13 / 24
孤児から冒険者へ
12話冒険者見習い始めます!
しおりを挟む
今日は遂に待ちに待った10歳の能力鑑定の日である。
偽装のスキルを貰ってから2年が経った。
精霊達に協力して貰ってスキルの有効範囲が他の人2人まで可能であると判明したので
俺はララのスキルを隠す事にした。
このスキルの有能さは女神がほぼお詫び状として贈ってきただけあってやば過ぎた。
なら鑑定もセットでくれよと思ったがそちらは自重しているし
まず前世の知識はあれどこの世界の知識はほぼ無いので俺は鑑定スキルの獲得を諦めたのであった。
この偽装スキルはスキルの隠匿特化になっており、鑑定結果を水晶で映した時にかけられた本人と鑑定をかけた人の見え方が変わる。
水晶持ったオッサンが入って来た。
神官服を着ている。
「初めまして、私は精霊教司祭のネクロですお2人の初めての鑑定を担わせて頂きます」
そう言うと机に2つの水晶を置き俺達2人に触れるように促した。
「それでは行きますよ『鑑定』」
目に魔力が集まるのがよく分かる。
『偽装対象に鑑定検知しました。鑑定をレジストし結果を偽装します』
そのスキルの効果発動後、水晶が光りホログラムの様に板が浮き出てきた。
「成功ですね。!?はぁぁなんだハーフか」
ララの肩が一瞬ピクリと跳ねたがそのまま鑑定結果をメモし始めた。
-------------------------------------------
名前:ヴィン 年齢:10
戦闘スキル
剣術3 体術4 魔力操作5 魔力干渉3
痛覚耐性4 魔力視 ※精霊眼
生活スキル
家事2 生活魔法4 調味料作成3 クラフト
※ユニークスキル
暴食の王 言語理解 アイテムボックス
偽装 精霊の友
-------------------------------------------
名前:バラライカ 年齢:10
戦闘スキル
弓術4 体術2 魔力操作3
※精霊眼
生活スキル
家事4 生活魔法4 クラフト
※ユニークスキル
エレメントテイマー
精霊の愛し子
※は偽装隠蔽中
-------------------------------------------
「ふむ、10歳位の発現スキルはクラフトですかな?初めて聞きますが……しかも2人同時とは」
そこは俺の出番だな。
「生産系のスキルです。木工、彫刻、料理の3種以上の生産系を学ぶと出現しました。俺とララは訓練も同じ量同じ内容をしていた為出たんだと思います」
顎を撫でつつも多分、真偽系統のスキルを使ってるんだろうか?
しかし、これは嘘では無いからな。
すると神官は興味を失った様で水晶を片付け始めてババアから金を貰って帰って行った。
俺達は今後の話をする為に待たされ5分位すると入口からレニさんが入って来た。
「カスは帰りましたぁ~。子供達にいやらしい目を向けているので本当に気持ち悪いですぅ」
おっふ、レニさんがこんな毒を吐くだなんて相当気持ち悪かったんだろうな……
『盗聴は大丈夫だけど孤児院の周りに人が4人見張ってるわ!』
サラやサン、シル等の動きの速い精霊達に孤児院の見回りを任せていたけど
やっぱり居るのか……
『わかったありがとう。乗り込んで来るようなら教えてくれ』
「はぁぁぁ……ババア」
「なんだいヴィン?そんな疲れた顔して」
あれ?こういう時ババアはかなり気を張ってるから気付いてるかと思ったが
「ふっ、ババアも鈍ったな」
その言葉でババアは窓の外に顔を向け「2人?いや3人か」とブツブツ呟いている。
俺もサラ達のおかげなのであまりデカい顔は出来ないが……
精霊の危機察知や敵意感知が鋭過ぎて俺のスキルに全く結びついて無いのが現状だ。
レニさんが慌てて飛び出して行った。
「ララか……あの神官はもう2度と踏み入れさせる訳にはいかないねぇ」
ババアの越しの背景が蜃気楼の様に揺らめいて見えるのは錯覚では無いのだろう……いやあの角だけは錯覚であって欲しい。
鬼や、オーガや。
「さて、ヴィンそれにララ。アンタ達精霊が見えるのに何で精霊眼が無いんだい?」
ララは咄嗟に口に手を当てて喋りませんアピールをした。かわゆい。
ババアはそんな俺の表情を見て呆れつつも俺に視線を向けた。
「あ?あぁ俺のスキルだよ。精霊達がララを心配してくれたんだ偽装スキルって言って鑑定結果を俺とララから見える内容と他の人が見える内容を偽装した。ララの発現スキルは精霊系統。俺はまた違うスキルを持ってるが話せない」
俺の目をじっと見つめ諦めた様にババアは息を吐いた。
「ララにはハーフエルフの印象をつける為に認識阻害のリングは解除して貰ったってところかい」
俺は頷いた。
神官が来ると聞いてからずっと考えていた対策だった。
俺にはあまり興味を持たないだろうとな。
「これから冒険者登録をするんだろう?まぁ、最初は見習いからスタートだからねぇ後5年の間に最高で銅ランクまで上がった子も居るからね。ケガだけに気を付けなね」
俺達2人は1週間前の訓練から俺が短剣、ララが弓の各々実戦に使える武器を貰っていたので準備して
冒険者ギルドへと向かうのであった。
◇
『レニがねバーンボーンってね、でね人が飛んでったのよー』
サラが興奮した様に俺に念話を送って来るが先程の外に居た連中はララが本当に精霊が見えないのか確認する為に見張っていた様だった。
あの孤児院の職員全員無茶苦茶強いんだよな……謎だ。
そんな中、先程から喋らないララに視線を向けると挙動不審だ。
俺はララの手を取ると、手が冷たかった。
「ひゃ、ヴィン君?」
俺は優しく声をかけた
「緊張してんのか?」
ララは少し涙目になりつつ頷いた。
「大丈夫だって、モアちゃんもパーティー組んで上手くやってるって言ってたし」
モアちゃんは俺達の2つ年上の為既に冒険者になっている。
この間ババアとお金の押し付け合いしてんの見て笑ったが。
最後はババアがゲンコツ落として
「銀ランク位になってから金は持ってきな」
と言っていたのが印象的だった。
銀と言えば、1人前と呼ばれ金以上はプロや1流と呼ばれるランクだ。
銀以上になる為には特殊な能力や特殊な武器と言った運も絡んでくる為。
運も1流冒険者の素養と呼ばれる。
俺達は盾の前に2本の剣が×印になっている看板の付いた建物の目の前に行き
スイングドアを開けて入ると、昼前だったので閑散としていた。
俺達は3つある受付の内の1つに行くと、ニコニコとした受付嬢のお姉さんが声をかけてきた。
「新規登録ですか?」
「「はい!」」
「では、こちらの用紙に名前と何が得意か任意で良いので書いてください。代筆が必要なら声をおかけください」
俺は、近接戦闘と書いて、ララは弓と魔法と書いてそれぞれ名前を書いて受付嬢に渡した。
「はい、ありがとうございます。私は今回担当になりますメリアです。何か困った事あったら声をかけてくださいね。ヴィン君とララちゃんね」
俺はえ?っと思って用紙を見るとバラライカでは無くてララと書いていた。
ララはニコニコとしていて優しそうなお姉さんで良かったと思っているのかな?
まぁ、偽名登録は大丈夫らしいけど二重登録は無理だから良いのか。
「それでお2人はパーティーを組んで活動するという事で良いですか?」
俺達は頷く。
「かしこまりました。但し、鉄ランクになるまでパーティーは仮登録になりますのでよろしくお願いします」
本登録になると解散時聴き取り調査等が必要になり面倒臭いらしい。
木ランクの見習いはだいたいが子供の為、少しの喧嘩でパーティー解散はあるあるなので仮登録になるらしい。
但し、犯罪行為は報告すれば深刻度合いにより報酬金は出るし
捕まる時だってある為注意しなければならない。
後はババアの所で冊子を何回も見ていたので説明は不要とした。
そして成人してから冒険者になった場合はランクアップに特に試験は無いが未成年の場合はランクアップに試験があるらしい。
大概は戦闘試験との事だった。
「はっ、またガキ共が来たのかよ毎年毎年鬱陶しいったらありゃしねーぜ」
お?テンプレか?
ララが俺に引っ付いて離れなくなっちゃった。
「ゴルバスさん!!貴方だって町がどんな状況か分かっているでしょう。この道しか無いから来てるんですよ!」
メリアさんがぷりぷり怒り始めた。
「わーってるよ。俺達大人が不甲斐ないせいでまた孤児を増やしてるのだって理解してんだよ。
おい、お前ら戦闘で行き詰まったら声をかけろよ。これでも銀ランクゴルバスだ。アドバイスは何時でもしてやるよ。後は忠告するぞ。
灰色のガキ、"誰も信じるな仲間と己以外は顔見知りでも敵と思え"金髪の嬢ちゃんを護りたいのならな」
あら?スキンヘッドの傷だらけのおっさんだけどめっちゃ良い人だった。
「ありがとう。大丈夫。ララに手を出すなら首が消える覚悟を持ってきて貰うから。無かったら体と頭がバイバイするだけだよ」
俺は本気でゴルバスさんに本音を伝えると
「お、おう、それだけの覚悟がありゃ大丈夫だ。見習いの連中はすぐにダンジョンに行こうとするがまずはじっくり雑用依頼や町の外での依頼の方が実入りも進行速度も早いぞ」
お?それはいい情報だ。
「ありがとうございます!」
後ろから声をかけられた。
「はい、ララちゃんヴィン君これランク証ね首から下げといてね。失くすと再発行にお金がかかるから気を付けてね」
「「ありがとうございます」」
俺達は依頼板の前に行くと……おっふまじか。
ララもポケっとしてしまっている。
低ランク用の依頼の殆どが雑用依頼と常設依頼なのだが……
雑用依頼売れ残り過ぎだろ、今がお昼前だから
「メリアさん。これ何件まで同時に受けれます?」
「同時に3件までよ!でも失敗すると罰金取るからね!」
俺が今悩んでいるのは
・古本屋の清掃
・精肉店脇のドブさらい
・荷物運び
これなら俺もララも生活魔法が使えるのですぐに終わると考えた訳だ。
ララも生活魔法の利点に気付いて余裕と思っているから荷物運び以外に指を差してる。
ララの耳元で
「荷物運びはアイテムボックスが使えるからそれを使おう」
そう言うと俺達は3枚の依頼用紙を、剥がし受付をするのであった。
偽装のスキルを貰ってから2年が経った。
精霊達に協力して貰ってスキルの有効範囲が他の人2人まで可能であると判明したので
俺はララのスキルを隠す事にした。
このスキルの有能さは女神がほぼお詫び状として贈ってきただけあってやば過ぎた。
なら鑑定もセットでくれよと思ったがそちらは自重しているし
まず前世の知識はあれどこの世界の知識はほぼ無いので俺は鑑定スキルの獲得を諦めたのであった。
この偽装スキルはスキルの隠匿特化になっており、鑑定結果を水晶で映した時にかけられた本人と鑑定をかけた人の見え方が変わる。
水晶持ったオッサンが入って来た。
神官服を着ている。
「初めまして、私は精霊教司祭のネクロですお2人の初めての鑑定を担わせて頂きます」
そう言うと机に2つの水晶を置き俺達2人に触れるように促した。
「それでは行きますよ『鑑定』」
目に魔力が集まるのがよく分かる。
『偽装対象に鑑定検知しました。鑑定をレジストし結果を偽装します』
そのスキルの効果発動後、水晶が光りホログラムの様に板が浮き出てきた。
「成功ですね。!?はぁぁなんだハーフか」
ララの肩が一瞬ピクリと跳ねたがそのまま鑑定結果をメモし始めた。
-------------------------------------------
名前:ヴィン 年齢:10
戦闘スキル
剣術3 体術4 魔力操作5 魔力干渉3
痛覚耐性4 魔力視 ※精霊眼
生活スキル
家事2 生活魔法4 調味料作成3 クラフト
※ユニークスキル
暴食の王 言語理解 アイテムボックス
偽装 精霊の友
-------------------------------------------
名前:バラライカ 年齢:10
戦闘スキル
弓術4 体術2 魔力操作3
※精霊眼
生活スキル
家事4 生活魔法4 クラフト
※ユニークスキル
エレメントテイマー
精霊の愛し子
※は偽装隠蔽中
-------------------------------------------
「ふむ、10歳位の発現スキルはクラフトですかな?初めて聞きますが……しかも2人同時とは」
そこは俺の出番だな。
「生産系のスキルです。木工、彫刻、料理の3種以上の生産系を学ぶと出現しました。俺とララは訓練も同じ量同じ内容をしていた為出たんだと思います」
顎を撫でつつも多分、真偽系統のスキルを使ってるんだろうか?
しかし、これは嘘では無いからな。
すると神官は興味を失った様で水晶を片付け始めてババアから金を貰って帰って行った。
俺達は今後の話をする為に待たされ5分位すると入口からレニさんが入って来た。
「カスは帰りましたぁ~。子供達にいやらしい目を向けているので本当に気持ち悪いですぅ」
おっふ、レニさんがこんな毒を吐くだなんて相当気持ち悪かったんだろうな……
『盗聴は大丈夫だけど孤児院の周りに人が4人見張ってるわ!』
サラやサン、シル等の動きの速い精霊達に孤児院の見回りを任せていたけど
やっぱり居るのか……
『わかったありがとう。乗り込んで来るようなら教えてくれ』
「はぁぁぁ……ババア」
「なんだいヴィン?そんな疲れた顔して」
あれ?こういう時ババアはかなり気を張ってるから気付いてるかと思ったが
「ふっ、ババアも鈍ったな」
その言葉でババアは窓の外に顔を向け「2人?いや3人か」とブツブツ呟いている。
俺もサラ達のおかげなのであまりデカい顔は出来ないが……
精霊の危機察知や敵意感知が鋭過ぎて俺のスキルに全く結びついて無いのが現状だ。
レニさんが慌てて飛び出して行った。
「ララか……あの神官はもう2度と踏み入れさせる訳にはいかないねぇ」
ババアの越しの背景が蜃気楼の様に揺らめいて見えるのは錯覚では無いのだろう……いやあの角だけは錯覚であって欲しい。
鬼や、オーガや。
「さて、ヴィンそれにララ。アンタ達精霊が見えるのに何で精霊眼が無いんだい?」
ララは咄嗟に口に手を当てて喋りませんアピールをした。かわゆい。
ババアはそんな俺の表情を見て呆れつつも俺に視線を向けた。
「あ?あぁ俺のスキルだよ。精霊達がララを心配してくれたんだ偽装スキルって言って鑑定結果を俺とララから見える内容と他の人が見える内容を偽装した。ララの発現スキルは精霊系統。俺はまた違うスキルを持ってるが話せない」
俺の目をじっと見つめ諦めた様にババアは息を吐いた。
「ララにはハーフエルフの印象をつける為に認識阻害のリングは解除して貰ったってところかい」
俺は頷いた。
神官が来ると聞いてからずっと考えていた対策だった。
俺にはあまり興味を持たないだろうとな。
「これから冒険者登録をするんだろう?まぁ、最初は見習いからスタートだからねぇ後5年の間に最高で銅ランクまで上がった子も居るからね。ケガだけに気を付けなね」
俺達2人は1週間前の訓練から俺が短剣、ララが弓の各々実戦に使える武器を貰っていたので準備して
冒険者ギルドへと向かうのであった。
◇
『レニがねバーンボーンってね、でね人が飛んでったのよー』
サラが興奮した様に俺に念話を送って来るが先程の外に居た連中はララが本当に精霊が見えないのか確認する為に見張っていた様だった。
あの孤児院の職員全員無茶苦茶強いんだよな……謎だ。
そんな中、先程から喋らないララに視線を向けると挙動不審だ。
俺はララの手を取ると、手が冷たかった。
「ひゃ、ヴィン君?」
俺は優しく声をかけた
「緊張してんのか?」
ララは少し涙目になりつつ頷いた。
「大丈夫だって、モアちゃんもパーティー組んで上手くやってるって言ってたし」
モアちゃんは俺達の2つ年上の為既に冒険者になっている。
この間ババアとお金の押し付け合いしてんの見て笑ったが。
最後はババアがゲンコツ落として
「銀ランク位になってから金は持ってきな」
と言っていたのが印象的だった。
銀と言えば、1人前と呼ばれ金以上はプロや1流と呼ばれるランクだ。
銀以上になる為には特殊な能力や特殊な武器と言った運も絡んでくる為。
運も1流冒険者の素養と呼ばれる。
俺達は盾の前に2本の剣が×印になっている看板の付いた建物の目の前に行き
スイングドアを開けて入ると、昼前だったので閑散としていた。
俺達は3つある受付の内の1つに行くと、ニコニコとした受付嬢のお姉さんが声をかけてきた。
「新規登録ですか?」
「「はい!」」
「では、こちらの用紙に名前と何が得意か任意で良いので書いてください。代筆が必要なら声をおかけください」
俺は、近接戦闘と書いて、ララは弓と魔法と書いてそれぞれ名前を書いて受付嬢に渡した。
「はい、ありがとうございます。私は今回担当になりますメリアです。何か困った事あったら声をかけてくださいね。ヴィン君とララちゃんね」
俺はえ?っと思って用紙を見るとバラライカでは無くてララと書いていた。
ララはニコニコとしていて優しそうなお姉さんで良かったと思っているのかな?
まぁ、偽名登録は大丈夫らしいけど二重登録は無理だから良いのか。
「それでお2人はパーティーを組んで活動するという事で良いですか?」
俺達は頷く。
「かしこまりました。但し、鉄ランクになるまでパーティーは仮登録になりますのでよろしくお願いします」
本登録になると解散時聴き取り調査等が必要になり面倒臭いらしい。
木ランクの見習いはだいたいが子供の為、少しの喧嘩でパーティー解散はあるあるなので仮登録になるらしい。
但し、犯罪行為は報告すれば深刻度合いにより報酬金は出るし
捕まる時だってある為注意しなければならない。
後はババアの所で冊子を何回も見ていたので説明は不要とした。
そして成人してから冒険者になった場合はランクアップに特に試験は無いが未成年の場合はランクアップに試験があるらしい。
大概は戦闘試験との事だった。
「はっ、またガキ共が来たのかよ毎年毎年鬱陶しいったらありゃしねーぜ」
お?テンプレか?
ララが俺に引っ付いて離れなくなっちゃった。
「ゴルバスさん!!貴方だって町がどんな状況か分かっているでしょう。この道しか無いから来てるんですよ!」
メリアさんがぷりぷり怒り始めた。
「わーってるよ。俺達大人が不甲斐ないせいでまた孤児を増やしてるのだって理解してんだよ。
おい、お前ら戦闘で行き詰まったら声をかけろよ。これでも銀ランクゴルバスだ。アドバイスは何時でもしてやるよ。後は忠告するぞ。
灰色のガキ、"誰も信じるな仲間と己以外は顔見知りでも敵と思え"金髪の嬢ちゃんを護りたいのならな」
あら?スキンヘッドの傷だらけのおっさんだけどめっちゃ良い人だった。
「ありがとう。大丈夫。ララに手を出すなら首が消える覚悟を持ってきて貰うから。無かったら体と頭がバイバイするだけだよ」
俺は本気でゴルバスさんに本音を伝えると
「お、おう、それだけの覚悟がありゃ大丈夫だ。見習いの連中はすぐにダンジョンに行こうとするがまずはじっくり雑用依頼や町の外での依頼の方が実入りも進行速度も早いぞ」
お?それはいい情報だ。
「ありがとうございます!」
後ろから声をかけられた。
「はい、ララちゃんヴィン君これランク証ね首から下げといてね。失くすと再発行にお金がかかるから気を付けてね」
「「ありがとうございます」」
俺達は依頼板の前に行くと……おっふまじか。
ララもポケっとしてしまっている。
低ランク用の依頼の殆どが雑用依頼と常設依頼なのだが……
雑用依頼売れ残り過ぎだろ、今がお昼前だから
「メリアさん。これ何件まで同時に受けれます?」
「同時に3件までよ!でも失敗すると罰金取るからね!」
俺が今悩んでいるのは
・古本屋の清掃
・精肉店脇のドブさらい
・荷物運び
これなら俺もララも生活魔法が使えるのですぐに終わると考えた訳だ。
ララも生活魔法の利点に気付いて余裕と思っているから荷物運び以外に指を差してる。
ララの耳元で
「荷物運びはアイテムボックスが使えるからそれを使おう」
そう言うと俺達は3枚の依頼用紙を、剥がし受付をするのであった。
0
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる