信濃の大空

ypaaaaaaa

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支那戦線にて

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「どうやら、政府は支那を先に片づけたいようだな。」
畑俊六元帥の言葉に服部卓四郎も同意する。
「支那戦線が解決ないし縮小すれば太平洋の兵力不足の解消につながりますからね。」
「そうだな。さて、どのような作戦を行おうか。」
「やはり、まずは増強された兵力を用いて沿岸部にいる敵軍を殲滅を行うのが定石でしょうか。」
「それについては、海軍の方と連携することになった。」
「どういうことでしょう?」
服部は尋ねる。
「さきのマリアナ沖の海戦で搭乗員が著しく消耗したらしい。新米の実地訓練というわけだ。」
「確かに、支那戦線での制空権は我々が掌握しているので理にかなっていますね。」
そういうと服部は考え直す。
「だとすれば、少し兵力の余剰が生まれます。この兵力をどこにあてるか…。」
不意に扉が開く。
「では、私に指揮させてほしい。」
「石原中将!?なぜここに!」
服部は目を見開いた。
「やはり、私の居場所は前線しかないと思ってな。」
そう言うと石原は作戦図を指さし始める。
「まず、洛陽に機動戦力集中し南下します。これで武漢周辺の敵軍を包囲します。この殲滅は第6方面軍の岡村大将に指揮してもらいます。この時点で、敵軍にはすくなからず混乱が生じていると思われるため機動戦力は重慶に向けて進撃させます。」
石原が一通り話し終わると畑は難しい顔をした。
「洛陽からの南下で敵軍を包囲することは可能だろう。だが、そこから重慶への進撃は難しいと思うが?」
「なにも、重慶を落とさなくてもいいのです。」
「どういうことだ?」
畑は身を乗り出す。
「先日の一号作戦で米英ソは中華民国の戦力を疑問視しており、蒋介石の心も単独講和へ傾き始めています。そこに臨時首都たる重慶近郊に我々が進撃すれば、蒋介石の意志も砕けるでしょう。」
「なるほど。この作戦は、あくまで蒋介石の心を折ることが目標ということか。」
「その通りです。」
畑は即決した。
「では、君に戦車500両と騎兵6万、自転車4万を与える。これを用いて作戦を勝利に導け!」
「承知いたしました。また、この作戦では航空隊に大いに活躍してもらうことになります。できれば下山中将の第5航空軍に協力いただきたいのですが…。」
「それについては、私の方から言っておく。」
「ありがとうございます。では、私はこれで。」
石原が部屋を出ていった後、畑は独り言のように言った。
「やはり、彼は戦争の天才だな。」
「はい。間違いないかと。」
服部も同意するしかできなかった。
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