切り替わった。
「結界の外からは解らないようになっている」
 アルマイクが解説してくれた。
 結界の中は、先ほどの雪景色と違って春のような気候で、道端に花も沢山咲いている。のどかな雰囲気で、奥に無骨な造りの建物が並んでいる。最奥には巨大な箱型の建物が見える。
 ティアマトの後に続いて大きな建物に向かう。
 幅広の道は、舗装もされていない、土がむき出しだが綺麗に整えられている。何名が歩いている姿が見えるが普通の人のように見える。
 彼らはティアマトの姿を見かけると会釈をしてから建物中に入って行った。
「この辺りは人に化けられる者達が住んでいる。竜の姿はあの建物の反対側にいるんだ。幼い時から竜の姿で育ち、大きなってから人になれる者と最初は人の姿にしかなれず、大きくなってから竜の姿になれる者の2種類がいる。私もアルマイクも後者だ。バハムート様の血が濃い物が後者だ」
「ここに父様、竜王バハムート様が居る、さて行こうか」
 アルマイクが高さ10mぐらい、幅5mぐらいの両扉の片側を押して開けた。

 巨大な建物の中は壁で奥は解らない。この空間の左隅に屋根までついた1階建ての家が作られていた。
 家は一般の人の大きさで作られており玄関を開けて中へと入る。

 すぐにリビングがあり、人の姿になっているバハムートがくつろいでいた。
「父様、アロノニア様からアークロン様の再封印をするため聖女とジルベール様、そして賢者殿を連れて来ました」

「ふむ、アロノニア様から聞いている、ただ再封印の場に行くにはメンバーが違うぞ」
「メンバーですか?」
「そっちの剣帝二人は置いていけ、代わりに剣神を連れてこい。最後の聖獣が必要だ。それとジルベールのところに精霊を呼び出せる女が居るはずだ、聖女と共に連れて行かねばならん」
「エリンの事ですか?」
「そのようですね、剣神は私が連れて来ますので、ジルベール様はエリン様を連れて来てください」
「解ったよ」

「ティア、そこの剣帝二人を連れていけ」
「え、僕達一緒に行けないってこと?」
「そうだ、剣神をこっちに連れてくるんだ、あっちで起きることに対処して貰わなんといかん。アルマイク、そなたもう一人の剣帝も探せるか?」
「ステパン殿なら知っています。一緒にシドニアで手合わせしたことがありますから。居場所も公爵家に行けばわかるはずです」

「なぜですか? あの地で何かが起きると断言できるのは」
「剣神と共に聖獣があの地にずっといるのはアークロンの一部が封印されているからだ。こちらで再封印を施せばあの地でも抵抗の為に魔獣が多数発生するはずだ。今までは剣神が倒していたが、今回はそなたたちだけで対処するのだ」

 アークロンの一部が剣神のいる場所に封印されていたのか。
 地上で最大戦力と言える二つの主力、竜王と剣神。なるほど。
「では3人ともさっさと行くんだ。賢者は私と一緒に来なさい。封印の術式を見せよう、ああそうだ、そこの魔法使いと剣士のお嬢さんも剣帝と共にそちらに行きなさい、戦えるレベルに到達している戦力は多い方が良いはずだ」
 どうやらスザンヌもエイミー達と一緒に行くみたいだ。
「スザンヌ、無理をしないように。エイミー、バーニィ、スザンヌの事を頼むよ」
「ジル様、本当は一緒に居たかったけど、こちらではやることが無いみたいのであっちで頑張ります。後で会いましょう。マリアも気を付けて」
 ティアマトが移動した後、僕はエリンを迎えに帰った。


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