妄想日記8<<FLOWERS>>

YAMATO

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Chapter7(空合編)

Chapter7-①【絶頂は今】

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筋トレがこんなに楽しい事だとは知らなかった。
筋肉痛は酷いが、これは筋肉が増えている証拠だ。
痛みが増す程に、高揚感は高まるばかりだ。
ヒュウガの肥大した筋肉に比べると、まだまだ足りない。
もっと発達させて、見劣りしない筋肉を手に入れたい。
横に並んで笑われる貧相な身体は卒業した。
後はより効果的に筋肉を大きくするだけだ。
ネットで筋肉増強を調べ、生活改善を試みる。
プロテインの摂取方法、食事や睡眠、出来る事は何でも行う。
ヒュウガと行う深夜のトレーニングは至福の時間だ。
大好きなヒュウガと楽しい筋トレを行える。
ウエイトを換える時間が無駄になるので、極力ヒュウガと同じ重さ上げる。
回数は減るが、筋肉には効いている。
この痛みは筋肉の喜びだ。
ヒュウガへ近付いている事を実感させた。
 
以前の筋肉嫌いが嘘の様だ。
父親の並外れた筋肉を毛嫌いし、憎悪すら抱いていた。
いや、そう思い込もうとしていたのだ。
自分は父親とは違うと。
「嫌い、嫌いも好きのうちか…。」
溜め息が溢れ落ちた。
憎めば憎む程、それを意識していたのだ。
憎悪がピークに達した時、好きに変わっていた。
モニターに映る父親を見て、自慰に耽る。
「この筋肉のDNAを僕は受け継いでいる。」
それがトレーニング欲を掻き立てた。
刺激を与えれば同等、もしくはそれ以上に発達する可能性を秘めている。
その示唆が後押しし、過酷な筋トレも苦にならなくなっていた。
そして今では喜びになっている。
この遺伝子を与えてくれた父親に感謝した。
 
コスプレを教えてくれたのはマサミだ。
『別人格になれ。』
この助言は燻る気持ちを解放してくれた。
引っ込み思案の自分に別れを告げる。
しかしこの癖も父親から受け継いだ事を後で知った。
画面の中で、口が開く。
うっとりした表情で放尿を受けている。
「この癖も僕の中にあるのだろうか?」
飲尿どころか、男とした事もない。
唯一の経験はマサミだけだった。
口から尿が溢れていく。
ピークに達し、ティッシュを掴む。
その中に放出した。
 
ヒュウガとしてみたいが、誘う勇気が出ない。
ティッシュを開き、萎えたマラを見詰める。
極端に小さい。
これもDNAの所為なのだろうか?
DVDで父親のペニスは確認出来ない。
ただフィットしたウェアを見る限り、股間の盛り上がりはなだらかだ。
「他人は他人。
比べることないよ。」
マサミはそう言った。
コスプレして初めて外出した時、その言葉が背中を押してくれた。
だが真意はこの小さな性器を指していたのかもしれない。
 
父親の淫らな顔がヒュウガにすげ変わる。
「明日、誘ってみようか?」
出来ない事は分かっていた。
断られる位なら、現状維持の方が増しだからだ。
絶頂からの離脱を自ら行う必要はない。
「家に寄ってく?」
勇気を振り絞って聞いてみた。
だが、先延ばしした答えではぐらかされた。
きっと次に誘っても、また同じ答えが返ってくるだろう。
今は一緒にトレーニング出来るだけで満足だ。
そう思う事で、二度目の絶頂を向かえる。
「ヒュウガさんのなら、飲んでみたい…。」
心許ない勃起は少量の射精にとどまった。
 
(つづく)
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