孤独の魔女と独りの少女

徒然ナルモ

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八章 無双の魔女カノープス・前編

大いなるアルカナ全集

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大いなるアルカナとの決着がつき、その幹部が全滅したのでここいらで纏めて置きます

大いなるアルカナ
No.は大きくなればなる程強く、全員で二十一人いる、この幹部達はそれぞれで決闘を行い序列を入れ替える事ができるが、逆に言えば順位に興味がない人間は決闘をせず 序列変動もない為、No.と実力に大きな乖離があることもある

No.0 愚者のアレフ
ヘットの命令でアルクカースの騒動を裏から動かしていた人間。本人はコードネームを名乗っているが幹部ではない、断じてない。
ラクレスを始末しようと赴いたものの返り討ちにあい。その後デニーロによって一撃で吹き飛ばされ死亡した。


No.1 魔術師のベート
アルカナ幹部最弱の男、自尊心が高く負けを認めない見苦しい性格の持ち主
様々な魔術を操る 魔術師の二つ名に相応しい戦法を用いるが、逆に言えば出来ることはないに等しい
エリスを相手に敗北し、度重なる命令違反がたたりコフにより粛清される


No.2女教皇ギーメル
アルカナ幹部の一人、戦闘能力は低いが暗殺などの戦法を強みとして構える魔術師
ベートよりは強い、つまりその辺の魔術師よりは強い 
得意とする魔術は『フレイムスネイク』、敵の体を這い回り焼き殺し 時として鞭のように扱うことも出来る炎魔術、だが攻撃力はあるとはお世辞にも言えない暗殺特化

エリス達を暗殺しようとした際ヤゴロウと接敵し、手も足も出ずに斬殺、死体は粉々にされ指先しか発見されなかった


No.3女帝ダレット
アルカナ幹部の一人、ツァディーとは夫婦の仲であり 夫婦揃った戦法はそのNo.を逸脱した強さを持つ、得意とする魔術は『クリムゾンレイ』 か細い熱線で敵を焼き射抜く魔術、鏡を操る旦那とは滅法相性が良い
エリスに敗北した後はそそくさとマレウスを出国、今は細々殺し屋をやっている、実は息子がいる


No.4皇帝ツァディー
アルカナ幹部の一人、ダレットとは夫婦の仲であ常日頃から仲睦まじい会話を繰り広げるアルカナの鴛鴦夫婦代表、得意とする魔術は『アルケミック・ミラー』 周辺物質を鏡に変える魔術であり光を操る嫁とは滅法相性がいい
エリスに敗北後は妻と共にアルカナを脱退 、殺し屋をして生きているが最近年齢の衰えを感じてきたので隠居を視野に入れている、本人も知らないが孫がいる


No.5教皇のヴァヴ
アルカナ幹部の一人、オライオンに出向いていた為エリスとは出会っていない
オライオンにて邪教アストロラーベと組んで何やら計画を遂行しようとしていたようだが、夢見の魔女の弟子ネレイドによって撃破され捕縛されたとの事、アルカナ側は彼女をリタイアしたものとして扱っている


No.6恋人のザイン
アルカナ幹部の一人、魅惑的な格好を晒す妖艶の美女、恋人の称号を持つが今まで多くの男を騙してきた経歴を持つ為 愛し合った人間はいない、愛した人間はいたがその好意が知られることはなかった
得意魔術は魔術陣形成、攻撃的な魔術陣を多く持ち 部下に魔術陣の書かれた紙を多く量産させている

暴走エリスとの対決の最中戦線離脱、自らを騙したウルキに詰め寄るも生命の魔女に食い殺され命を落す


No.7戦車のヘット
アルカナ幹部の一人、エリスが初めて戦った幹部であり組織内にさらに巨大な組織を持つ悪のカリスマ、No.は7となっているが 組織内である程度地位を確立させ自分の組織を持つことしか興味がなく、積極的に上を目指していたわけではない、なのでもしかしたら彼が本気で上を目指せば彼のNo.はもっと上だったかもしれない

磁気魔術を用いた攻防一体の戦いと相手を巧みに騙す話術と読み合いの冴え、単純な魔術の強さ以上の実力を持ち 巧みに自らの主戦場へ誘導する狡猾な人物、特に鉄製品の多いデルセクトは彼にとって最高の戦場であったと言える。

エリスとはデルセクトで数度対決し 勝率で見れば間違いなく彼の勝ち越しであったが、最後の最後 全てを賭けた決戦の舞台にて彼はエリスに敗北し 組織も計画も全て失うことになる、その後はシンの粛清の対象になり 現在は生死不明


No.8正義のラメド
アルカナ幹部の一人、アルカナの古参メンバーであり コフとは親友の中、正義感が強く 例え組織の決定でも悪事には頑なに加担しない

再生魔術を使い相手の傷を再生させつつ傷を与える戦法を得意とするが、シリウスの乗り移ったエリスには敵わず重傷を負い コフによって助けられる

その後はマレフィカルムを離脱、今は流浪の旅人としてコフと共に各地を巡っている


No.9隠者のヨッド
アルカナ幹部の一人、ベート以上に高い自尊心を持ち タチが悪い事に彼は結構な実績も持ち合わせる為非常に面倒、隠密の癖をして目立ちたがりであり褒められるのが好き、嫌いな言葉は『臆病者』

隠密魔術を使い敵を翻弄することを得意とし、当時のエリス四人を相手取り一時はまんまと手玉に取るが、逆にエリスの策略により魔術を看破され敗北する

最期はエリス達の尋問に応えようとした瞬間、アインによって殺害される


No.10運命のコフ
アルカナの幹部にして本部の守衛を任されていた人物、アルカナが現在の本部を手に入れる前からのメンバーでありかなりの古参、しかし温厚な性格であまり闘争を好まないからか いつも何処か気の抜けた態度をとる

その実戦闘を行えば絶対的であり、卓越した風魔術は既に達人の域にある、また 他のメンバーには伏せていたが その本来の実力は既に第二段階に至っており魔力覚醒を行え 当時まだ第二段階に至っていないエリスを大いに苦しめた

本人は目立つことが嫌いであり マレフィカルムを信用していない為、その実力を隠し アルカナの伏せ札となるべく自らNo.を下げた、その時 カフとNo.と月のコードネームを入れ替えている、その為彼の本来の呼び名はNo.19 月のコフ…ということになる

エリスの刹那の覚醒により敗れた後は今のアルカナに見切りをつけて離脱、今 彼が何処にいるかは判然としない、或いは 今は友の為に動いていたりするのかもしれない


No.11力のテット
アルカナ幹部の女、オライオンに出向いていた為エリスと出会っていない、パワーだけなら塔のペーと互角と目される怪力の持ち主ではあるが、夢見の魔女の弟子ネレイドと戦闘の後 完敗、以降は行方知れずとなっている


No.12刑死者のメム
アルカナの幹部、帝国での戦いでは外から協力者を招き入れる仕事をしていた為エリスとは出会っていない、彼が任務を終えて帰還すると既にアルカナは崩壊寸前、自らの終わりを悟ったシンより アルカナ離脱を命じられ、それに応じて彼はアルカナを離れた

されど、彼は未だアルカナを諦めたわけではない、アルカナの残党として 新たなるアルカナを作る為、埋伏の時を過ごす


No.13死神のヌン
アルカナの幹部、コルスコルピに長年潜伏し エドワルドの名前で活動をしていた人物、その後現れた悪魔のアインによってその指揮下に加えられ ディスペルティリオ侵攻戦に参加することとなる

得意とする魔術は毒性魔術であり、自己に執着がないが故に遠慮なく強力な毒を振るい敵を殺害する残酷な男、また剣術の腕も確かなものであり アマルトと互角に斬り合う程度の腕を持つ

ディスペルティリオ侵攻戦ではメルクリウスと交戦、一時は殺しかけるも その体質の前に毒とその恐怖を克服され撃破される、その後はデルセクトの大監獄に収容、彼はそれを帰省と呼んだ


No.14節制のサメフ
アルカナの幹部の中で一番の新参、元はフィロラオス家の令嬢であったが 生命と死を操るとある人物と出会い魔術の真髄に傾倒、その人物を心酔し 魔術導皇を殺害する為に動く

得意とする魔術は圧縮魔術、どんなものも破壊し どんな人間も殺害する悪夢の魔術、そしてとある人物より埋め込まれた樹種により無限の魔力を得ており、圧縮魔術を連射することにより敵を圧倒するスタイルを取る

ディスペルティリオ侵攻戦ではデティフローアを圧縮魔術で追い詰め、死の恐怖を抱かせる程の力を見せつけるが、圧縮魔術と無限の魔力を逆手に取られ敗北、その後は頭の樹種が開花し その命と魔力を徴収され 漆黒の樹となって死亡した

No.15悪魔のアイン
アルカナの幹部、アレクセイの名を騙りエリスに近づき、彼女を孤立させる為に働き、その過程でバーバラに再起不能と言われるほどの重傷を負わせた外道

その正体は五大魔獣の一角 変幻無偏のアクロマティックと言う名の巨大スライムの一端、その正体を隠しながらシリウスの要請を受けてアルカナに加入し 魔女の殺害とエリスの誘拐を目的として動いていた

ディスペルティリオ侵攻戦の最終盤、エリスとの一騎打ちを演じるが エリスの咄嗟の機転により敗北、その後悪魔獣王へと変化し襲いかかるも 集結し団結したカストリア五人組により今度こそ敗北し 悪魔のアインは消滅した

No.16塔のペー
アルカナの幹部にしてアリエの門番、ヴィスペルティリオ大学園では図書委員としてアインと共に潜入、ラグナに目をつけなにかと絡んでいった、元はエトワール出身の人間であり結構芸達者、ラグナ達の目を最後まで欺き続けた

ゴーレム作成魔術の達人にして人間離れした身体能力を持つ、特に自らの体をゴーレムで覆う戦法は強力無比であり、付与魔術を使ったラグナと互角に戦い 剰え圧倒する程

されど、無意識ながらに覚醒したラグナの前に敗れ撃破され ヴィスペルティリオの地に沈む、その後はデルセクトの大監獄に収容されるが、今もアインが助けに来てくれると本気で信じてる

No.17星のヘエ
アルカナの主力 五人の切り札『アリエ』の一人、いつもナイトキャップを被り朝から夜まで寝て その後夜から朝まで眠る自堕落な人間、しかし 人一倍強い帝国への恨みと魔術の才能を持ち合わせており、アリエに相応しい力を持つ

彼の使う重量魔術は間違いなく世界最高の出力と範囲を持ち、空中浮遊するマルミドワズを墜落させるに足る程の力を持ち、師団長クラスさえ圧倒する

マルミドワズ襲撃に際しエリスと交戦、当初の計画がレグルスとフリードリヒに潰され 最後の手段としてマルミドワズを引き寄せ破壊しようと目論むが、夜空の決戦場にてエリスに敗北、その後 帝国に捕らえられ尋問にかけられるが 特に何も知らなかった上より有用な情報源が現れた為 普通に収監された


No.18月のカフ
アルカナの主力、五人の切り札『アリエ』の一人、人付き合いが苦手で普段からオドオドと振舞っている為、彼女のことを知る人間は少ない、光を屈折させる魔術を得意としている為レーシュの天敵とも相棒とも言われているが 彼女自身レーシュが苦手である為組んだことはない

そのNo.とコードネームはコフより与えられたものではあるが、彼女もまたアリエに相応しい実力を持つと思われる

マルミドワズ襲撃に参加するも、その途中で行方不明となる


No.19太陽のレーシェ
アルカナの主力、五人の切り札『アリエ』の一人、タヴ シンに続くアルカナのビッグスリー

傷を愛し痛みを愛する真性の狂人、傷つけることで自分は相手と意思の疎通を図り その上で自分という存在を相手に刻み込むことが出来る と言う独自の価値観で数え切れない数の被害を世界中に出してきた怪物

使用魔術は伊達と酔狂で取得した光熱魔術、光線を放ち相手を焼き殺すことに特化しており その殲滅能力の高さはタヴに匹敵する、魔力覚醒を行うと影と同化し 今現在存在する闇全てを消し去らない限り傷一つ負わない無敵の存在と化す

何より凄まじいまでの耐久力と身体能力を持っており、魔術なしのグーパン勝負でアルカナ最強決めたら 彼女以外最強はあり得ないだろう

エトワールにてエリスとぶつかり合い、高い身体能力と無敵の魔力覚醒で後一歩まで追い込むも エリスによって魔力覚醒の攻略法を看破され、あえなく敗北、その後はデルセクトの監獄にて大人しくしている


No.20審判のシン
アルカナの主力、五人の切り札『アリエ』の一人、アルカナ結成時のメンバーであり 組織内では粛清の役回りを負っている

深くアルカナを愛しており なによりもアルカナの為に戦い、心酔するタヴと尊敬するマルクトの為ならば何が相手でも一歩も引かぬ胆力を持ち合わせ、事実 彼女は今まで多くの敵と戦い アルカナを守り抜いてきた

得意とする魔術は雷魔術全般、世に現存する雷魔術全てを会得しており 雷魔術だけを極め抜いたが故に魔力が自動で雷に変換される為、常に電撃を迸らせている

最後はエリスとアルカナの存亡を賭けた最終決戦にて、互いに限界を超えた戦いの末 一歩及ばずエリスに敗北する、それでもエリスだけでも道連れにしようと自爆するも失敗し命を落としたと言われる

だが、後日 帝国兵がシンの遺体を回収に向かったが、遺体は勿論 彼女の死を確定する物は一つとして発見出来なかった、現在は一応生死不明扱いを受けている

自爆によって何も残さず吹き飛んだか、或いは 風がその死さえ連れ去ってしまったか…、それは誰にも分からない


No.21宇宙のタヴ
アルカナの主力、五人の切り札『アリエ』の一人にしてアルカナ最強の男、アルカナ結成時のメンバーであり、革命大好き革命マン

その実力はアルカナ内部に留まらず マレフィカルム全域で見ても有数のものであり、もし彼がアルカナのボスを務めていたならば 今頃アルカナは三大組織に並ぶ大組織に変革していただろう、だが彼はそれをせず 自らの組織を持つことも離脱する事もなく、常に幹部としてあり続けた

使用魔術は銀河魔術、星辰魔術の亜種とされ 星の光を武器として使用する、光速の拳打と圧倒的破壊力を持つ光の弾幕はただそれだけで強力であり 何者も寄せ付けない
また、第三段階に至っている人物でもある為極・魔力覚醒を使用でき、周辺の魔力を掌握しバックアップとして用いる事で威力と射程の拡充に成功している

アルカナと帝国の最終決戦の際、ただ一人本陣に斬り込み 帝国師団長達を圧倒し軒並み撃破する、しかし 最後に現れたフリードリヒの真の力の前に、激戦の末敗北 後に捕縛される

今は帝国監獄にて 最も厳重な警備の下で大人しくしている、その気になれば…と帝国側には思われているが、彼はきっと自ら脱獄する事はないだろう、何せもう 戦う意味がこの世にはないのだから


ボス 世界のマルクト
大いなるアルカナのボスにしてマレウス・マレフィカルムの中枢組織 セフィロトの大樹の幹部、『世界のマルクト』の名を戴きし存在
アルカナのボスだけあり凄まじい魔力と鋭い頭脳を持ち合わせ、その実力は既に第二段階の中頃まで至っているとされる

ただ実力的にはシンとタヴに劣り、昼間のレーシュにギリギリ勝てるかどうか という程度、魔術を教えみるみるうちに強くなったシンとタヴを見て欲が肥大化、二人に対して人格者地味た仮面が剥がれ始め 求心力を失う

最後はアルカナを見捨て逃げ出し、マレフィカルム本部にて八大同盟に対し戦力の借りパクをしようとしたところ、バシレウスによって殺害される

彼女の死因を強いてあげるならば、アルカナと仲間を信じることが出来なかったところにあるだろうか
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