【完結】私に触れない貴方は、もう要らない

「もう妻には欲情しないんだよ。隣で寝ても何の反応もしない」


彼の職場に差し入れを持って訪ねた時に、彼の本音を聞いた。


結婚して5年。

政略ではなくて、子供の頃から愛し合って結ばれた私達だけど、
仲睦まじかったのは最初の1年くらいだけだった。

未だに子供はできていない。

子供なんて出来るわけないじゃない。
だってあの人はもう何年も私を抱いていないんだもの。

同じベッドで寝ているけれど、


「仕事で疲れてるし、そんな気分じゃない」


さすがの私も気づいたわ。
貴方の瞳に、もう私への熱がないのだと。


貴方にとって、私はもう女ではないのだと。



時々貴方から香る、ウチとは違う石鹸の香りに、
私が何度涙で枕を濡らしたか知ってる?


そんなことに気づきもせず、無防備に隣で眠っている貴方がとても憎らしい。


もういいわ。もういい。


疲れた。

もう要らない。


私に触れない貴方は、もう要らない。


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前作の短編小説の主人公、セイラのお友達の話です。
結婚後のセイラとジュリアンも脇役で出てきます。

子供の頃から相思相愛の幼馴染とそのまま結婚したけど、現実は美談のようにならない。

そんなお話です。

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