幽霊祓い

第1章 日本旋廻 恐山決戦 後編

第85話 始まりの終わり

凪澤がパタリと倒れた。倒したのか・・・？勝ったのか・・・？

「ぐはッ!!負けるわけがないだろう・・・。僕が、負けるわけがッ!!」

凪澤はそう言いながら、這いつくばりながら主霊の方へと向かっていこうとした。

「待てッ!!お前だけはここで倒すッ！蒼天術そうてんじゅつッ」

その時、主霊のバリアが割れた。そして主霊・ドゥグルヌスは念仏のようなものを唱え始めた。

「日本二存在セシ魂タチヨ、ココ二帰リタマエ。我ガ貴様ラノ思イヲ解放シテヤロウ。サァ、クダラナイ世界二終焉ヲ・・・」

ドゥグルヌスのところに各方向から魂が集まってきた。それらを吸収しながら、手を組んだ。

「クククッ、あ～ぁ、鬼魅宮様の言う通りだ。青山  優牙、お前に伝えておこう。人間が幽霊の上に立つ？そんなことはこれからの世界、いや、もうすでにありえないことだ。いくら、頑張ろうと終末は変えられないッ!!」

「お前はさっさと眠ってろ。あの主霊は僕たちが止めるッ!!」

「やめとけ、あの主霊はまもなく爆発する。ここら一帯、消し飛ぶぞ？」

「はぁ？じゃあ、僕たち死んでしまうじゃないか」

「そういうことだ。逃げることをオススメするよ、間に合うかは知らないけど」

クソッ!!僕は雷翔と柊のところへ向かい、柊に覆いかぶさった。

「ちょ、何してるですかッ!?2人とも逃げないとッ!!」

「今から逃げても間に合わねぇ、お前だけでも助かってくれ。そして未来を変えるんだッ」

「岩術・岩球包みがんじゅつ  がんきゅうつづみッ!!」

岩山さんが、術を使い、主霊を岩で包み込んだ。そして、間もなくして、主霊が大爆発した。

11月2日午前０時  恐山にて巨大な爆発を確認。GEAに所属する多くの祓い師が死亡、もしくは重症を負った。凪澤  戒の生死は不明。生き残った人物は篠崎  真奈、白井  文也、柳  泉陽、紅葉  那由他などで、死亡した人物は鳩山  士郎、蔵宮  源三、青山  優牙、佐神  雷翔、羽川  柚瑠、その他大勢の祓い師たちである。恐山決戦終結後、会長・蔵宮  源三の死亡により、臨時会長として2帝・岩山  悟が現場の指揮をとり、遺体処理などを行い、爆発発生から1時間後には、GEAは現場から撤収した。