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47話 大きくなる
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先生のマンションの前に立って考える。なんで僕はここに来たんだろう? 先生はまだ仕事だから帰って来ていないのに。そもそも生徒が軽々しく女教師の部屋に来るっていうのも変だよね。よし、帰ろっと。
そう思って家に向かって歩いてる時、後ろから突然声をかけられた。
「あ……拓真さん?」
「君は……」
「お久しぶりです」
そこにいたのは藤宮さんの妹の雪菜ちゃん。会うのは藤宮さんの家に行ったあの日以来だね。でもどうしてこんな所に? 着ているのは中学の制服みたいだけど、雪菜ちゃんは家も学校も逆方向なのに。
あと、確かに久しぶりだけど昨日も僕にメッセージ21通送って来てたよね。先週なんて藤宮さんのお風呂入ってるところの盗撮写真も送ってきたよね。そういうのはダメだと思うから注意したら、自分のお風呂入ってるところ送ってきたよね。泡でちゃんと隠れてたけどやめてほしい。
「久しぶり。どうしたの? こんな所で」
「放課後に友達と遊んでて、その帰りなんです」
「そっか。気をつけて帰るんだよ? じゃあね」
触らぬロリに祟りなし。
ここはすぐに立ち去った方がいいと最近の僕の女難の勘がそう言ってるから僕は雪菜ちゃんに背を向けて歩き出す。本当なら今の会話もしない方が良かったのかもしれないけど、流石に無視はできないからね。
「あ、あれれ!? そういえばここどこなんだろう? 迷っちゃったのかなぁ? 雪菜の家にはどうやって帰ればいいんだろ?」
そう来たか。前は【私】って言ってたのにいきなり【雪菜】って自分のことを名前で呼び始めてあざといけど振り返らない。ここは振り返ってはいけないんだ。
僕はゴゴゴゴゴォ! って効果音でも鳴りそうな香ばしい顔を作りながら歩く。ここは田舎だから少し高いところに歩いて行けばマンションが見えるハズだから、ホントに迷っていたとしてもきっと大丈夫。
「あいたたたたたた! お腹が痛いよぅ……。もう歩けないからその辺のチャラい『君のカノジョ、家に送っちゃいました』って写真撮りそうなお兄さんにお願いしよっと」
…………これもきっと罠だ。わざとそう言ってるんだよね? 知ってる知ってる。
「あの、すいません──」
「ウェイ?」
「雪菜ちゃん送っていくよ」
「はぁ~い!」
「ウェーイ?」
──で、今は雪菜ちゃんのマンションに向かって二人並んで歩いてるところ。まさか本当に聞こうとするとは思わなかったよ。
「えへへ、拓真さんありがとうございますぅ~♪」
「お腹痛いのはどうなったの?」
「あれは嘘ですっ! 好きな人の気を引く為にはどうすればいいかを友達に教えて貰ったんですよ~。大成功ですね! あと、本当に方向音痴なので助かりました!」
そう言いながら僕の腕に抱きついてくる雪菜ちゃん。雪菜ちゃんには悪いんだけど、好きとか言われても妹とか親戚の子から好意って感じだから特に何も思わないんだよね。そして方向音痴なら馴れない場所で一人になっちゃダメだよ。
「はぁ……。送っていくのはいいんだけど、マンションより少し離れた所までだよ」
「え、なんでですか?」
「ちょっとね」
マンションに近付くと彩音さんが出てきそうな気がするからね。なるべくなら近付きたくないんだ。ママ奴隷ってなに? 怖すぎなんだけど。
「わかりました。それより……この前は変な写真送っちゃってごめんなさい。嫌でしたよね? 雪菜の貧相な体なんて。雪菜、お姉ちゃんみたいに胸大きくないから。ツルペッタンコだから……」
「胸に優劣をつけてはいけない」
「え?」
「いや、なんでもないよ」
「そ、そうです……か?」
おっと危ない。全てのおっぱいを愛する委員会としての譲れない部分が出てしまった。メンバーは僕一人。名誉会員だ。
「ところで拓真さん、胸ってどうすれば大きくなるんですか?」
「さあ? 分からないけど、豆乳飲むとか?」
「雪菜聞いたんです! 揉むと大きくなるって!」
誰から聞いたのかわからないけど、僕の話も聞いて。
「後はキャベツとかサプリとか遺伝とかもあるよね」
「はい! だから拓真さん! 雪菜の胸揉んでください!」
はい、って言ったのになんでそうなるの? 返事の意味と意義は?
「え、嫌だよ」
「はい! いつでもいいです! 今でも! 誰もいない所で! お姉ちゃんみたいになりたいんです! お姉ちゃんのも拓真さんがおおきくしてるんですよね!? この前サイズ一個上がったって言ってました!」
「してない」
揉んでないからね? 揉ませようとしてくるのから逃げてるくらいだからね? だから最初に「はい!」って言うのやめて欲しいな。あと話聞いてね。それに藤宮さんみたいには無理だと思うんだよね。あれはもう巨乳の次元じゃないから。魔乳……いや、さらに大きくなったのならもはや天乳だから。あ、そういえば……
「ところでそのお姉ちゃん、最近学校休んでるみたいだけど、どうしたの?」
「……え? 拓真さんの家に押しかけてるんじゃないんですか? 『ボク達、愛のためにしばらく家を空けるから!』って言って家を飛び出しましたよ?」
「え、来てないよ? ていうか来ても追い返すし」
「……え?」
「え?」
三人揃って一体学校サボって何をしてるんだろう?
そう思って家に向かって歩いてる時、後ろから突然声をかけられた。
「あ……拓真さん?」
「君は……」
「お久しぶりです」
そこにいたのは藤宮さんの妹の雪菜ちゃん。会うのは藤宮さんの家に行ったあの日以来だね。でもどうしてこんな所に? 着ているのは中学の制服みたいだけど、雪菜ちゃんは家も学校も逆方向なのに。
あと、確かに久しぶりだけど昨日も僕にメッセージ21通送って来てたよね。先週なんて藤宮さんのお風呂入ってるところの盗撮写真も送ってきたよね。そういうのはダメだと思うから注意したら、自分のお風呂入ってるところ送ってきたよね。泡でちゃんと隠れてたけどやめてほしい。
「久しぶり。どうしたの? こんな所で」
「放課後に友達と遊んでて、その帰りなんです」
「そっか。気をつけて帰るんだよ? じゃあね」
触らぬロリに祟りなし。
ここはすぐに立ち去った方がいいと最近の僕の女難の勘がそう言ってるから僕は雪菜ちゃんに背を向けて歩き出す。本当なら今の会話もしない方が良かったのかもしれないけど、流石に無視はできないからね。
「あ、あれれ!? そういえばここどこなんだろう? 迷っちゃったのかなぁ? 雪菜の家にはどうやって帰ればいいんだろ?」
そう来たか。前は【私】って言ってたのにいきなり【雪菜】って自分のことを名前で呼び始めてあざといけど振り返らない。ここは振り返ってはいけないんだ。
僕はゴゴゴゴゴォ! って効果音でも鳴りそうな香ばしい顔を作りながら歩く。ここは田舎だから少し高いところに歩いて行けばマンションが見えるハズだから、ホントに迷っていたとしてもきっと大丈夫。
「あいたたたたたた! お腹が痛いよぅ……。もう歩けないからその辺のチャラい『君のカノジョ、家に送っちゃいました』って写真撮りそうなお兄さんにお願いしよっと」
…………これもきっと罠だ。わざとそう言ってるんだよね? 知ってる知ってる。
「あの、すいません──」
「ウェイ?」
「雪菜ちゃん送っていくよ」
「はぁ~い!」
「ウェーイ?」
──で、今は雪菜ちゃんのマンションに向かって二人並んで歩いてるところ。まさか本当に聞こうとするとは思わなかったよ。
「えへへ、拓真さんありがとうございますぅ~♪」
「お腹痛いのはどうなったの?」
「あれは嘘ですっ! 好きな人の気を引く為にはどうすればいいかを友達に教えて貰ったんですよ~。大成功ですね! あと、本当に方向音痴なので助かりました!」
そう言いながら僕の腕に抱きついてくる雪菜ちゃん。雪菜ちゃんには悪いんだけど、好きとか言われても妹とか親戚の子から好意って感じだから特に何も思わないんだよね。そして方向音痴なら馴れない場所で一人になっちゃダメだよ。
「はぁ……。送っていくのはいいんだけど、マンションより少し離れた所までだよ」
「え、なんでですか?」
「ちょっとね」
マンションに近付くと彩音さんが出てきそうな気がするからね。なるべくなら近付きたくないんだ。ママ奴隷ってなに? 怖すぎなんだけど。
「わかりました。それより……この前は変な写真送っちゃってごめんなさい。嫌でしたよね? 雪菜の貧相な体なんて。雪菜、お姉ちゃんみたいに胸大きくないから。ツルペッタンコだから……」
「胸に優劣をつけてはいけない」
「え?」
「いや、なんでもないよ」
「そ、そうです……か?」
おっと危ない。全てのおっぱいを愛する委員会としての譲れない部分が出てしまった。メンバーは僕一人。名誉会員だ。
「ところで拓真さん、胸ってどうすれば大きくなるんですか?」
「さあ? 分からないけど、豆乳飲むとか?」
「雪菜聞いたんです! 揉むと大きくなるって!」
誰から聞いたのかわからないけど、僕の話も聞いて。
「後はキャベツとかサプリとか遺伝とかもあるよね」
「はい! だから拓真さん! 雪菜の胸揉んでください!」
はい、って言ったのになんでそうなるの? 返事の意味と意義は?
「え、嫌だよ」
「はい! いつでもいいです! 今でも! 誰もいない所で! お姉ちゃんみたいになりたいんです! お姉ちゃんのも拓真さんがおおきくしてるんですよね!? この前サイズ一個上がったって言ってました!」
「してない」
揉んでないからね? 揉ませようとしてくるのから逃げてるくらいだからね? だから最初に「はい!」って言うのやめて欲しいな。あと話聞いてね。それに藤宮さんみたいには無理だと思うんだよね。あれはもう巨乳の次元じゃないから。魔乳……いや、さらに大きくなったのならもはや天乳だから。あ、そういえば……
「ところでそのお姉ちゃん、最近学校休んでるみたいだけど、どうしたの?」
「……え? 拓真さんの家に押しかけてるんじゃないんですか? 『ボク達、愛のためにしばらく家を空けるから!』って言って家を飛び出しましたよ?」
「え、来てないよ? ていうか来ても追い返すし」
「……え?」
「え?」
三人揃って一体学校サボって何をしてるんだろう?
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