のとより

震災の半年前に東京から奥能登に引っ越してきた諸星は、あることがキッカケで震災後に美術部に入部し、真っ暗な絵を描くようになった。
そんな諸星の存在を気にしていたのはあざと女子の宮本。彼女は飄々としている諸星に対抗意識を燃やしていたが、ひょんなことが切っ掛けで仲良くなる。
しかし、夏休みの直前。
諸星は職員室に呼び出された。
その理由は二次避難中にSNSのコメントで「震災中に楽しそうにしないでください。亡くなった人もいるのに不謹慎です」と書き込まれ、ネット内で喧嘩をしてしまったからだ。
すぐに消したものの、それが誰かに見られ、時間が経った今になってから先生にチクられたらしい。
憤慨する諸星は夏休みの間に能登の良いところを探しにいこうと宮本を誘う。
乗り気でない宮本に諸星は条件をつけた。
それはより良いところを見つけたほうが負けた相手の秘密をなんでも一つだけ知ることができるというものだ。
ひたすらに真っ暗な絵を描く諸星の秘密が知れるチャンスだと思い、宮本は賭けに乗ることにした。そして二人は夏休みの間、能登の宝探しをすることになった。


地震から4ヶ月の奥能登を舞台にした青春エンタメ小説です。
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