幽霊祓い

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第2章 学校霊編

第132話 アーリラ・マリナ・ヘルデ

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赤石君が昏睡状態か・・・。優牙と佐神君も相当心を痛めているんだろうな。そんな時に任務に同行させるなんて、俺、やらかしたな。

「はぁ・・・」

と、その時、俺は後ろから勢いよく迫ってくる気配を感じ、急いで避けた。

「ケケケッ、君、すごいねぇ。私の睡眠腕スリープアームを避けるとは、さっきの子たちとは違う感じがするよ」

そこには腕が3本ある、制服を着た女の幽霊がいた。

「お前は?」

「私はアーリラ・マリナ・ヘルデ。あなたは?」

「新木  士郎だ。さっきの子たちってことは、あの二人はお眠り状態か?」

「えぇ、そうよ。あとで美味しく頂くわ。でも、その前に、全員を眠らしてから食べたいから、あなたもお眠りなさ~い!!」

俺は鞘から刀を抜いた。

「あら、あなた、術を使えないの?可哀想に、ケケケッ」

「どうやら、俺は術に嫌われているようでな、簡単な術すら使えないんだ。その分、鳩山さんが霊気を入れてくれたこの刀でお前を倒す!!」

俺は刀をギュッと握りしめ、アーリラに向かっていった。そして、睡眠腕スリープアームを斬り落とした。

「痛いッ、酷いなぁ、女の子の腕を斬り落とすなんて。でも、私は幽霊。再生ができ・・・ないッ!?」

「この刀の名は邪鉱丸じゃこうまる邪鉱鉱石じゃこうこうせきという特殊な鉱石から作られた刀だ。元々の能力は再生能力の低速。そこに鳩山さんが霊気を入れてくれたことで能力は進化。相手の能力を完全阻止という能力になったんだ。」

「チッ、なら、その刀を壊せばいいのね。いいわよ、やってやろうじゃないッ、音奏文具兵団ルリシシテルバイセルッ」

アーリラがそう唱えると、教室から6本のシャーペンが飛び出てきて、擬人化した。

「さぁ、あなたたち、やつを殺しなさい。愛されなくなった怒りをぶつけるのですッ、ケケケッ」

シャーペンに似た剣を持った兵士たちが襲いかかってきた。

「その子たちはかつての持ち主から手放された子たち。よくあるわよね、落とし主が現れずに放ったらかしにされる文具って。私はそんな忘れられた悲しみを形にする力もあるの」

俺は擬人化したシャーペンたちを次々に斬り倒した。斬り倒すと、元のシャーペンに戻ってその場に転がった。

「忘れられた思いを形に?じゃあ、お前も忘れられてしまった存在なのか?」

「えぇ、そうよ。私はこの高校の生徒だったの。でも、校内での事故で亡くなった。そして、学校にお墓が作られたわ。最初はよかった。でも、しばらくしてから事件は起きたわ・・・」

「事件?」
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