暴食の冒険者〜あ、もう少し魔力濃いめで〜

赤井水

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孤児から冒険者へ

14話初討伐依頼をしよう!

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冒険者ギルドに登録して2週間が経ち毎日毎日雑用依頼をこなしていたある日の事。

いつもの様に混み合う朝を避け、体感9時位に俺達はギルドにやって来た。
駆け出し冒険者は朝6時位に割の良い依頼を奪い合う。

それにはキチンと理由がある。
冒険者は固定費がかかるのだ、俺達の様に15歳まで無料で暮らせ尚且つ食事が出てくる場所に住めるなんて幸運はひと握りしか居ない。

生きる為の宿代、又は拠点代、食事、武器防具の整備や消耗品等結構お金がかかる。

それを依頼を成功させ維持・利益を出すには割りの良い依頼にありつかないといけない。
俺達が雑用依頼を多く受けていたのはギルドからの評価が上がるのと競合相手が居ない為すんなり依頼を受けれて尚且つ将来の為の貯金までしている。
まぁ、ララの荷物と俺のアイテムボックスの2つに分けて隠している。

俺達は武器を使う必要も無いので雑用依頼が1番利益が高かったというのが受けていた理由でもあった。

ギルドに入るとメリアさんから手招きされた。

「おはよう、ヴィン君、ララちゃん!」

「「おはよう!」」

メリアさんから1枚の依頼用紙を渡された。

「ちょっと最近雑用依頼ほぼ全部片付けて貰っちゃったからこれ是非受けてみない?」

依頼内容を見ると
・ホーンラビットの角×10
・薬草5束×10の納品

依頼主:冒険者ギルド
成功報酬:銀貨1枚

と書いてあった。

「え?これって良いんですか?」

成功報酬はあくまで依頼を成功させた報酬で素材買取は別にあるので破格の値段と言える。
大銅貨5枚でも割りの良い依頼と言える。

メリアさんはくすくす笑い
「雑用依頼の消化してくれたお礼だそうよ!」

ララがニコニコ
「ありがとー」

「受けます、北門出た森からの採取・討伐ですよね?」

その辺の知識はババアとの勉強会で既に習ってる。

「そうよ、素材は多めに取ってきて大丈夫だから。後は最近あの辺に行く子が減っちゃってね。街道にまでホーンラビットが出始めてるって話だからガンガン減らしちゃって良いからね!」

そう言われて俺達は依頼を受付して貰い北門へ向かうのであった。

「ララはどうする?弓使うか?」

ララは少し悩んでいる様子だった。

「傷付いたらお肉ダメになっちゃうよね?」

「うーん、何か大量発生してるみたいだから別に良いんじゃないか?アイテムボックスなら時間経たないから孤児院で処理出来るしな」

「んー、最初弓で多かったらサンちゃんにビリビリして貰おうかなぁ」

『ふっふっふー私の雷が火を吹くぜぇ』

出た、雷の精霊サン。残念な子……雷なのに火を吹いてどうするんだよ。

「まぁ、俺も雷系統の魔法使うからそれで良いよ」

俺達は北門で冒険者証を見せて、北の森へと1時間かけて向かった。



向かったんだが……
今、俺とララは多分白目向いてるだろうなぁ。

多いとは聞いてたけどな聞いてたけど多くね?

辺り1面にホーンラビットが居るんだよ。

「弓、止めとくか」「だねー」

「サンちゃんお願い!」

ララから魔力がサンに送られる。

『エリアエレキだぁぁ』

広範囲麻痺精霊魔法だな。
ちなみに残念な子だからな?俺とララも有効範囲に入ってたりする。

「『暴食の王』おい!サン!俺達まで麻痺してたら意味ねぇだろ!」

俺が雷魔法を吸収して食べた。
ふむ、精霊魔法は炭酸のようにパチパチして美味いな。

「じゅるり」『ひぇぇ食べないでごべんなざぁぁぁい』

あら泣いちゃった……流石に意思疎通が取れる精霊を食べる気は無い……多分な。

俺は近くの地面に手を置き
「『ホール』よし、穴開けたからそこに血抜きをしようガンガンやるぞ!」

「おーー!」

30分でトドメを刺してホーンラビットの首に切り込みを入れて血抜きをどんどん進める。

「いつ、終わるんだこれ……」

「つーかーれーたー」

いや、普通終わると思うだろ?
違うんだよ

「ちっ、また来やがった。魔力弾」

そう何だよ、倒しても倒しても次から次へと来るんだよ追加が……

もう50匹以上処理して薬草集め出来てないんだよ。

「ララ、袋の角何個になったー?」

「んー今ヴィン君が倒した奴入れて76個目ー」

「それ終わったら撤退しよう。無理だ。シルにお願いしてこっち側にホーンラビットが来ない様にして貰ってー」

「はぁーい、シルおねがーい」

『はいはい、仕方ない子だね』

最近わかった事は
サラ→お転婆
シル→お姉さん振る
サン→残念な子
アクア→おっとり
アース→無口系

シルが風の結界を張った所で俺は角を取った残りのホーンラビットの死体をアイテムボックスに詰め込み穴を閉じた。

「よし、撤退だ後方よーし!」「後方よーし!」

魔物をトレインしてない事を確認しつつ俺達は袋を2つにわけて北門へと急いだ。

門を通り抜けギルドに戻るとメリアさんが俺達を向かい入れてくれた。

「おかえり2人共成功した?」

俺達は首を横に振った。

「何か問題でもあったの?比較的簡単な筈だよ?」

「ホーンラビットが多過ぎて薬草まで手が回らなかった。解体中に次々と追加が来てとてもじゃないけど森の中に入れなかった」

メリアさんはあからさまに顔色が曇った。

「じゃあ角何個持ってきたか見せて貰える?」

俺達は袋をカウンターの上に置くと

「……え?これ全部?」

俺達はうんうんと頷く。
「2人じゃ無理でしょ?」

「あははー……ギルドマスターぁぁぁぁ」

メリアさんが壊れて走って行った……奥から何か爺さんが怒鳴りながら引っ張られてきた。

「何じゃい忙しい時に?ん?何だこの子達はふむ、ヴィンとララ?あぁ真面目な見習いの子か。それで?」

俺達はホーンラビットが北の森で大繁殖して森に入れなかった事を伝えて証拠の角を渡した。

「お前さん達ケガは……無いようじゃな。あったらあのババアに殺される血濡れオーガが来ると思ったらゾッとするわい」

「あのババアやっぱり2つ名は鬼かっ!」
「ヴィン君位だよぅゲンコツされるの」

ギルドマスターの爺さんはコロコロと笑いだした。

「何じゃ小僧、随分と気に入られておるの。あのババアはムカつく奴と気に入った鍛えたい奴にしかせんからの。孤児院の子達は可愛い過ぎて手が出せんと言っておったのに」

えー……出来れば俺も手を出さずに可愛がって、いや気持ち悪いからやめておこう。

「ふむ、今回の依頼は薬草は取り消しておく。こちらも大繁殖してるらしい程度の情報で送り出した調査不足だったすまんのう。そして情報提供の代金も上乗せしておく。上位種が出たりしたらまずいからメリア!緊急依頼でクランに話を振っておけ!」

俺達はその後、情報料大銀貨1枚と成功報酬銀貨1枚。
素材買取額が角1つで銅貨2枚で76個で大銅貨8枚と銅貨2枚になった。

銅貨5枚でパン1つと考えると
銅貨1枚    =20円
大銅貨1枚=2000円
銀貨1枚    =2万円
大銀貨1枚=20万円
金貨1枚    =200万円
大金貨1枚=2000万円
白金貨1枚=2億円

となる、前世基準で言うとだけどな。
だから今回の報酬は破格だ。
1日で23万6040円稼いだって事だからな。

本来なら薬草がそこそこの値段で取り扱いされるはずだったのにケガや命の危険に晒したお詫びとして情報料が高めに渡された。

ホクホク顔で俺達は、孤児院に帰って尚且つ院長ババアに肉が沢山手に入った経緯を話して鬼が降臨した事は確定路線だったのかもしれない。
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