皇国の栄光

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イエスかノーか

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12月8日午後12時。
中華民国の蒋介石大総統はこの機会を好機とみて香港などの返還を英仏に対して要求。
英国はこれを拒否し、中華民国は連合国に宣戦布告。
英領インド、仏領インドシナに日本軍と共に攻勢を開始した。
そして香港では熾烈な戦いが繰り広げられていた。
「総督!我々は完全に九龍半島から締め出され、香港島でも中国人による暴動がおこり、飲み水の供給が絶たれました!」
マルトビイ少将が報告する。
「要塞戦はどうした!あそこには堅牢な要塞が築かれていたはずだ!」
ヤング総督は思わず叫ぶ。
「日本軍の爆撃により要塞戦が一時的に機能不全になったところに、日本軍と中国軍が流れ込んできて為すすべなく撤退しました!」
「まあいい!なんとしてでも香港島だけは守るんだ!中国人暴動者は射殺しても構わん!時間さえ稼げば東洋艦隊が来てくれる!」
そう言った瞬間、けたたましい銃声が聞こえた。
「何事だ!」
「日本軍が海を渡ってきました!」
ヤングとマルトビイは凍り付いた。
「すでに守備隊は壊滅しています!総督、ご決断を!」
「…君、白旗を用意してくれ。私が交渉に行ってくる。」
その後、ペニンシュラホテルにて降伏交渉が行われ香港での英国支配は終焉した。
街頭では日本軍と中国軍がパレードを行っており中国人たちは歓喜の声で迎えた。
この日は赤いクリスマスと呼ばれ、香港の人々の心に深く刻み込まれた。
またこの戦いでイギリス、カナダ、インド人合計11000人の捕虜を得たが、イギリス、カナダ人は中国に任せインド人兵士は日本陸軍がある作戦のために引き取った。


コタバルに上陸した日本軍機甲師団は97式系爆撃機の支援を受けながら前進。
橋と線路の確保を最優先とし、破壊されていた場合は早急に復旧していた。
マレー半島はゴムの大生産地であり、山下からの提案により銀輪部隊と戦車部隊が並走しながら各都市を攻略。
年明けにはすでにシンガポール島の目と鼻の先に進出していた。
ここで英軍航空隊が残存機をかき集め反撃を開始した。
これに対して日本軍は加藤建夫率いる飛行第64戦隊を出撃させた。
「隊長!下方に敵機です!数はおよそ80ほど。」
「来たか。では各機戦闘態勢に入れ。新型の初陣を花々しくかざろうじゃないか。」
加藤はそういうと自身の「疾風」を下降させていった。
英軍の戦闘機は2線級のバッファローがほとんどであり速度、機動性共に疾風に負けていた。
次々に火がついていく英軍航空隊。
後ろについても速度の違いから振り払われ逆に後ろにつかれ落とされていくものもいた。
気づけばあれほどいた敵機はわずか12機ほどになっておりマレー半島航空戦は日本軍の勝利で幕を閉じた。

山下はシンガポール要塞に手こずっていた。
「…やはり重砲隊が到着するのを待つしかないか。」
山下はつぶやく。
「足が速すぎるというのも問題ですね。こればっかりは万全な状態の方がよいかと。無理な突撃は愚将のすることですからね。」
西住もそう同意する。
「なら今のうち兵の気力を養っておくか。」
山下はそう言った時、指令室に通信兵が入ってきた。
「将軍。航空隊が明日から要塞に攻撃を開始するそうです。そこで我々に同時攻撃を要請してきています。」
「航空隊の支援といっても要塞に何らかの損害を与えられるとは思わんのだが…。」
そう山下が言うと通信兵は補足を入れた。
「どうやら重爆もこの作戦に投入するそうです。」
すると山下の目が変わった。
「そうならばなんとかなる。西住、部隊長を集めてくれ。作戦会議だ。」
「分かりました。」
その翌日、陸空から立体的な攻撃が東洋のジブラルタルに襲い掛かった。


「司令官、まずいことになりました。水が絶たれました。」
副官からのその言葉にパーシバルはやはりかという顔で聞き返した。
「それで、余剰分は?」
「丸一日分です。これでは到底抵抗できません。」
パーシバルは暗い顔で長い間考えた後、意を決したように山下のいる司令部に副官たちを伴って向かった。


「この度は交渉の席を設けていただきありがとうございます。」
通訳からたどたどしい日本語が山下の耳に届く。
「こちらこそ。では早速本題へ。貴軍は降伏の意志はあるか?」
その言葉を通訳越しに聞いたパーシバルは少し言い淀んだ。
山下は通訳が伝えた内容が分かりにくいのではないかと考えた。
「イエスかノーか。そのどちらかで答えていただきたい。」
パーシバルはトラのように鋭い眼光とクマのように大きい体に圧倒され、答えるしかなかった。
「…イエス。」
これによりマレー半島は日本の軍政下におかれ、2月中旬にはインドシナ半島でも牟田口廉也の活躍により制圧が完了した。
日本軍の次の狙いは宝石と黒い黄金地帯となった。
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