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陸軍の異端児
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朝鮮防衛についていた東条英機は苦慮していた。
「明らかに兵力が足りんな。何としてでも都市に敵を入れるのを防がねば。」
「山下将軍率いる戦車部隊や他の駐屯部隊も続々と集まっています。ですがそれまで防衛線を維持させるのが大変ですね。」
横にいた参謀の辻正信が言った。
「すでに近隣の都市には避難命令を出している。最悪でも市民が避難を完了させるまでは郊外で戦わなければならないか。」
「幸い、日ソ国境は山地が広がっているため守りに向いていますが物量には勝てません。」
「まあいい。ともかく遅滞戦を行う。」
「はっ!」
ソ連軍は昨年にドイツ軍の戦力を大きく削ったため、米国からの要請を受けて朝鮮に侵攻した。
中華民国に対しては宣戦布告は行わず、また日本も戦線の長大化や、共産主義者の再蜂起を懸念し中華民国の戦争参加を許さなかった。
「前進!」
金成柱がそう命令する。
彼は延安攻撃の際にソ連に毛沢東と共に逃れており、スターリンから朝鮮民族の解放の使命を帯びていた。
日本軍は山から攻撃を繰り返し必死に防衛しようとした。
だが、ここを活動の拠点にしていたこともあり金はやすやすと日本軍を撃破していた。
そして東条が本部を置く、平壌に攻撃に兵を進めた。
「司令官!すでにソ連軍がすぐそこまで来ています!どうか撤退を。」
「それはならん。帝国軍人は最期まで戦い抜くものだ。」
その東条の言葉に辻は感銘を受けた。
「なら、私もご一緒したします。」
そう話していると2人の男が入ってきた。
「まとまったところ悪いですが、お久しぶりです。東条閣下。」
「…まさか大臣が前線に出てくるとはな。」
東条は呆れたような、そして当然のような顔をしていた。
「安藤。敵の規模は?」
「およそ40万です。中には戦車も混じっています。」
「なるほど。では野砲と航空隊を集中させて崩れたところに戦車部隊を突っ込ませろ。」
「分かりました。」
東条はただただ感嘆していた。
あの異端児と意気投合している軍人がいたとは思ってもいなかった。
5月5日。
再配置が完了した日本軍は反抗作戦を開始した。
それはまるでドイツの電撃戦のようだった。
「日本軍、来ます!」
「逃げるぞ!」
金はそう言うしかできなかった。
どんどん倒れていく兵士達。
必死に足を前に進めたその時、地面がくぼみ金は落ちた。
「くそ!」
彼は必死に這い上がろうとするが高くて上がれなかった。
やがて日本軍が銃を突き付けてきた。
金には両手を挙げることしかできなかった。
5月8日には戦線は補給状態が悪いのも影響し、崩壊状態となり各地で部隊が包囲されていた。
樺太でも進撃に成功。
ここで犬養はソ連に停戦交渉を要請。
このままでは2正面作戦になることを危惧したスターリンがそれに同意して二度目の国境紛争も日本の勝利となった。
これにより、日本は北樺太とウラジオストクを獲得した。
今回は賠償金については不問となった。
捕虜についてはソ連兵は返還し、朝鮮人は再教育のために東京に送られた。
東京に送られる直前、金は日本軍指令室に呼ばれていた。
「連れてきました。」
「ご苦労。」
そこにいたのはあの石原莞爾だった。
「君が金成柱か。」
「そうだ。それがどうした?」
金は低い声で言う。
「では単刀直入に聞こう。君はなぜソ連軍に参加した?」
「決まってる。朝鮮人民を日帝の魔の手から解放するためだ。」
そう金がいうと石原は嬉しそうな顔をした。
「そうか。君は民族のために立ち上がったのだな。それならあの要請は拒否しよう。」
「なんの話だ?」
金が怪訝そうに尋ねる。
「スターリンから直々怒気をはらんだ電話が来てね、他の朝鮮人ではなく君の身柄を一刻も早く引き渡せと言ってきた。君がどんな人物か見てから判断しよう考えたから君をここに呼んだ。」
金はここで気づいた。
スターリンは自分に敗北の責任を取らせて粛清する気だと、そして石原は自分を守ったのだと。
「あと、君を捕らえたあの落とし穴は現地の子供達が作ったものだ。敵軍をこさせまいと息巻いていたそうだ。」
金はまた気づいた。
朝鮮人民の魔の手は自分たちであったことに。
「君はおそらくすぐに再教育施設を出れる。そこで、どうだ?陸軍にこないか?朝鮮防衛軍が少し空きが多くてな。」
先日まで敵将であったものにそういわれて金は少し動揺した。
だがすぐに答えた。
「是非、お願いします。」
「あぁ。こちらこそ。」
金の目には先ほどまで消えていた闘志の炎が燃え始めていた。
「明らかに兵力が足りんな。何としてでも都市に敵を入れるのを防がねば。」
「山下将軍率いる戦車部隊や他の駐屯部隊も続々と集まっています。ですがそれまで防衛線を維持させるのが大変ですね。」
横にいた参謀の辻正信が言った。
「すでに近隣の都市には避難命令を出している。最悪でも市民が避難を完了させるまでは郊外で戦わなければならないか。」
「幸い、日ソ国境は山地が広がっているため守りに向いていますが物量には勝てません。」
「まあいい。ともかく遅滞戦を行う。」
「はっ!」
ソ連軍は昨年にドイツ軍の戦力を大きく削ったため、米国からの要請を受けて朝鮮に侵攻した。
中華民国に対しては宣戦布告は行わず、また日本も戦線の長大化や、共産主義者の再蜂起を懸念し中華民国の戦争参加を許さなかった。
「前進!」
金成柱がそう命令する。
彼は延安攻撃の際にソ連に毛沢東と共に逃れており、スターリンから朝鮮民族の解放の使命を帯びていた。
日本軍は山から攻撃を繰り返し必死に防衛しようとした。
だが、ここを活動の拠点にしていたこともあり金はやすやすと日本軍を撃破していた。
そして東条が本部を置く、平壌に攻撃に兵を進めた。
「司令官!すでにソ連軍がすぐそこまで来ています!どうか撤退を。」
「それはならん。帝国軍人は最期まで戦い抜くものだ。」
その東条の言葉に辻は感銘を受けた。
「なら、私もご一緒したします。」
そう話していると2人の男が入ってきた。
「まとまったところ悪いですが、お久しぶりです。東条閣下。」
「…まさか大臣が前線に出てくるとはな。」
東条は呆れたような、そして当然のような顔をしていた。
「安藤。敵の規模は?」
「およそ40万です。中には戦車も混じっています。」
「なるほど。では野砲と航空隊を集中させて崩れたところに戦車部隊を突っ込ませろ。」
「分かりました。」
東条はただただ感嘆していた。
あの異端児と意気投合している軍人がいたとは思ってもいなかった。
5月5日。
再配置が完了した日本軍は反抗作戦を開始した。
それはまるでドイツの電撃戦のようだった。
「日本軍、来ます!」
「逃げるぞ!」
金はそう言うしかできなかった。
どんどん倒れていく兵士達。
必死に足を前に進めたその時、地面がくぼみ金は落ちた。
「くそ!」
彼は必死に這い上がろうとするが高くて上がれなかった。
やがて日本軍が銃を突き付けてきた。
金には両手を挙げることしかできなかった。
5月8日には戦線は補給状態が悪いのも影響し、崩壊状態となり各地で部隊が包囲されていた。
樺太でも進撃に成功。
ここで犬養はソ連に停戦交渉を要請。
このままでは2正面作戦になることを危惧したスターリンがそれに同意して二度目の国境紛争も日本の勝利となった。
これにより、日本は北樺太とウラジオストクを獲得した。
今回は賠償金については不問となった。
捕虜についてはソ連兵は返還し、朝鮮人は再教育のために東京に送られた。
東京に送られる直前、金は日本軍指令室に呼ばれていた。
「連れてきました。」
「ご苦労。」
そこにいたのはあの石原莞爾だった。
「君が金成柱か。」
「そうだ。それがどうした?」
金は低い声で言う。
「では単刀直入に聞こう。君はなぜソ連軍に参加した?」
「決まってる。朝鮮人民を日帝の魔の手から解放するためだ。」
そう金がいうと石原は嬉しそうな顔をした。
「そうか。君は民族のために立ち上がったのだな。それならあの要請は拒否しよう。」
「なんの話だ?」
金が怪訝そうに尋ねる。
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金はここで気づいた。
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「あと、君を捕らえたあの落とし穴は現地の子供達が作ったものだ。敵軍をこさせまいと息巻いていたそうだ。」
金はまた気づいた。
朝鮮人民の魔の手は自分たちであったことに。
「君はおそらくすぐに再教育施設を出れる。そこで、どうだ?陸軍にこないか?朝鮮防衛軍が少し空きが多くてな。」
先日まで敵将であったものにそういわれて金は少し動揺した。
だがすぐに答えた。
「是非、お願いします。」
「あぁ。こちらこそ。」
金の目には先ほどまで消えていた闘志の炎が燃え始めていた。
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