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《裏技》マスター、忍者の里へ行く

しゃおらぁぁ! レベル上げじゃおらぁぁぁ!

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「ゴキブ……うっあっあうあ……」

 少し正気を取り戻した俺らは、ゴキブリの大群を見る。

『『『『『カサカサ』』』』』

 うん、無理だ。やだ。戦いたくない。

 インワドでもやだったもん俺。

「取り敢えず……ここを突破しない限りその裏技バグがある場所には行けない。つまり……」

「ゴッ、ゴキブリの大群を突破しないといけないって……事よね……」

「ああ」

 タチの悪い事に、今目の前にいるゴキブリは普通のゴキブリよりもデカい。

 大体80cm~1mはありそうだ。

 いやぁ……うん、もう遺伝子が逃げたいって言っているが、やるしかない。

 レベル求め、いざゴキブリの群れへ!

「ふぅー……行くぞ!」

 ゴキブリの脳天に向けて銃を発砲する。

 弾丸は複数のゴキブリを貫通した。

 すかさず俺は大群の横方向へ走り、【麻痺付与】を発動した。

『カサカ――』

 前にいた奴らの動きが止まる。

「はぁっ!」

 そこにルリカ達が一斉に攻撃を加えていく。

【麻痺付与】って強すぎじゃないか?

 まあ、そう思ってもやめないけどな。

「……んー?」

 減らない。

 一向に数が減らない。

「ルリカ!」

「何!?」

「ここは任せた! 少し待ってろ!」

「えぇ!? ちょ!」

 俺は【神速】を発動して壁を走る。

 ゴキブリが俺に気付いて追ってこようとするが、流石に追いつけないらしく、諦めてルリカ達の方に行っていた。

「よっ」

 ゴキブリの大群を超え、裏技がある場所までくる。

 さて、そろそろこの裏技が何なのか説明しておこう。

 そう、この裏技は……

「やっと出来るぜ……〝攻撃範囲拡張裏技〟」

 攻撃範囲がとんでもなく拡張される裏技。

 具体的に言うと、5倍くらいになる。

「んじゃやるか!」

 急いでルリカ達の所に戻らないと行けないので、パパッとやる。

 壁を蹴って、ターンして、ステップ踏んでジャンプ。

「よし出来た!」

 再度【神速】を発動し、壁を走る。

『カサカサカサカサ』

 いた、ゴキブリ達だ。

 俺はルリカ達に弾が当たらない様に狙いをつけ、撃った。

『バッッキュゥゥゥン!』

 とんでもない爆音と共に弾が放たれた。

 ゴキブリ達がドンドン消えていく。

「あれ? ゴキブリが……あっ! イイジマ!」

「戻ったぞ!」

「ありがとう! 裏技……よね?」

「ああ」

「どんな裏技なの?」

「攻撃範囲拡張裏技」

「なんか……漢字が凄く……多い気がする……」

「ははは、まあ確かにな」

 そんな事を言いつつ俺は再度ゴキブリに向かって発砲する。

「取り敢えず、この裏技が出来る場所まで行こう」

「分かったわ!」

「うん!」

「りょーかい……」

 俺らはまた走り出し、ゴキブリの大群を真正面から突破していく。

 あぁー……また弾増やさないとだ。

「ここだ」

 無事裏技が出来る場所まで到着し、皆んなにやらせる。

「よし、出来たわ!」

「私もー!」

「出来た……」

「それで、この裏技で何をどうすればレベルを上げれるの?」

「めちゃくちゃ簡単で単純だ。あのゴキブリを倒しまくる」

「……え?」

 そう、あのゴキブリ、実は何気に手に入る経験値EXPが他のモンスターに比べて結構多いのだ。

 なので、範囲攻撃を拡張するこの裏技でゴキブリ達を倒すと、かなりの速度でレベルが上がっていく。

「あれをまた倒さないといけないの……?」

「……嫌なら、まあ……」

 ルリカだって一人のレディーだし、虫が普通に無理とかあるだろう。

 さっきは凄い無理をさせてしまったかもしれないし。

「やるわ」

「やれるか?」

「大丈夫よ」

「レカ達は?」

「私は……大丈夫!」

「私も……」

「よし、ならやるぞ」

 そして俺らは……ゴキブリにひたすら攻撃をし続けた。

「「「「うおおおおおおお!」」」」

 銃を発砲し、剣で斬りまくり、なんかよく分からない黒い物を投げつけたり。

 それを何時間もやり続けた。

 その結果――

「はぁ……はぁ……」

「疲れたわねぇー」

「疲れたぁー!」

「……ふぅー……」

 ゴキブリを、狩り尽くした。

「でも、かなりレベルが上がったわ!」

「おぉ、どんくらい上がったんだ?」

「80になったわ!」

 前が30だから……50レベ上がったのか!?

「マジかよ! 凄ぇ!」

「わ、私も上がったー!」

「どんくらいだ?」

 そういえば俺レカのレベルを聞いた事が無かったな。

「えーとね、300ー!」

「……ん?」

「300ぅー!」

 え? 300?

「マジで?」

「本当だよぉー!」

 いやエッッグ。

 300て。

 あの臙脂色の炎触れるぞ。

「凄いなぁー!」

 わしゃわしゃと頭を撫でる。

「えへへー」

 可愛い。

「ニルはどんな感じだ?」

「まあ……ボチボチ……かな……」

「そうか。まあ上がったんならそれで良い」

「うん……」

「んじゃ、レベルも大分上がったし、帰るとするか」

「そうしましょ」

 俺らは落ちてきた穴を上り、テレポート裏技で忍びの里へと帰った。
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