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77話
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ケイトside
それから俺たちは屋敷に戻るとすぐに入籍をし、正式にテラは俺の妻となった。
ソフィアは今も実家には戻らず、1人で子育てをしているが一つ変わったのは、いつの間にかテラと仲良くなっていてププと3人で買い物をしたりするほどの仲となっていた。
ソフィアは赤ん坊の服を…テラはこれから迎えるケントの服を選び、2人で楽しそうに買い物をしていると、ソフィアの赤ん坊を抱いたププからテレビ電話で報告を受けた。
ちなみにププは2人の買い物を待っている間、2回ほど職務質問をされたらしい。
そりゃそうだろう…ツインテールにタンクトップ姿のゴリ顔の男がベビーカー片手に赤ん坊を抱いてるんだから職務質問だけで終わった事が奇跡に近いんだよ。
俺たちはケントを迎えるための準備も順調に進んでいて俺はそれと同時にまた、ある計画を立てている。
それはさすがにテラに内緒のサプライズ…という訳にもいかないのでちゃんと相談して決めてテラの意見を沢山盛り込んだ。
きっと、ケントも喜んでくれるだろうと話し合っている俺たちの顔が1番楽しそうだ。
そして、ようやく…その時は来た…
4ヶ月後
俺たちは妊活を初めて4ヶ月が過ぎた。
まだ子供には恵まれてないが、まだまだ始まったばかりでテラにストレスが掛からないよう、焦らず頑張ろうと夫婦で誓った。
そして、俺たちはついに大切な日を迎える。
園まで俺とテラは手を繋いで歩いていく。
K「もうこうやって2人で手を繋いで歩くことも少なくなるんだろな……」
T「んふふ。寂しい?」
K「いや、うーん。寂しいちゃ寂しい…テラの右手は俺のなのにケントのモノになっちゃうし。」
俺がそう言ってテラの右手の甲にチュウとキスをするとテラは嬉しそうにへへへと笑う。
園の前に着くとテラは足を止めて下を向く。
T「なんか変な感じする……」
K「そうだね…今日から俺たちはケントの親…になるんだから。」
俺がそう言うとテラの手は微かに震えていて、俺は優しく微笑みながらギュッと握るといつもとは違う気分で園の中に入った。
ケントはずっと待っていたのか俺たちの元に駆け寄り、テラもしゃがみ込んでギュッとケントを抱きしめる。
「テラちゃん…あいたかった~」
T「私も会いたかったよ…今日から毎日一緒だね。」
「うん!!」
K「ケント…今日から俺たちは家族だよ。」
俺はケントの頭を撫でると、ケントは幸せそうに笑いテラの目には涙が滲んでいた。
3人で手を繋ぎ園を出てゆっくりと歩く。
俺とテラの間にはケントがいて、ケントは俺たちの顔を笑いながら交互に見ては俺達の手にぶら下がって遊んでいる。
ケントと初めて会った時…
ケントが描いたあの絵はもしかしたら、こういう事をしたいという願望があらわれた絵だったのかもしれない。
その絵にいる子供は悲しそうな顔をしていたが今、目の前にいるケントは幸せそうな顔をしていてその顔は俺たちまで幸せにしてくれる。
そして、2人を俺は出来上がったばかりのあの場所に連れて行く。
K「入るよ~」
T「わぁ~すご~い!!!!!」
「めちゃくちゃカッコいい~!!!!」
テラとケントは手を繋いでキャッキャしながら庭を駆け回っている。
K「気に入ってくれて良かったよ。」
T「泣いちゃう…。」
そう俺が自慢気に見せているのは屋敷から少し離れた所にある別宅。
淡いブルーと落ち着いた薄ピンクを基調とし、俺がこだわってこだわり抜いた外観にリホームをした。
妊活とケントとの時間を大切にするため、店の経営をヨナに譲ったテラは今日からフリーになる。
そんなテラのために一階ではテラが子どもたちや地域の人たちにケーキ教室が出来るように設計し作り直した。
俺がこの家をリホームしここに住もうと決めたもうひとつの理由はケントだった。
俺は組の中で周りとは明らかに違う環境で生まれ育った。
その中で俺は周りとのギャップを感じた事もあったし苦労したこともあった。
だから、せめてケントにはその苦労をさせないようにと屋敷ではなく3人でこの家に暮らすことを決めた。
「お庭もすんごいおっきぃ~!!」
ケントは興奮しながらそう言ってウキウキとはしゃいでいる。
K「お庭で沢山遊べるな?」
「うん!!!!」
ケントはそう言って庭を駆け回り、嬉しそうにテラに手を振っている。
そして、中で待っていたププが白のポメラニアンを抱いてケントに近くづくとケントは嬉しいそうに抱きしめた。
T「フワリも家族に迎えてよかったね…」
あの日
俺がプロポーズしたその足で俺とテラはソウさんの店を訪れフワリを引き取った。
初対面したソウさんは何故か俺を頭のてっぺんから爪先まで何度も見て難しい顔をしていた。
そして、俺はその顔を見て悟った。
この人も密かにテラを狙っていたんだな…と。
しかし、ソウさんは心の広い方で話をしたらすぐに打ち解けて、今ではフワリを連れてソウさんのお店に2人でモーニングを食べに行くほどの仲となった。
テラはフワリと楽しそうに戯れるケントを愛おしそうに見つめている。
T「Blue→Hってね?みんなの苦痛や憂鬱が私のケーキを食べて、少しでも幸せな気持ちになったらいいなと思って店の名前にしたのね…」
K「うん……」
T「なのにいつも幸せをもらってたのは私の方だったんだ……私はお客様からもケンちゃんからもケイトからも…もらってばかり…いつも幸せにしてくれてありがとう……」
テラはそう言って俺の手を握ると俺の肩に頭を預ける。
K「そんなことないよ…俺を憂鬱な世界から救ってくれたのはテラ…キミだから。」
そう言って俺はテラの頬をそっと撫でると…
俺たちは甘くて蜜のような幸せの味がするキスをした。
そしてそれから10年後
ジニさんとヨナは結婚して8年目を迎え、5歳の息子がいて今、ヨナのお腹には2人目の子供がスクスクと育っている。
俺たちは家族になっても相変わらず色々とあったが、ケントが15歳になり俺への反抗が発症した年に俺とテラは待望の娘を授かった。
そして、相変わらずテラにデレデレな俺とマザコンでテラ命のケント…
そしてツインテールからワンレンボブへと髪型をチェンジし、さらに変質者度がアップしたププに見守られながら、テラは無事、元気な双子の女の子を出産し、俺たちは幸せな5人家族となった。
終わり
それから俺たちは屋敷に戻るとすぐに入籍をし、正式にテラは俺の妻となった。
ソフィアは今も実家には戻らず、1人で子育てをしているが一つ変わったのは、いつの間にかテラと仲良くなっていてププと3人で買い物をしたりするほどの仲となっていた。
ソフィアは赤ん坊の服を…テラはこれから迎えるケントの服を選び、2人で楽しそうに買い物をしていると、ソフィアの赤ん坊を抱いたププからテレビ電話で報告を受けた。
ちなみにププは2人の買い物を待っている間、2回ほど職務質問をされたらしい。
そりゃそうだろう…ツインテールにタンクトップ姿のゴリ顔の男がベビーカー片手に赤ん坊を抱いてるんだから職務質問だけで終わった事が奇跡に近いんだよ。
俺たちはケントを迎えるための準備も順調に進んでいて俺はそれと同時にまた、ある計画を立てている。
それはさすがにテラに内緒のサプライズ…という訳にもいかないのでちゃんと相談して決めてテラの意見を沢山盛り込んだ。
きっと、ケントも喜んでくれるだろうと話し合っている俺たちの顔が1番楽しそうだ。
そして、ようやく…その時は来た…
4ヶ月後
俺たちは妊活を初めて4ヶ月が過ぎた。
まだ子供には恵まれてないが、まだまだ始まったばかりでテラにストレスが掛からないよう、焦らず頑張ろうと夫婦で誓った。
そして、俺たちはついに大切な日を迎える。
園まで俺とテラは手を繋いで歩いていく。
K「もうこうやって2人で手を繋いで歩くことも少なくなるんだろな……」
T「んふふ。寂しい?」
K「いや、うーん。寂しいちゃ寂しい…テラの右手は俺のなのにケントのモノになっちゃうし。」
俺がそう言ってテラの右手の甲にチュウとキスをするとテラは嬉しそうにへへへと笑う。
園の前に着くとテラは足を止めて下を向く。
T「なんか変な感じする……」
K「そうだね…今日から俺たちはケントの親…になるんだから。」
俺がそう言うとテラの手は微かに震えていて、俺は優しく微笑みながらギュッと握るといつもとは違う気分で園の中に入った。
ケントはずっと待っていたのか俺たちの元に駆け寄り、テラもしゃがみ込んでギュッとケントを抱きしめる。
「テラちゃん…あいたかった~」
T「私も会いたかったよ…今日から毎日一緒だね。」
「うん!!」
K「ケント…今日から俺たちは家族だよ。」
俺はケントの頭を撫でると、ケントは幸せそうに笑いテラの目には涙が滲んでいた。
3人で手を繋ぎ園を出てゆっくりと歩く。
俺とテラの間にはケントがいて、ケントは俺たちの顔を笑いながら交互に見ては俺達の手にぶら下がって遊んでいる。
ケントと初めて会った時…
ケントが描いたあの絵はもしかしたら、こういう事をしたいという願望があらわれた絵だったのかもしれない。
その絵にいる子供は悲しそうな顔をしていたが今、目の前にいるケントは幸せそうな顔をしていてその顔は俺たちまで幸せにしてくれる。
そして、2人を俺は出来上がったばかりのあの場所に連れて行く。
K「入るよ~」
T「わぁ~すご~い!!!!!」
「めちゃくちゃカッコいい~!!!!」
テラとケントは手を繋いでキャッキャしながら庭を駆け回っている。
K「気に入ってくれて良かったよ。」
T「泣いちゃう…。」
そう俺が自慢気に見せているのは屋敷から少し離れた所にある別宅。
淡いブルーと落ち着いた薄ピンクを基調とし、俺がこだわってこだわり抜いた外観にリホームをした。
妊活とケントとの時間を大切にするため、店の経営をヨナに譲ったテラは今日からフリーになる。
そんなテラのために一階ではテラが子どもたちや地域の人たちにケーキ教室が出来るように設計し作り直した。
俺がこの家をリホームしここに住もうと決めたもうひとつの理由はケントだった。
俺は組の中で周りとは明らかに違う環境で生まれ育った。
その中で俺は周りとのギャップを感じた事もあったし苦労したこともあった。
だから、せめてケントにはその苦労をさせないようにと屋敷ではなく3人でこの家に暮らすことを決めた。
「お庭もすんごいおっきぃ~!!」
ケントは興奮しながらそう言ってウキウキとはしゃいでいる。
K「お庭で沢山遊べるな?」
「うん!!!!」
ケントはそう言って庭を駆け回り、嬉しそうにテラに手を振っている。
そして、中で待っていたププが白のポメラニアンを抱いてケントに近くづくとケントは嬉しいそうに抱きしめた。
T「フワリも家族に迎えてよかったね…」
あの日
俺がプロポーズしたその足で俺とテラはソウさんの店を訪れフワリを引き取った。
初対面したソウさんは何故か俺を頭のてっぺんから爪先まで何度も見て難しい顔をしていた。
そして、俺はその顔を見て悟った。
この人も密かにテラを狙っていたんだな…と。
しかし、ソウさんは心の広い方で話をしたらすぐに打ち解けて、今ではフワリを連れてソウさんのお店に2人でモーニングを食べに行くほどの仲となった。
テラはフワリと楽しそうに戯れるケントを愛おしそうに見つめている。
T「Blue→Hってね?みんなの苦痛や憂鬱が私のケーキを食べて、少しでも幸せな気持ちになったらいいなと思って店の名前にしたのね…」
K「うん……」
T「なのにいつも幸せをもらってたのは私の方だったんだ……私はお客様からもケンちゃんからもケイトからも…もらってばかり…いつも幸せにしてくれてありがとう……」
テラはそう言って俺の手を握ると俺の肩に頭を預ける。
K「そんなことないよ…俺を憂鬱な世界から救ってくれたのはテラ…キミだから。」
そう言って俺はテラの頬をそっと撫でると…
俺たちは甘くて蜜のような幸せの味がするキスをした。
そしてそれから10年後
ジニさんとヨナは結婚して8年目を迎え、5歳の息子がいて今、ヨナのお腹には2人目の子供がスクスクと育っている。
俺たちは家族になっても相変わらず色々とあったが、ケントが15歳になり俺への反抗が発症した年に俺とテラは待望の娘を授かった。
そして、相変わらずテラにデレデレな俺とマザコンでテラ命のケント…
そしてツインテールからワンレンボブへと髪型をチェンジし、さらに変質者度がアップしたププに見守られながら、テラは無事、元気な双子の女の子を出産し、俺たちは幸せな5人家族となった。
終わり
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