暴食の冒険者〜あ、もう少し魔力濃いめで〜

赤井水

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孤児から冒険者へ

7話小さな隣人の進化

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 ババアと職員達が慌てて孤児院に戻って来たのは5分後の事だった。

スラムを焼き払おうとしたアホ貴族が私兵50人による儀式魔法の火の玉だったらしい。

それを薙ぎ払いに出ていた所を狙われたらしい。

そしてララは今日1日俺から離れず仕方なく一緒に寝る事になったのであった。




『ね……ねぇ……起きろっ!ヴィン!』

「は?へ?」

寝ぼけ眼で起き上がるとそこに居たのは10cm位の少し大きな精霊達であった。

「でっかくなってね?」

そうすると精霊達は胸を張り、誇らしげにしている。

『隣に居るエルフの子のお陰で私達は中位精霊になれたのよ!』

ちょっとお転婆っぽい赤の精霊がドヤってる。

「へぇーおめでとさん。んでそれならララに言えばよくね?」

そこで思い出したかの様に慌てだした。

『そうなんだけどね……私達精霊が扱える子供は狙われやすいのよ……だから守ってあげてね?5大元素の精霊達に魔力を与え力を行使出来たこの子バラライカは【エレメントテイマー】になるの』

【エレメントテイマー】?

「【エレメントマスター】じゃないのか?」

『違うわっ、エレメントマスターは光と闇の精霊も契約しないとなれないわ。だからこの子はエレメントテイマーよ』

「へぇ、それで何で俺にそういえば魔力くれてたんだ?」

最初からずっと疑問だった事を話せる様になったらなら聞いてみたかったのだ。

『上位精霊様達に頼まれたのよ。精神と体と魂の結び付きが弱いから魔力を運んで上げてって。そしたらあなた最初から何か特殊なスキルを持ってるじゃない!底なし沼の様だったわ!』

あー絶対暴食の王のせいだな。

「そもそもその文句はポンコツ女神に言ってくれよ。5歳になったら記憶を取り戻すって言われてたのに。まさか5歳になったら魂と記憶が体に入るなんて予想出来るかって」

俺はそう言って苦笑いするしか無かった。

『創造神様をポンコツ女神だなんて……でも理由を聞くとあら不思議ね。納得出来ちゃうわ……』

精霊達も首を傾げ、苦笑いしている。

「そもそも最初の約束じゃ腹一杯飯が食える所に生まれる筈だったのに、魂無しの人形じゃ生まれても捨てられるのが道理だろうよ」

『まぁ、それ以上聞いてしまったら私達が次に創造神様に会う時にどんな顔をして良いか分からなくなってしまうから聞かないわ。
バラライカをよろしくね。私達も危機が迫れば今日の様に手助けはするけど
バラライカは精霊を見たり感じたりする人達にバレたら狙われてしまうから注意してね。
これから先は今はまだ話せる事をバラライカには秘密にするから念話でヴィンには話し掛けるからよろしくね!』

「おーわかったわ。あ、でもそれはララが俺の周りに居る限りは協力はするけど離れたらどうしようも無いぞ?」

赤の精霊はキョトンとした顔をして

『チューまでしといて離れる訳ないでしょこのスケコマシ!鈍感バカ男!精神年齢赤ん坊!』

「知るかっ!前世含めてまだ20超えてないわ数日前に目覚めたから実質13だっ!」

『はぁーそれでも多少分かるでしょうよ。はぁーまぁ良いわ出来ればバラライカに名前を着けて欲しいって言っといてね。じゃーおやすみ。貴方に精霊と創造神様の加護があります様に』

「おやすみ、精霊達のはありがたいけどポンコツ女神のはちょっと……」

最後は精霊達とゲラゲラ笑って俺は再び眠るのであった。




「おーきーてーヴィン君。ヴィン君ってば」

耳元でコソコソと声がする。

「んぅ、どーしたララ?」

「あしゃだよ……」

俺は起きると何でララが必死に起こそうとしてたのか理解出来た。
昨日寒くてしっかりとララを毛布に包んだ上で俺をがっちりくるまった結果。
ララが身動き取れなかったらしい。

「ふぁー悪い悪い。昨日寒かったからしララが暖かかったから毛布に包んじゃった」

にへらとララも笑い
「ううん、ララも暖かかったからご飯食べに行こ」

俺は布団を畳むとララに手を引かれ、食堂へと向かった。

そこにはババアと職員4人全員が集まっていた。

珍しいな……この孤児院では基本ババアともう1人誰かが常に居る。
ババアが居ない時は3人とガイが孤児院に来るって決まりがあったので
今ガイが外で訓練している筈だから全員集合している事になる。

「あら、ララちゃんヴィン君熱々ねぇ」

この声をかけて来たのはレニさんババアといつも居るもう1人の職員だ。

「うん!ララヴィン君と一緒!」

人見知りのララもレニさんには心を開いてる。

「何だい?クソガキ、モアの次はララかい?手が早いねぇ」

ニヤニヤしつつも酒焼けボイスのババアがからかい始める。

「昨日助けて貰ったお礼だよー」

俺もここは負けじと頑張る。

レニさんが俺とララの分のご飯を用意してくれた。
昨日は2人共魔力を使い過ぎた上に極限状態の精神的な疲れで爆睡してしまったので昨日の夕飯と今日の朝食分2食分出てきた。

2人で小さな声で「「いただきます」」と食べ始めると

「そういやヴィン、アンタ何で火の玉に気付いた?」

俺は首を傾げ、確かに誰も気付いてなかったなぁと思いつつ。

「昼寝してたら目が覚めて悪寒がした。外に出なきゃ死ぬと思った」

職員達が、少しザワザワしたがスキル?勘が良いのか?何て話してた。

「それで?その後は?」

俺達2人は昨日の口裏合わせ通りに
精霊達が助けてくれたと話した。
職員達が立ちあがりミーティングを終えて出て行く時に1人残って居たババアに話し掛けた。


「おい、ババア耳貸せ」

「なんだいクソガキ?」

このババアは凶暴なゴリラだが優しいし味方なのは間違いない。

「昨日精霊達はバラライカを助けてた様に見えた。それ系のスキルを獲得してる気を付けろ」

それを伝えるとまだララはパンを美味しそうに頬張っていた。

目を見開き俺を見つめてくるババア。

「本当だ、精霊達が狙われる事を危惧して大人びている俺の方に言ってきた。後俺はババアと見つめ合う趣味はねぇ」

ゴンッ

「痛てぇぇぇぇ」

「一言多いんだよクソガキ。だが理解したよ。アンタが普段は一緒に居な。何か危険があればなりふり構ってられなくなる可能性もあるからね」

危険が迫れば勝手に力を行使してしまい気付かれると言うあれだな。

「ただでさえ種族的にも狙われるからな」

そう言うと、ババアは腰のマジックバックから指輪を取り出した。

「認識阻害のリングだ。アンタがララに渡してあげな。ララやモアもそろそろ外に出たいだろうからね。使い方はララも分かってるから。これから外に出る頻度も増えるだろうから返さなくて良いと言っといてくれ」

そう言うとババアはニコニコ瓶を片手に外に行ってしまった。

「ララ、ババアが認識阻害のリング付けろって。俺とかモアちゃんの訓練次第で外に出る機会が増えるかもしれないからって」

そう言った時のララの表情は一瞬喜び、少し不安が混じっていた。

俺はそれを読み取り、ララの右手を掴み
人差し指に付けてやろうとしたら

「むっ!薬指!」

「へーへー」

女の子って何でこんなにませてるんだろうな。
要望通りに薬指に付けると喜んでいた。

魔力を通すと、耳が短くなり。
髪も緑が入っていた金から完全な金髪になるのであった。

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