2回目チート人生、まじですか

ゆめ

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動き出した影と光

お話

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「こっち?」
「えぇ。突き当たりです」
「団長大丈夫なのか?」
「んー?何が?」
「起きたばっかだろ」
「平気平気」

 逆に寝すぎて身体が訛っちゃって仕方ない。

 俺はブンブン腕を振りながら歩を進める。

 俺たちは現在地下にいる。
 本部の地下は何があるかと言うとー牢獄。
 俺はある人物に会うためにここに来た。

「よぉ、どうだ?ここの居心地」
「………最悪だな………………生きてたのかお前……………アヴォルに殺されたと思ってたんだがな」
「残念でした。アヴォルは死んでるが俺はピンピンしておるよ」

 そう、1週間ちょい前、セトルイス達が捕縛に成功した魔物との契約者、確か名前をレヴィスといったか。

「さて、色々お話を聞きたいんだがねぇ」
「何も話すことなんかない」
「まあまあそう言わず~」

 俺は牢獄の前に立ちながらレヴィスに話しかける。

「まっずは~んー…………………あっちの国での君の立ち位置を教えてもらおーかねぇ」
「だから話すことはないって」
「別にいいんだけどね、自分から話してくれなくても」
「は?」

 不審な顔をしながら首を傾げる。

「魔法ってさ、便利だよねぇほんと。自白を強要させる魔法なんてのもあるんだからね」

 その言葉を聞いた途端、レヴィスの顔色は変わる。

「そ、そんな魔法聞いたことも見た事もないぞ…」
「ん?試してみる?」

 俺も使うのは初めてなんだよね、と笑って言えば更に顔色が悪くなる。

「自主的に話してくれるのがやっぱ1番いいんだよねぇ~こーゆー精神魔法って俺苦手だからさぁ後遺症とか残るかもしんないし」

 ね?と笑って促せばレヴィスの顔は真っ青になり俯いて檻の前で座った。

 よし。これで尋問できるでしょう。
 って待って後ろの2人。引かないでよねぇ、引かないでよ。俺だって好きでやってるわけじゃないんだよ????多分。そんな趣味ないし!!!!必要不可欠じゃん!!!

「じゃ、あっちの国での君の身分はどんな感じ?」
「…………………ただの一般兵だよ…」
「ほーう。権力を持ってた訳では無い、と」
「あぁ、」
「じゃあ次の質問、アヴォルはいつどのようにして現れた?」
「…………そうだな………ある日突然現れたな………気がついたら宰相サマといたな」
「へぇ~」

 何かしらの取引をしたんだろうなー。

「君はどうやって関わりを持った?」

 そしてどういう経緯で悪魔と契約した?

「……………………………ある日、」

 ゆっくりと レヴィスは話し始めた。

「アヴォルが俺を含めた一般兵を数人集めた。その時にあいつは聞いたんだ。強さが欲しいか、と」
「それで頷いたわけですね…」
「当たり前だろ!!俺たちは弱い!いつ死ぬかも分からない。弱いから階級も上がらない!弱いから生活も苦しい!弱いから家族も守れない!!!」
「………」
「その後あいつは何か塊のような物を取り出した。強くなりたいならこれを食え、と」
「…………なるほどねぇ…で、他の奴らは死んでお前だけ適応して生き残ったわけか…」
「あぁ…」
「なんの魔物と契約したんだ?」
「よく分からない…………」

 …ん?分からない?

「確かに契約して魔力は上がったが契約獣として使役することは出来なかった」

 …………そうなの?

 後ろの2人に目線を送り確認すると同意を示す。
 …だからあんな余裕そうで終わってたのか……………まあそれは良かったけど…。

「トングを狙ったのはどうしてだ?」
「トング……………あぁ、あの村か」

 しばらく考えるように目を閉じてから首を横に振る。

「それは知らない。あいつから言われてやっただけだから」
「それじゃあアヴォルが何を目的としてそっちの国に近づいたかもなんで俺たちの国を狙ったのかも知らないってことか?」
「そういうことだ」

 うーーーーん、まぁでもそうだよなぁ…………所詮人間を駒としか思ってねぇもんなアイツら。そんな大事なことを言うはずがない、ってことか。

「まあ大体分かった。ありがとな」

 俺は踵を返し上へと戻る。
 その時レヴィスが一つ質問をしてきた。

「お前は何なんだ?」

 ふむ、何かと言われましても…

「ただの人間だよ」
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