皇国の栄光

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帝国軍の行く末と海軍大臣の要望

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「石原くん。何もこんな朝早くに官邸に押しかけることも無いだろうに。」
犬養は恨めしそうにこぼす。
時刻は4時だ。
「私1人ではどうすることも出来ないので、総理のお力をお借りしたかったので参った次第です。」
「私の寝る時間くらいくれてもいいだろうに...それで?そのどうする事も出来ない事とはなんだね?世界最終戦争論を書いた君に言わせるのだから相当なものだろう?」
「私個人が言ったところで変わらないと言うべきでしょうか。ずばり、帝国軍の研究、生産及び戦術の抜本的な改革についてです。」
犬養は目を細める。
「ほう。具体的には?」
そこで石原はある資料を手渡す。
「これは?」
「先月に行われら海軍の模擬開戦も報告書です。そこに面白いことが書いてあります。」
犬養は資料に目を通した。
そこに書かれていたのは驚くべき結果だった。
【96式陸上攻撃機総勢60機の猛攻により戦艦陸奥と長門を撃沈。他の随伴艦も多大な損害を負う。】
「これは...航空機が戦艦を撃沈させる能力があるということか?」
「おそらく。陸攻側の損害も9機と軽微でした。」
「なるほど...君が言いたいのは海軍の空軍化か?」
「そこまでは言いません。海軍は艦隊決戦以外にも上陸支援なども行いますから大口径の砲はある程度必要でしょう。ですが限りなく航空機に重きを置いた艦隊を作れば最初の内は敵を一方的に叩けるでしょう。そして敵がこちらと同じような艦隊でもって我が艦隊と交戦するとすれば、運用経験の違いから我が軍が有利な形で推移していくでしょう。また陸軍に置いても敵の野戦軍と高度な要塞群に対しても爆撃ができ、その後を戦車が追随することで敵の早期降伏が実現します。」
犬養は不敵に笑った。
「陸海両方の大臣に同じことを言われたら私もそう動かざるをえないではないか。やはり君たちを推薦してよかった。よろしい。内閣で議論した後、議会で諮ることになる。その時は君たちにも発言してもらうぞ。」
「ありがとうございます!」
石原は犬養が部屋から出ていくのを見送ったあと 、彼は海軍大臣が自分と同じ考えを持っていることに驚きはしなかった。
山本五十六。
航空主兵主義を最初に唱えた海軍軍人。
石原はこの人とならやって行けるかもしれないと思いながらほくそ笑んだ。


山本は昔の乗艦である赤城の甲板上に居た。
今日も訓練が行われており、航空機が編隊をなして飛んでいた。
すると編隊が着艦してくる。
艦上構造物や海面に激突した機は1機も出なかった。
そして山本は本日のお目当ての人物を見つけ、声をかける。
「おい。源田。」
「山本大臣!」
源田実。
彼は山本とともに航空主兵主義を唱えた数少ない軍人だ。
「少し話がある。」
そう言って山本は食堂に呼び出し。
「まあ座れ。実はな。君は知らないだろうが、内閣で航空機と戦車の開発を重視することが決定されたんだ。」
「本当ですか!?」
源田は興奮して席を立つ。
「まあ落ち着け。近々議会でも承認が得られるだろう。そうなれば大砲屋の連中も航空機に対する意識を変えざるをえないだろう。」
「その通りです。ですがなぜこの話を私に?」
山本はニヤリと笑った。
「それはだな。君に海軍航空兵の育成を頼みたいから。どうだ?やってくれるか?」
源田は少し考えて言った。
「そのような職につけるのはありがたいですが、私は前線で敵艦を撃沈したいのです。」
「ならば戦時は元の位に戻す。これならば問題無いだろう?」
源田は山本は折れることは無いだろうと思った。
「わかりました。やらせてください。」
この1週間後、源田は海軍航空総監に就任し航空兵の育成に取り組んで行った。
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