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76話
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ケイトside
思わず目を覆いたくなるような眩しい光が目に差し込み、一体何が起きたのか分からなかった。
立っていたはずの俺は何故か空を見上げていてテラの家の庭で仰向けになって倒れている。
強い雨足が目を刺激し、眉をひそめながら上半身を起こすと中年の男性が俺の上に覆い被さっていた。
T「お父さん!?お父さん!!」
テラの泣き叫ぶ声を聞いて俺の上にいる人がテラのお父様なんだと分かった。
K「だ…大丈夫ですか!?」
T「お父さんしっかりして!!」
テラが泣きながらお父様の身体を揺らすと、お父様は呻き声をあげながら目を開けた。
父「う…動かすな…や…やった…腰をやってしまった…」
T「えぇ!?」
ふと、先ほどまで俺が立っていた場所を見たらそこの芝生が真っ黒に焦げていて俺はゾッとした。
K「あ…あのお父様!」
父「お前の父親になった覚えはない!」
K「ではなんとお呼びすれば…」
T「もう!ケイト!そんなこと言ってる場合じゃないから!早く中にお父さんを運んで!!」
俺はテラにそう言われて痛がるお父様を背中に背負い家の中にはいる。
父「誰が勝手に入っていいと言った!!あ…イタタ…」
俺の背中の中でそう叫び、痛がるお父様を背負ったままびしょ濡れで玄関で立ち尽くす俺。
母「もう、情け無い!ギックリ腰になって運んでもらってそんな偉そうなこと言わないの!ケイトさんごめなさいね…ほら、中に入って。」
お母様が俺とお父様を大きなバスタオルで拭きながら、俺たちは中に入り、俺はお父様をソファの上にゆっくりと下ろして、お父様は腰を庇うようにうつ伏せに横になりお母様が慣れたようにお父様にクッションを渡す。
そして俺はその横に正座をした。
母「日頃、運動もしないのにケイトさんが危ない!って言って飛び出すからそんな事になるんですよ。でも、良かったわ…あと少し遅かったら本当に雷に打たれてたわよ…」
やっぱり…お父様は俺を助けようとしてギックリ腰になってしまったんだ。
K「すいません…俺のせいで…」
父「もし、お前が雷に打たれたりでもしたら一生テラから恨まれるのはワシだからな。」
T「お父さんありがとう…命を張ってケイトのこと助けてくれたんだもん…結婚も許してくれるよね?」
父「それとこれとは話が!!!!アイタタ…」
K「絶対に幸せにします。後悔はさせません!お父様以上にテラさんを愛する自信が僕にはあります!なので…テラさんとの結婚を許してください…」
俺がそう言って頭を下げるとお父様は顔をソファの背もたれの方へ向けた。
T「お父さん!!お父さんってば!!」
父「……す…」
K「え?」
T「なんて?聞こえない!!」
父「許すと言っておるだろ!!何度も言わせるな!!」
お父様がそう叫んだと同時に不思議と雨はやみ、灰色だった空が青空に変わっていき雲の隙間から太陽の光が差し込んだ。
P「あ!虹だ!」
ププがそう叫ぶとベランダの窓からもハッキリと見えるほど綺麗な虹が見えていた。
そして、俺はびしょ濡れになったのでお父様の服に着替え、テラの部屋で何冊もあるアルバムの写真を見せてもらった。
生まれたてのテラの写真から現在までの記録がそこにはあり、テラはご両親から大切に愛されて宝物のように育ってきたんだな…と思ったらさらにテラのことが愛おしくてたまらなかった。
そして、2人で雨上がりの澄んだ空を見上げながら手を繋ぎ、テラの生まれ育った街を散歩した。
ヨナの実家や通った小中学校、お父様と一緒に遊んだ公園。
テラの思い出を聞かせてもらいながら俺とテラは手を繋いで歩く。
K「テラ…今度さ…」
T「ん?今度?」
K「ケントも連れてここに遊びに来ようか……」
俺がそう言うとテラは嬉しそうに微笑みながら頷いた。
つづく
思わず目を覆いたくなるような眩しい光が目に差し込み、一体何が起きたのか分からなかった。
立っていたはずの俺は何故か空を見上げていてテラの家の庭で仰向けになって倒れている。
強い雨足が目を刺激し、眉をひそめながら上半身を起こすと中年の男性が俺の上に覆い被さっていた。
T「お父さん!?お父さん!!」
テラの泣き叫ぶ声を聞いて俺の上にいる人がテラのお父様なんだと分かった。
K「だ…大丈夫ですか!?」
T「お父さんしっかりして!!」
テラが泣きながらお父様の身体を揺らすと、お父様は呻き声をあげながら目を開けた。
父「う…動かすな…や…やった…腰をやってしまった…」
T「えぇ!?」
ふと、先ほどまで俺が立っていた場所を見たらそこの芝生が真っ黒に焦げていて俺はゾッとした。
K「あ…あのお父様!」
父「お前の父親になった覚えはない!」
K「ではなんとお呼びすれば…」
T「もう!ケイト!そんなこと言ってる場合じゃないから!早く中にお父さんを運んで!!」
俺はテラにそう言われて痛がるお父様を背中に背負い家の中にはいる。
父「誰が勝手に入っていいと言った!!あ…イタタ…」
俺の背中の中でそう叫び、痛がるお父様を背負ったままびしょ濡れで玄関で立ち尽くす俺。
母「もう、情け無い!ギックリ腰になって運んでもらってそんな偉そうなこと言わないの!ケイトさんごめなさいね…ほら、中に入って。」
お母様が俺とお父様を大きなバスタオルで拭きながら、俺たちは中に入り、俺はお父様をソファの上にゆっくりと下ろして、お父様は腰を庇うようにうつ伏せに横になりお母様が慣れたようにお父様にクッションを渡す。
そして俺はその横に正座をした。
母「日頃、運動もしないのにケイトさんが危ない!って言って飛び出すからそんな事になるんですよ。でも、良かったわ…あと少し遅かったら本当に雷に打たれてたわよ…」
やっぱり…お父様は俺を助けようとしてギックリ腰になってしまったんだ。
K「すいません…俺のせいで…」
父「もし、お前が雷に打たれたりでもしたら一生テラから恨まれるのはワシだからな。」
T「お父さんありがとう…命を張ってケイトのこと助けてくれたんだもん…結婚も許してくれるよね?」
父「それとこれとは話が!!!!アイタタ…」
K「絶対に幸せにします。後悔はさせません!お父様以上にテラさんを愛する自信が僕にはあります!なので…テラさんとの結婚を許してください…」
俺がそう言って頭を下げるとお父様は顔をソファの背もたれの方へ向けた。
T「お父さん!!お父さんってば!!」
父「……す…」
K「え?」
T「なんて?聞こえない!!」
父「許すと言っておるだろ!!何度も言わせるな!!」
お父様がそう叫んだと同時に不思議と雨はやみ、灰色だった空が青空に変わっていき雲の隙間から太陽の光が差し込んだ。
P「あ!虹だ!」
ププがそう叫ぶとベランダの窓からもハッキリと見えるほど綺麗な虹が見えていた。
そして、俺はびしょ濡れになったのでお父様の服に着替え、テラの部屋で何冊もあるアルバムの写真を見せてもらった。
生まれたてのテラの写真から現在までの記録がそこにはあり、テラはご両親から大切に愛されて宝物のように育ってきたんだな…と思ったらさらにテラのことが愛おしくてたまらなかった。
そして、2人で雨上がりの澄んだ空を見上げながら手を繋ぎ、テラの生まれ育った街を散歩した。
ヨナの実家や通った小中学校、お父様と一緒に遊んだ公園。
テラの思い出を聞かせてもらいながら俺とテラは手を繋いで歩く。
K「テラ…今度さ…」
T「ん?今度?」
K「ケントも連れてここに遊びに来ようか……」
俺がそう言うとテラは嬉しそうに微笑みながら頷いた。
つづく
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