暴食の冒険者〜あ、もう少し魔力濃いめで〜

赤井水

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孤児から冒険者へ

17話情けないギルドマスター?

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 俺達は治療や休憩を挟んだ後、町へと戻りモアちゃんパーティーは職員2人が付き添い孤児院に戻された。

「デビスとアメラは無理だろうねぇ」

ババアが言ったのは震え上がった2人組の事だ。

「戦闘中に気を抜いた奴が悪い、俺が居なきゃ4人全員死んでただろう。まぁ、それが無くてもそのうちダンジョンで死んでた。それが死なずに別の道に行けるなら儲け物だと思うけど?」

そんな言葉に後ろから抱き上げられる。

「わわっ、レニさん?ちょっ!」

「ヴィン君?私達だってあの時心臓が止まると思ったんですからねぇ~」

とギューっと抱きしめられる。

「アンタホントにそういうの苦手だねぇ」

とババアが笑い出す。
顔を真っ赤にして俺はモジモジするしか無いのだがララもニコニコ笑顔だった。
やっと、降ろして貰った時にふと思い出した事を聞いた。

「ババア?最後のは何て技?原理はここでは言えないけど教えて貰えるのなら知りたい」

レニさん達が驚いていたがババアは納得していた。

「ヴィンは魔力が見えるから原理も分かるだろうね。あれは鬼人化ってスキルだよ」

「うへぇ、やっぱり鬼じゃん!」
そんな事を言った瞬間、ババアが動き出すのが見えた時に逃走したがすぐに捕まり頭を拳でグリグリとされた。

「いでで、いででででで」

ゲンコツは一瞬の痛みだが、グリグリは継続的な痛みでこちらの方がキツい。

「ヴィンは最近痛覚耐性も上がって来て尚且つゲンコツじゃ治癒魔法ですぐ治すからね。こっちの方が効くだろう?」

とニヤニヤしつつもやりおる。

俺達は笑いつつも冒険者ギルドへと向かうのであった。

ババアが冒険者ギルドへと入るとザワつきが大きくなった。

耳をすませると、
「剛腕の乙女が何でギルドに?」や「レニたん萌え~」

え?この世界にも萌え文化あんのか?おい?

「鬼や鬼」「血濡れオーガ」
「「「「「ヒッ」」」」」

ババアがそちらを睨むと大の大人の筋骨隆々とした男達が皆揃って内股になる。

怖っ、ババアこっわ。

「あんまり、ギルドで騒がないで欲しいんだけどね」

ジジイこと、ギルドマスターが出てきたと同時にババアが
ギルドマスターへとゲンコツを御見舞した。

「うべっ」

うわっ、完全に気抜いてた所にあれは痛いご愁傷さま。

ババアが怒鳴り出した。
「北の森でラビットウォーリアーが出た上にスタンピード寸前だったよ。このギルドの管理体制はどうなってるんだい?
数日前うちの孤児院の子達が行かなきゃ気付かなかった所か下手すりゃ新人や町の人が死んでたんだよ」

すんっと静寂が訪れた、前世でなんて言ったっけなこの現象、天使のなんちゃらだっけ?忘れたなぁ。

「ヴィン!貸したマジックバックからラビットウォーリアーの死体だしな」

「ほいっとな」

俺は腰に着けた袋から取り出した振りをしてアイテムボックスからラビットウォーリアーの死体を出した。

息を飲む音がする。
この死体見たらそうなるよな?だって武器で着いた傷は無くて胸や体に穴が空いてるんだぜ?

力で強引に捩じ込んだ事がよく分かる。

「ホーンラビットは二束三文にしかならないから売らないけど他の属性ラビット、武器持ちラビットは売るよ?覚悟しなっこのギルドの金庫空にしてやるからね?ヴィン!大体で良いから数を教えてやりな」

俺はアイテムボックスの在庫を念じ、ラビットと付け加えると

リストが頭の中に現れる。

ホーンラビット×762
ファイアラビット×245
アクアラビット×305
ウインドラビット×260
アースラビット×150
エレキラビット×20
ラビットソードマン×309
ラビットランサー×304
ラビットアーチャー×85
ラビットアサシン×24
ラビットファイター×156
ラビットリーダー×20

「うーん大体1800体位かな?」

顔を真っ青にした冒険者やギルドマスター

遂にはギルドマスターが土下座し始めた。

「す、すまんかった。事前調査では上位種500体と聞いて居たんだ」

「何ランクに任せたんだい?」

「ラビット系だったし、北の森という事で銅ランクに依頼した」

「ラビットウォーリアーが居た場所まで行ってたら死んでたねぇ。斥候調査は銀ランクでギリギリだったろうね」

「ぐ、この度は本当に申し訳ない。ラビットは全て買い取る。【剛腕の乙女】には特殊報酬とクラン功績の申請をする」

ババアは俺とララを見ると手を引き前に出した。

「この2人は今回サポーターとしてうちのクランで雇っていた子達だ。鉄ランクに上げる位出来るだろ?そもそも真面目に依頼をしてご褒美依頼まで出すんだからね」


「君達は……剛腕の乙女の経営する孤児院の子達か。あぁ元々次の依頼後に鉄ランクへするつもりだったからそれは構わないし銅ランクにまで出来るがどうする?」

「要らない。ババアの功績に寄生した様なランクアップは必要ないし徐々に力を着けたい。ララはどうする?」

「う~ん……私も要らない。ラビットとは言え今回魔物の怖さもわかったからね」

俺達は頷き合い


「て事で鉄ランクまでは受け取ります。他は剛腕の乙女のクランの成功報酬だけで黒字だから」

「そうか。なら冒険者証のタグをメリアに、剛腕の乙女クランマスターのゼシカ殿はギルドマスター室にお願いします」

と頭を下げたのだが……

「え?ゼシカって誰?」

俺の一言でピシッと冒険者ギルドの空気が凍ったのは言うまでもない。

「あらあら~ヴィン君ったら院長先生の名前よ知らなかったの?」

俺はブリキ人形の如く、ギギギッと首を後ろに振り返ると
ニヤニヤしてるババアが居た。

「ヴィン?お前さん後で折檻が必要だねぇ」

「俺が何をしたっ!」

似合わねぇと思ったのは内緒だぜ?

「このババアには似合わねぇ名前だなとか考えてるんだろう?」

「む?何故それを!?」

ズガガーンと雷が走った驚きになった。

ララはあちゃーと顔を手で覆う。
レニさん達はケラケラ、クスクスと笑う。

「こんのぉクソガキっ!」

「緊急事態発生逃走します!ラジャー」

と走って逃げる俺!

無視され、オロオロとするギルドマスターであった。

こんなそんながあったが、俺とララはこの日鉄ランク昇格を果たしたのであった。

え?折檻?ゲンコツ1発とホーンラビットの解体762体分という罰だったよ。

つまみ食いして更に怒られ、料理させられたのは愛嬌であると言っておこう。

そこで俺が結構沢山の調味料出せる事がバレてレニさんにねだられまくったって事件も起きたのであった。
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