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《裏技》マスター、魔族と戦う

魔王城探索してたら迷う事ってあるよね? あるよね!?

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「あっ、帰ってきたー!」

 拠点に帰ってきた俺に抱きついてくるレカ。

「遅ーいー!」

「悪い悪い、ちょっと手こずってなー」

「勝ったんだよね!?」

「勝った勝った大勝利だ」

「わーい!」

 さらに力を込めて抱きついてくる。

「レ、レカ……死ぬ……」

「え? あっ!」

 レカがペコッと頭を下げる。

「ごめんね?」

「大丈夫だ、ささ、拠点に戻ろう」

「うん!」

 レカと手を繋いで拠点のテントの中に入る。

「何だか微笑ましいですなぁ……」

 と後ろから聞こえたのは無視した。

「それで、あのギラ台地の拠点は落としたがこの後はどうするんだ?」

「イイジマさん達は今日はもうお休みになられた方が良いでしょう。
 ギラ台地の拠点制圧で疲れたでしょうし」

「そうしようか、ルリカ、寝るぞー」

「え、ええ」

「どうした?」

「いや、私達どこで休めば良いのかなって……」

 あ、確かにそうだ。

 俺らどこで休めば良いんだ?

「それならご心配無く、魔王城にイイジマさん達の部屋がございます」

「……マジで?」

 あの城に部屋俺らのあんの?

 最高じゃん。

「来て来てー!」

 レカが魔王城に走って行く。

「けっ、結構スピード速いな……」

 素のスピードにしては中々速い。

 流石魔王な事はある。

 ルリカとリレオも走って追いかけて、魔王城の中に入る。

「こ、こちらが、イイジマさんの……お部屋です……」

「うぇぇぇぇ!?」

 でっか! ひっろ!

 何畳あるんだこの部屋!?

「ルリカさんの部屋はこちらです」

「ええええ!?」

 ルリカもこんな感じの部屋なのか。

「イイジマ! 部屋! 部屋が凄いわよ!」

「俺の方も凄いぞ……まさかこんな所に泊まれるなんてな……」

「来て良かったかもしれないわね」

「そうだなぁー、でもまさか冒険者になって数日でこんな事になるなんてな」

「あはは、確かにそうね」

 そう言ってお互い自分の部屋に入る。

 ……ベットがなんか凄い大きい。

 キングベット超えてゴッドベットくらいの大きさだ。

 お風呂場も凄い広い。

 幅が10mくらいありそうだ。

 ……エグいエグい、この部屋エグい。

 一旦ベットに寝っ転がってゴロゴロする。

 寝心地最高だなこれ……。

 そしていつの間にか俺は意識を手放していた。




「ん~ん?」

 窓から見える空は暗くなっていた。

「夜になっちったか……」

 ここで寝っ転がったのが15時くらいだから……大体18時か19時くらいか。

「マジでこのベット寝心地良すぎだろ……」

 寝心地が良すぎて普通に寝ようと思えば寝られる。

「ま、流石に起きるけどな」

 ちょっと魔王城を探索してみるか。

 扉を開いて探索を始めた。



「やっべぇ……」

 探索を始めて30分。

 迷った、それも完璧に。

「魔王城広すぎだろ……」

 ずっと同じ風景なものだから今どこにいるのかガチで分からない。

「流石に魔王城内部は暗記してなかった……」

 ここに来る予定無かったからな……。

 過去の俺、暗記しといて!

「おや、イイジマさん」

「あっ!」

 リ、リレオォォー!!

「こんな所でどうなさいました?」

「探索してたら迷っちまったんだ」

「そうでしたか、自室までご案内いたしましょう」

 あぁー救世主だぁー!

「ありがてぇ!」

 その時、リレオの視線が一つの方向を見ていたのに気付いた。

 なんだ? あっちになんかあるのか……?

 あ、財宝とかそこら辺が隠してあるのか。

 それならまあ……確かに見ちゃうよな。

 そう思いながらリレオに着いて行く。

「この城って何でこんな同じ風景なんだ?」

「攻められた時に迷いやすくする為です」

 あぁなんか聞いた事ある。

「へぇー、ところで明日は俺らどうするんだ?」

「明日はイイジマさん達にはラーナ草原の方の拠点制圧をして頂きたいと考えています」

「制圧か……ところでさ、あんな幼女がなんで人間に戦争なんてもん仕掛けてんだ?」

 ピクッとリレオの顔が動く。

「……さあ、魔王様のお考えは私には分かりませぬな……」

「……そうか」

 リレオをジーッと見つつ俺は自室に戻るのだった。
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