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過密状態にご注意を 3
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街に降りたらコンビニ……には寄らずに宮下の職場へと向かう。
基本は遅番だが週に一度、ないしはチーフ不在時に朝番に入る事もあり、今日は偶然にもそんな日だった。業界第一位はこんな山間の小さな町にまで進出するのだからその精神本当にありがたく思う。たとえうちがエリア外だからって配達してくれなくてもね。思い出してふてくされてしまうも仕方ないだろうとあの家に住めば納得するしかない秘境だからと今も思っている。
陸斗にカートを押させて山で手に入らない俺が作ってない野菜を手に入れる。大根、人参など季節じゃない野菜や白菜もかごに入れる。勿論生椎茸やシメジ、舞茸と言ったキノコ類も。野菜以外にも蒟蒻や練り物、あとだしなどの調味料も砂糖と塩を買い足し米も買い足しておく。この季節は新米の前の古米なのでいつも購入しているお米は猟友会の人の家の物。この山間の米農家さんなのだが虫やらが湧いていたりしてだいぶ慣れたとはいえ虫好きではない俺としては勘弁してほしい所。なので新米が出回るまではスーパーにご厄介になっている。ちょっと困った事に何故か十キロでない事だが、数百メートル離れた農協のスーパーでも買えるので別にそっちでもいいじゃんと思ってはいるものの家と反対方向に在るのだ。だがそっちの方がお肉もおいしいし……と考えた所でやっぱりそっちに寄り道する事にした。
なのでここで買う物は大型ペットボトルの緑茶に水出しもできるパックの緑茶。薬缶にウォーターサーバーの水を入れて緑茶のパックを入れて山水で冷やしておけばそれで十分だ。そう言えばスイカを買っておくべきか。でもスイカって微妙に不評なんだよなと思うのはスイカ農家がいるせいだ。専門ではないが家で食べる分と畑の道沿いで売る分を作ると言う……本業さんの孫が今回いるのでスイカはやめておこう。むしろ持ってきてくれる事を少しだけ期待して代わりにみかんを買っておく。少し高いがこの季節は贈答用にハウスミカンを良くお目にかけるので箱で買っておけばそのうちなくなっているのがミカンの良い所だ。ちなみに箱に一つは入っている腐っている奴は半分に切って烏骨鶏達の前に置いておけばそれで処理は終了。ほんと良い子達だよと陸斗にもう一つカートを持ってこさせてちょうど納品の時間なのだろうかポテチが未開封の状態であったのでうす塩とコンソメをひと箱ずつ陸斗が持って来たカートに乗せる。こんな買い方をした事がない陸斗は驚いているが
「お金に変るんだから迷惑じゃないよ」
売り上げに貢献してるんだから大丈夫だよって教えて容赦なく購入して行く。缶詰コーナーでひよこ豆を買ったり先生用オイルサーディン、俺用スパムだったり、ああ、即席ラーメンも……あ、箱入り発見。醤油と味噌二種類こちらも箱のまま頂きます。それから牛乳や生クリーム、ラッキーな事にバターもありちゃんと買っておく。そろそろ荷台のカートも一杯になりだしてまだ買い物をしようとする俺に陸斗はポカンとして戸惑いながらついてくるも、冷凍食品でポテトやチャーハンなども買ってしまう。こう言う味に飢えてるんだ。何が悪いと心の中で訴えながら優秀な冷凍うどんも買っておく。そうなると麺つゆも必要だなと調味料コーナーに戻ってついでに醤油、みりん、料理酒も買っておく。
「こんなものか?」
リカーコーナーで少し足を止めてウィスキーを幾つかかごに入れて最後にレジ付近に在った昔懐かし三ツ矢がマークのサイダーをひと箱追加してレジに向えばレジの人の一瞬引き攣った顔。側に居た人がすぐに応援に入って応対してくれた。ごめんなさい。さすがにセルフレジで済ませる気になりませんでした。
そう言えば肝心の宮下は?と言えばあまりに忙しそうなので声をかけずに手を振っておいただけ。お昼時となれば忙しいよなと多分今夜あたり遊びに来るだろうと予想を付けておく。宮下にも懐いている水野、植田コンビがいるとは思わないだろうけどと苦笑をしながらお会計は二万を越えました。言っておくけどお酒が大半を占めているだけでちゃんと上手なお買い物をしているよと言い訳をしておく。いや、お酒の代金が大半を占めているってダメじゃんと思うも一人の夜にはつきものだからこれだけは外せないと言い訳をしておく。
山ほどの買い物を陸斗と一緒に細い通路を縫うようにして道を挟んだ駐車場に止めた車に詰める。それから数百メートル離れた道の駅も兼ねている農協のスーパーへと向かい
「まだ買うんですか?」
「想定外には対応しておかないとな」
普通のスーパーにはない顔ぶれの野菜を買う。この地方のかぼちゃは一般的に知られる丸いかぼちゃではなく瓢箪のように細長いかぼちゃが主流で、これが意外にもほっこりとしていて甘みも強く美味くて病み付きになった時があった。今も見付けたら買う様にしているが、生憎ハウス栽培までしてと言うお宅は少なく、あっても自宅用で作るだけなので季節のお味としてぬかりなく楽しむ様にしている。もちろん俺も作ってはいるが、やはり山の上。まだ未成熟で食べるにはもう少し時間が必要。
さらにスーパーには並ばない怪しげな野菜も盛りだくさんだし
「あ、ミョウガも見っけ」
「家の裏に生えてたはずですが?」
「食べれる奴は食べちゃったんだ。昨夜ミョウガを串焼きにしておやつに」
「おやつの基本がわかりません」
「いやいや、塩をぱらぱらって振って日本酒と組み合わせて完璧だ」
「おやつじゃなくっておつまみじゃないですか」
「それが大人のおやつだよ。ちなみに一緒に焼いたししとうも美味かった」
はははと笑い返しながらこうやって言い返すようになった陸斗にダメな大人の見本を見せて置く。圭斗に知られると怒られるきはいしかないが、まあそこは圭斗に任せておこう。
基本は遅番だが週に一度、ないしはチーフ不在時に朝番に入る事もあり、今日は偶然にもそんな日だった。業界第一位はこんな山間の小さな町にまで進出するのだからその精神本当にありがたく思う。たとえうちがエリア外だからって配達してくれなくてもね。思い出してふてくされてしまうも仕方ないだろうとあの家に住めば納得するしかない秘境だからと今も思っている。
陸斗にカートを押させて山で手に入らない俺が作ってない野菜を手に入れる。大根、人参など季節じゃない野菜や白菜もかごに入れる。勿論生椎茸やシメジ、舞茸と言ったキノコ類も。野菜以外にも蒟蒻や練り物、あとだしなどの調味料も砂糖と塩を買い足し米も買い足しておく。この季節は新米の前の古米なのでいつも購入しているお米は猟友会の人の家の物。この山間の米農家さんなのだが虫やらが湧いていたりしてだいぶ慣れたとはいえ虫好きではない俺としては勘弁してほしい所。なので新米が出回るまではスーパーにご厄介になっている。ちょっと困った事に何故か十キロでない事だが、数百メートル離れた農協のスーパーでも買えるので別にそっちでもいいじゃんと思ってはいるものの家と反対方向に在るのだ。だがそっちの方がお肉もおいしいし……と考えた所でやっぱりそっちに寄り道する事にした。
なのでここで買う物は大型ペットボトルの緑茶に水出しもできるパックの緑茶。薬缶にウォーターサーバーの水を入れて緑茶のパックを入れて山水で冷やしておけばそれで十分だ。そう言えばスイカを買っておくべきか。でもスイカって微妙に不評なんだよなと思うのはスイカ農家がいるせいだ。専門ではないが家で食べる分と畑の道沿いで売る分を作ると言う……本業さんの孫が今回いるのでスイカはやめておこう。むしろ持ってきてくれる事を少しだけ期待して代わりにみかんを買っておく。少し高いがこの季節は贈答用にハウスミカンを良くお目にかけるので箱で買っておけばそのうちなくなっているのがミカンの良い所だ。ちなみに箱に一つは入っている腐っている奴は半分に切って烏骨鶏達の前に置いておけばそれで処理は終了。ほんと良い子達だよと陸斗にもう一つカートを持ってこさせてちょうど納品の時間なのだろうかポテチが未開封の状態であったのでうす塩とコンソメをひと箱ずつ陸斗が持って来たカートに乗せる。こんな買い方をした事がない陸斗は驚いているが
「お金に変るんだから迷惑じゃないよ」
売り上げに貢献してるんだから大丈夫だよって教えて容赦なく購入して行く。缶詰コーナーでひよこ豆を買ったり先生用オイルサーディン、俺用スパムだったり、ああ、即席ラーメンも……あ、箱入り発見。醤油と味噌二種類こちらも箱のまま頂きます。それから牛乳や生クリーム、ラッキーな事にバターもありちゃんと買っておく。そろそろ荷台のカートも一杯になりだしてまだ買い物をしようとする俺に陸斗はポカンとして戸惑いながらついてくるも、冷凍食品でポテトやチャーハンなども買ってしまう。こう言う味に飢えてるんだ。何が悪いと心の中で訴えながら優秀な冷凍うどんも買っておく。そうなると麺つゆも必要だなと調味料コーナーに戻ってついでに醤油、みりん、料理酒も買っておく。
「こんなものか?」
リカーコーナーで少し足を止めてウィスキーを幾つかかごに入れて最後にレジ付近に在った昔懐かし三ツ矢がマークのサイダーをひと箱追加してレジに向えばレジの人の一瞬引き攣った顔。側に居た人がすぐに応援に入って応対してくれた。ごめんなさい。さすがにセルフレジで済ませる気になりませんでした。
そう言えば肝心の宮下は?と言えばあまりに忙しそうなので声をかけずに手を振っておいただけ。お昼時となれば忙しいよなと多分今夜あたり遊びに来るだろうと予想を付けておく。宮下にも懐いている水野、植田コンビがいるとは思わないだろうけどと苦笑をしながらお会計は二万を越えました。言っておくけどお酒が大半を占めているだけでちゃんと上手なお買い物をしているよと言い訳をしておく。いや、お酒の代金が大半を占めているってダメじゃんと思うも一人の夜にはつきものだからこれだけは外せないと言い訳をしておく。
山ほどの買い物を陸斗と一緒に細い通路を縫うようにして道を挟んだ駐車場に止めた車に詰める。それから数百メートル離れた道の駅も兼ねている農協のスーパーへと向かい
「まだ買うんですか?」
「想定外には対応しておかないとな」
普通のスーパーにはない顔ぶれの野菜を買う。この地方のかぼちゃは一般的に知られる丸いかぼちゃではなく瓢箪のように細長いかぼちゃが主流で、これが意外にもほっこりとしていて甘みも強く美味くて病み付きになった時があった。今も見付けたら買う様にしているが、生憎ハウス栽培までしてと言うお宅は少なく、あっても自宅用で作るだけなので季節のお味としてぬかりなく楽しむ様にしている。もちろん俺も作ってはいるが、やはり山の上。まだ未成熟で食べるにはもう少し時間が必要。
さらにスーパーには並ばない怪しげな野菜も盛りだくさんだし
「あ、ミョウガも見っけ」
「家の裏に生えてたはずですが?」
「食べれる奴は食べちゃったんだ。昨夜ミョウガを串焼きにしておやつに」
「おやつの基本がわかりません」
「いやいや、塩をぱらぱらって振って日本酒と組み合わせて完璧だ」
「おやつじゃなくっておつまみじゃないですか」
「それが大人のおやつだよ。ちなみに一緒に焼いたししとうも美味かった」
はははと笑い返しながらこうやって言い返すようになった陸斗にダメな大人の見本を見せて置く。圭斗に知られると怒られるきはいしかないが、まあそこは圭斗に任せておこう。
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