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番外編
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「ごめん。俺本当に最低な事を…」
夕陽は目が覚めて早々、床に土下座して深々と頭を下げた。
2人でベッドに寝たまま、夕陽が起きるのを待っていたし。1番最初に彼へ伝えたい想いがあったから、彼を起こさず寝顔の夕陽を眺めていた。
いつもは俺より早起きで、ましてや夕陽の寝顔なんて中々拝めない。
ちょっとしたレア感に呆けていたからか、
長いまつ毛が震え、ゆっくりと澄んだ瞳が俺を映した時。
言いたかった言葉を直ぐに発せなかった。
その後の反応は早く、
夕陽は転げるようにベッドから落ち、俺に謝罪した。
人として最低な事をした。ごめん。
何度も何度も震える声音で告げられて、
真っ先に伝えたかった想いを飲み込んだ。
『夕陽はさ後悔してるの?』
「…あーちゃん。」
『俺を抱いて後悔、してる?』
俺は嬉しかったよ。お前と…繋がれて、
そう言いたいのに、言葉にするのが怖い。
もし告白して、
流されたら?
だって夕陽はきっと後悔している。男を抱いた事に。
だから何度も謝ってくるんじゃないのか…
責任が取れないから、
世間体があるから、
だから…何度もごめんって言うんだろ?
「してない…。してないよ。でも、ごめん」
『何に対しての謝罪だよ』
イライラする。やっと、自分の本当の気持ちに気付けたのに、
夕陽が謝るたびに…
昨日の出来事が無かった事にされそうで
「そんなの決まってるだろ!?…あーちゃんの気持ちを無視して、あんな事」
『……え?』
思わず聞き返したのは無理もない。
予想外な言葉が夕陽の口から発せられたからだ
つまり夕陽は…男を抱いた事に後悔していた訳ではなく。俺の気持ちを無視して性行為してしまった事に対して…謝っている?
え、…俺、勝手にはやとちり…した、っぽい?
その答えに行き着いた俺の顔は、真っ赤に染まり
アホヅラを晒す。
そんな俺に気付いたのか、夕陽は俺を見遣る。その瞳には俺を心配しているのが伺えた
「あー…ちゃん?顔が赤いけど熱があるんじゃ、」
『よく聞け』
「あ、は、はい」
『俺、淳は夕陽をあい、あ、…あい、し、て…ま、す』
俺に手を伸ばしかけた夕陽は、俺の低い『よく聞け』という声で、手を下ろす
何故か死刑宣告をされる囚人、みたいな顔をしていたが
勇気を振り絞った俺の告白を聞き…
「……え」
フリーズしていた。
数秒後、茹蛸のように真っ赤な顔になったのはここだけの話し。
【完】
番外編読みたいです、とのお声がありがたい事に頂けたので。遅くなってしまいましたが、書かさせて頂きました!
誹謗中傷お断りしております
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
夕陽は目が覚めて早々、床に土下座して深々と頭を下げた。
2人でベッドに寝たまま、夕陽が起きるのを待っていたし。1番最初に彼へ伝えたい想いがあったから、彼を起こさず寝顔の夕陽を眺めていた。
いつもは俺より早起きで、ましてや夕陽の寝顔なんて中々拝めない。
ちょっとしたレア感に呆けていたからか、
長いまつ毛が震え、ゆっくりと澄んだ瞳が俺を映した時。
言いたかった言葉を直ぐに発せなかった。
その後の反応は早く、
夕陽は転げるようにベッドから落ち、俺に謝罪した。
人として最低な事をした。ごめん。
何度も何度も震える声音で告げられて、
真っ先に伝えたかった想いを飲み込んだ。
『夕陽はさ後悔してるの?』
「…あーちゃん。」
『俺を抱いて後悔、してる?』
俺は嬉しかったよ。お前と…繋がれて、
そう言いたいのに、言葉にするのが怖い。
もし告白して、
流されたら?
だって夕陽はきっと後悔している。男を抱いた事に。
だから何度も謝ってくるんじゃないのか…
責任が取れないから、
世間体があるから、
だから…何度もごめんって言うんだろ?
「してない…。してないよ。でも、ごめん」
『何に対しての謝罪だよ』
イライラする。やっと、自分の本当の気持ちに気付けたのに、
夕陽が謝るたびに…
昨日の出来事が無かった事にされそうで
「そんなの決まってるだろ!?…あーちゃんの気持ちを無視して、あんな事」
『……え?』
思わず聞き返したのは無理もない。
予想外な言葉が夕陽の口から発せられたからだ
つまり夕陽は…男を抱いた事に後悔していた訳ではなく。俺の気持ちを無視して性行為してしまった事に対して…謝っている?
え、…俺、勝手にはやとちり…した、っぽい?
その答えに行き着いた俺の顔は、真っ赤に染まり
アホヅラを晒す。
そんな俺に気付いたのか、夕陽は俺を見遣る。その瞳には俺を心配しているのが伺えた
「あー…ちゃん?顔が赤いけど熱があるんじゃ、」
『よく聞け』
「あ、は、はい」
『俺、淳は夕陽をあい、あ、…あい、し、て…ま、す』
俺に手を伸ばしかけた夕陽は、俺の低い『よく聞け』という声で、手を下ろす
何故か死刑宣告をされる囚人、みたいな顔をしていたが
勇気を振り絞った俺の告白を聞き…
「……え」
フリーズしていた。
数秒後、茹蛸のように真っ赤な顔になったのはここだけの話し。
【完】
番外編読みたいです、とのお声がありがたい事に頂けたので。遅くなってしまいましたが、書かさせて頂きました!
誹謗中傷お断りしております
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
応援ありがとうございます!
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みんなの感想(2件)
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はじめまして𓈒𓏸︎︎︎︎
ハッピーエンドの短編がとっても大好きなのですが、こちらも素敵な恋愛模様が見られてとても幸せな気持ちになりました(*´`)
やっぱり幼なじみ→恋人、攻めの溺愛めちゃくちゃ良いです( ߹꒳߹ )
番外編でくっつく模様も見られて嬉しかったです(*¨*)
2人の幸せな未来が目に見えて幸せです…!
作者様の他作品も拝見しており、ただいま連載されているものもとても楽しみに拝読しております𓈒𓏸︎︎︎︎
更新楽しみにしておりますが、作者様のお身体が1番大切ですのでどうかお身体ご自愛ください。
素敵な作品をありがとうございました(*ᴗˬᴗ)
コメントありがとうございます!!
正直幼馴染ものは書くのが苦手なんです。
だから、上手に2人の関係を文で表現出来ているのか不安でした。
優しいコメントに救われます。
他の作品も読んでくださりありがとうございます。少しでもほっこり、心が温まる作品に出会えます様に。
面白かったです!
番外編とかも読んでみたいです⭐️
コメントありがとうございますT^T
番外編ですか…考えてみますね!!!