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【14】それぞれの扉
③
しおりを挟むハッとして目覚めると手には携帯が握られていた。ん? 何時? 時計を見るとまだアラームのなる前だった。あせったー。アラームを止めて二度寝してしまったのかと思った。
あははは。なんで携帯握って寝てたんやろ。。
ひとり笑いするとベットを出てシャワーを浴びた。
先週、浜中から「急に予定が空いたので、もし良ければゴルフに行きませんか?」と連絡があり、「はい、行きます!」と返事をして今日を迎えたのだった。
今回も近くまで迎えにきてもらい車に乗り込むと、浜中ともだいぶ打ち解けたこともありゴルフ場まで談笑のうちに到着した。
その日はゴルフレッスンの成果なのか、2回目のコースのおかげなのかわからないけど自己ベストが出て爽快な気分だった。
「本宮さん、今日はとても上手でしたね。今日のスコアいくつでしたっけ?」
「112です。目標の110切りは達成出来なかったけど、浜中さんのご指導のお陰でベストスコアが出ました」
「本宮さん、アプローチ上手ですよね」
「ありがとうございます。でも、パターが下手で 笑」
「パターはグリーンやピンの位置で難易度が変わるので。今日のピンの位置は難しかったですよ。もし今日のピンの位置がもっとグリーンの真ん中の方だったら余裕で110切ってたんじゃないですか?」
「次は110切れるように練習がんばります」
「はい、練習してまた行きましょう」
「ぜひ、宜しくお願いします」
「ところで、本宮さんお寿司は好きですか?」
「はい。好きですよ」
「西九条の方に美味しいお寿司屋さんがあるんですけど今からそこでもいいですか?」
「はい。今日はお寿司ですか~! 楽しみです 笑」
「浜中さん、お店よくご存知ですね?」
「あははは、仕事でどうしても会食の機会が多いのでいろんなお店に行きますからね。食べたいものがあったら言って下さい。美味しいお店一緒に行きましょう」
「わぁー、ありがとうございます」
さすがに美味しいお寿司屋さんと言うだけのことはある。始めは白身の《たい》から。鮮度がいいからプリプリして歯応えバツグン。次に大好きな《中トロ》上品な甘さが口の中いっぱいに広がりとけてなくなり、幸せを感じる。新鮮な魚とシャリが絶妙なバランスで最高のお寿司。ここまでの味を提供してくれるお店はそうそうない。
「すみません。今日もご馳走になってありがとうございます。とても美味しかったです」
「本当ですか? そう言ってもらえてよかったです。ところで堺の工場の夜景を見たことありますか? 電灯がたくさん輝いて凄い綺麗なんですよ。この後お時間あったら見に行きませんか?」
「えー見たことないです。見たいです」
「じゃー、ちょっと行きますか!」
高速道路で20分程のところだった。
車をとめて海沿いまで歩いていくと、対岸の工場の灯りがとても綺麗に見えた。
「うわー、凄い綺麗ですね」
「でしょう! 本宮さんに見せたかったんです 笑」
「ありがとうございます」
由唯は浜中との時間が心地いいな。と感じ始めていた。
「本宮さん、またゴルフお誘いしていいですか?」
「はい、もちろんです」
由唯は笑顔で返事した。
「よかった。断られたらどうしようかと思いました 笑」
「あははは、浜中さんのこと断ったりしないですよー」
その後、家に送り届けてもらうとお礼のメールを送った。
〈今日はありがとうございました。楽しかったです。また、宜しくお願いします〉
今夜はいい夢が見れそうだ。
応援ありがとうございます!
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