徳川泰平の秘密

ハリマオ65

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45話:リーマンショクと一美の挫折

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 埼玉に帰って来て、1ヶ月過ぎた、2008年9月15日、アメリカで2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングス が経営破綻した。「いわゆるリーマンショック」リーマン・ブラザーズは、負債総額約6千億ドル・約64兆円というアメリカ合衆国の歴史上、最大の企業倒産により、世界連鎖的な信用収縮による金融危機を招いた。

 リーマン・ブラザーズは、破綻の前日までアメリカ合衆国財務省や連邦準備制度理事会・FRBの仲介の下でHSBCや韓国産業銀行など、複数の金融機関と売却の交渉を行っていた。日本のメガバンク数行も参加したが、後の報道であまりに巨額で不透明な損失が見込まれるため、買収を見送ったと言われている。

 最終的に残ったのはバンク・オブ・アメリカ、メリルリンチ、バークレイズだったが、アメリカ合衆国連邦政府が公的資金の注入を拒否した事から交渉不調に終わった。日本は長引く不景気から、サブプライムローン関連債権などにはあまり手を出していなかったため、金融会社では大和生命保険が倒産したり農林中央金庫が大幅な評価損を被ったが、直接的な影響は軽微。

 しかし、リーマン・ショックを境に世界的な経済の冷え込みから消費の落ち込み、金融不安で各種通貨から急速なアメリカ合衆国ドルの下落が進み、アメリカ合衆国の経済への依存が強い輸出産業から大きなダメージで、結果的に日本経済の大幅な景気後退へも繋がっていった。2008年10月1日、突然、アメリカに住む、長女、一美から、日本に戻るとメールが入った。

 最初、仕事が、順調に成長して会社の資産も増えていた。しかし、同じ会社の社長が、バフェットさんをまねて、有望な会社に投資をしていて、サブプライムローンにも手を出して、大きな赤字を出してしまい、退職金なしで、会社を閉鎖することになり、会社の株券もただの紙切れになって、一美が、個人的に4年間で貯めた預金1千万円だけになり、日本に帰ってくると言うのだ。泰平は、了解したと、メールを返した。

 10月4日、埼玉の泰平の家に、帰って来て、一美は、今迄の仕事の事を話し、頑張ってきたと、雄弁に話していたが、母の志保さんが、抱きしめて、頭をなでてあげると、急に、泣き出して、大声で泣き続けた。多分、負けず嫌いの一美にとって、人生で、最初の挫折を感じて、自分の無力さに腹が立ったのだろう。

 やはり人生、理屈より感情の方が勝つ、そして成功したり失敗して一文無しになるのだと泰平も身にしみて感じた。やがて泣き止んだ、一美に、泰平が、俺も会社を早期退社したと告げた。その理由を話すと、やっと笑顔をもどして、お父さんも、失敗したんだと安心したように言った。

 人生って、勝ったり負けたり、だから、スリルがあり、努力するのじゃないかと言い含めると、そうだねと、以前の一美に戻って、両親は、安心した。そして泰平が俺がやってる、「肇の一歩」という会社の仕事をしないかと
言った。給料は、月12万円、最も、食費もアパート代金も無料だがねと言うと、みんなで大笑いした。

 すると一美が、両親に、お世話になります、一生懸命仕事をしますと言った。その後を採用した。泰平は、「肇の一歩」の事務局の衣川幸恵さんに、徳川一美を会わせて、仕事の分担を話し会って下さいとお願いし、仕事の仕方や、指導を宜しくおねがしますと衣川幸恵さんに言うと、わかりましたと答えてくれた。

 その後、泰平が、一美に、日本株投資を教えてあげるからと、SBI証券に口座を開く事と、自分でも、本を買って勉強しておきなさいと言い、投資資金として1千万円を一美の口座に振り込んだ。その頃、徳川泰平は、日本株で
大きく下げた所を買おうと、虎視眈々と狙っていた。すると、11月に入りソフトバンクが、大きく値を下げた。

 11月10日、ソフトバンク株を2350円で2万株を4700万円で買い注文を入れ、ちょうど同じタイミングで、一美に2350円で4千株買いを入れろ指示した。2008年11月11日2350円でソフトバンク株を買えた。そして、2009年となった。初詣でに出かけ、一美の立ち直りと、家族全員の健康をお願いして帰って来た。
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