Blue〜歪んだ愛と本当の愛〜

樺純

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18話

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テラside

私は部屋を出た2人に頭を下げてケイトに問いかけた。

T「ねぇ……ここは…どこ?さっきのカジノの部屋とは…違うよね?」

私の言葉を聞いてケイトは少し気まずそうな顔をすると、小さく深呼吸をして話し始めた。

K「テラさん…大切な話があります…」

T「大切な…話?」

K「そう…実は……」

T「うん…?」

K「ここは…俺の屋敷です。」

T「屋敷…?えぇ!?ここケイトの家なの!?すごっ!なにまさか、ケイトって御曹司なの!?」

K「御曹司っていうか…ぁ…あの…実は…俺……」

ケイトがそう何かを言いかけると、大きなノックの音と共に厳つい顔をしたタンクトップ姿でツインテールのお兄さんが部屋の中へと飛び込んできて、私は色んな意味で驚いて後退りをする。

「若頭!!お嬢を殴り連れ去ろうとした男の車の所有者がわかりました!!」

ツインテールを揺らしながら、タンクトップを筋肉に食い込ませて言った彼の言葉が私の頭をグルグルと回る。

T(わ…若頭…?)

は?若頭?

若頭…って…誰…?

お嬢って…お嬢って誰!?

って…ま…ま…まさか…お嬢って私!!!?

私がポカーンと口をあけてそう思っていると…

K「ププ…その車の所有者は…誰だ…」

え…この人こんな厳つい顔してププっていうの!?

名前が可愛すぎてちょっと意味わかんないんですが!?

一体、どこから突っ込んでいけばいいんだ!?

頭の中が混乱しパニックになっていると更に私をパニックにさせる名前が飛び出した。

P「若頭…所有者は…覇道組の若頭ムネオリです。」

K「やっぱり……あのナンバーに見覚えがあったんだよ……しばらくしたら集会場に行く。みんなを集めておけ。」

P「かしこまりました!!あ…お嬢…申し遅れました。若頭の命令によりお嬢の護衛となりますププと言います。よろぴくちゃんです。」

厳つい顔にツインテールをしたププさんはそう言うとケイトと私に勢いよく頭を下げて出て行った。

私はあわあわとする口元で必死にケイトに問いかける。

T「あ…あ…あの…お…お嬢って…」

K「ふふふwテラさんのことを言ってるみたいですねw」

T「そそそそそそっか…あああああとさ……わわわわわ……若頭って……」

私が微かに震える唇でそういうと、ケイトの表情が急に変わり申し訳なさそうな顔をして下唇を噛む。

K「…隠すつもりはなかったんですが…実は俺…天龍組の若頭なんです……」

T「わ…わ…若頭!?カジノのバイトなんじゃないの!?」

K「あれはうちの組が経営してるカジノです……」

T「え…ま…まって…バイトじゃ…なくて…経営…?え、じゃジニさん!!ジニさんは!?」

K「……ジニさんは俺の補佐というか…右腕なんです…。あの…テラさんにお願いがあるんですけど…。」

ケイトはそう言って私の方に座り直しギュッと両手で私の手を包み込んだ。

ケイトは天龍組の若頭で…

ジニさんが補佐?右腕?

マジか…

そんなのまさかすぎるし…

んなのことよりププは何者!?こんな濃ゆいキャラが私の護衛!?

K「テラさん、通り魔なら話は別だけど恐らく今回、テラさんが襲われたのは通り魔じゃない。計画的にテラさんを狙った犯行だと思う。だから、そいつがテラさんを狙った理由が分かるまで…ここに…俺のそばにいて欲しい。テラさんのこと守りたいんだ。テラさんを襲った男が乗り込んだ車は俺たちが敵対する覇道組若頭の………」

T「ムネオリの車……だったんだね……」

私がムネオリの名前を口にするとケイトは驚いた顔をしている。

K「覇道組の若頭と知り合い…なんですか…?」

T「うん……ムネオリは…私の元セ…いや友人…だよ。ムネオリが若頭だなんて…知らなかったし今はもう…ムネオリとは会ってないけど……」

私は初めてケイトに小さな…

いや、大きな嘘をついた。

つづく
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